5000万円を資産運用で2倍にするための5つの具体的な手法を解説

資産運用は元本となる金額が大きければ大きいほど有利だということを皆さんはご存知でしょうか?

・配当金を目的に投資をする場合、持っている株数が多ければ多いほど配当も受け取れる
・投資元本が大きいほど複利で増える金額が大きくなる

そのメリットは数多く挙げられます。

さて、ここでもしあなたが5000万円程度の現金を保有している場合、どういった方法で、どのくらいまで資産を増やしますか?
5000万円あるのであれば、資産1億円の大台を目指したいと考える方も多いのではないでしょうか。

 

1億円と聞くと自分とは離れた世界のように聞こえるかもしれませんが、5000万円→1億円とするのは時間をかけ、かつ投資先の金融商品の選定を上手く行えばそう遠い目標ではありません。

また、数千万円程度の資産があれば、そこからの資産の運用方法はリスクや運用期間を秤にかけて自らで選ぶことが可能であるため、数百万単位から1億を目指すよりは非常に楽なロードマップを描くことが出来ます。
そこで今回は、5000万円をどういったプロセスを経て1億円にするか、目標までのプロセスを明確にしたうえで考えていきましょう!

5000万円資産運用の目標


5000万円を1億円にする、数字で見ると資産を「倍化」させることになりますが、これにはどれくらいの期間がかかるのでしょうか?

年利○%で順調に資産が推移していき、増えた資産を投資資金に再投資できると考え、それぞれのケースで何年かかるのかをまとめてみました。

  • 年利5% → 14年2ヵ月
  • 年利6% → 11年11ヵ月
  • 年利7% → 10年3ヵ月
  • 年利8% → 9年
  • 年利9% → 8年1ヵ月
  • 年利10% → 7年3ヵ月

 

皆さんはこちらを見てどう思いましたか?
「年利5%でも14年かかるのか...」「思ってたより期間がかからず1億円に到達できるな」など、感想は人それぞれだと思いますが、年利の高さは金融商品のリスクの高さに比例することを知っておきましょう。

他のベンチマークとして色々な金融商品の利回りをチェックしてみました。

 

  • 日本10年国債利回り → 0.08%~
  • 東証一部平均配当利回り →  1.87%
  • REIT平均分配金利回り → 3.57%

(2021年3月時点)

 

国債は基本的にノーリスク資産として知られますが、その分非常に利回りが低くなっていることが分かります。

5000万円という資金を投資に回す場合、他の個人投資家と比べアドバンテージがあるのは余裕を持った資金分散を行えることです。
後の章でも詳しく触れますが、分散投資は資産運用においてリスクを減らすという点において非常に重要な概念です。

リスクという面で考えると、投資は一辺倒に資金が増えていくわけではなく、必ず途中で含み益・運用資産が減少するタイミングがやってきます。

そういった際に焦って売買を行い損失を拡大させないよう、様々なケースに対応できるような準備が必要となると言えるでしょう。

プロにお任せする5000万円資産運用

前の項目の最後で様々なケースに対応できるような準備が必要となると述べました。

というのも市場が過去と同じような動きをすることは非常に稀なためです。

 

突発的に大きな下落が起きる、ボラティリティ(値動きの幅)が大きくなる、ということも毎年のように起きますが、そのタイミングも前兆なく訪れることがあります。

そういった相場環境のなか、
「資産運用したいが、そういった局面に対応できるか不安...」
「どこで買ってどこで売ればいいのか分からない」
といった悩みを持つ方にオススメなのが投資のプロが運営するファンドへ資産運用を任せることです。

 

広義では投資信託もファンドに含まれますが、投資額が大きい場合、オススメしたいのがヘッジファンドです。
また、自分で投資先を選ぶ手間を省くという観点からはロボットアドバイザーも候補に挙げられるでしょう。
投資信託の場合、非常に数多くの種類があり、そこから自分に合ったものやリスクを考えたうえで、分散を行うには時間と知識を要します。

 

大きい資金元本はメリットも多いですが、こと投資先の選定となると資金の大きさゆえに投資先をどう選ぶかの手間が発生するのはややネックです。

ここからは「プロに任せる」という視点から見た、いくつかの投資候補をチェックしていきましょう。

(1)Japan Act

JapanAct

サンエー化研、昭和パックスなどの日本の会社に投資を行うJapan Actはコーポレートガバナンスの向上をビジョンの一つに掲げるファンドです。
コーポレートガバナンス向上を謳うファンドはいわゆる「アクティビスト(物言う株主)」としての活動が知られますが、Japan Actも同様で、会社に株主還元、有価証券の売却などを促すことでガバナンス向上に加え企業価値の向上を目指しています。

Japan Actが保有する銘柄は時価総額500億以下の中小型銘柄を対象としており、PBRが1.0倍以下の企業を対象にするなど、投資先を戦略的に選んでいることが伺えます。また、2018年からの平均パフォーマンスは約10%越えと非常に高い数値になっております。
「1、5000万円資産運用の目標」でいくつかの代表的な商品の利回りを上げましたが、Japan Actのパフォーマンスはそれを上回っていることが分かります。

(2)アズカルアセットマネジメント

先に挙げたJapan Actに比べ、より多くの投資戦略を用いてリターンを狙っているのがアズカルアセットマネジメントです。
投資先はアメリカ債券、インド、日本株式と多岐にわたり、ダウンサイド(下落幅)を限定させ、その一方でアップサイド(上昇幅)の狙える商品への積極的な投資を行っています。

ヘッジファンドが用いる考え方である「絶対収益」は、市場が下落局面であっても上昇局面であっても利益を狙いにいくものですが、アービトラージ戦略をはじめ、アズカルアセットもそれに踏襲した投資戦略を使用していることと言えます。

(3)ロボアドバイザー:ウェルスナビ

直近、様々なところで名を聞くようになったのがロボアドバイザーです。ウェルスナビはその代表格とも言えるでしょう

自動でポートフォリオを構成、その後のリバランス(ポートフォリオの再構築)も行ってくれるのは大きなメリットです。ホームページから自分にあった運用プランも提案してくれるため、まずはどのような仕様かを確かめる意味でも運用のシミュレーションを行ってみるとよいでしょう。

自分のスタイルで5000万円の資産運用

「プロに任せず、自分の力で5000万円を運用したい」という方も一定数いらっしゃると思います。
その場合、いつ買っていつ売るか、何をどれくらい買うか、など判断を迷うポイントはいくつか出てくるのですが、そこの投資眼を鍛えられれば1億円から更に資産を増やしていくことも可能となるでしょう。

どのくらいの期間で資産を何%ずつ増やしていくかによってどんな金融商品を選ぶかは異なりますが、まずは色々なサイトを利用し、金融商品の利回り・指標をチェックしてみましょう。

(1)Yahoo!ファイナンス 配当利回り

Yahoo!ファイナンス 配当利回り

インカムゲイン(配当・優待などでの利回り)を狙う場合、このランキングは非常に役に立つでしょう。配当利回りは配当 ÷ 株価で計算されるため、株価が上がれば配当利回りは下がりますが、その分キャピタルゲイン(値上がり益)を享受することが出来ます。

一つ懸念として挙げられるのは配当減額ですが、そういった場合は過去の配当性向などを調べてみるとよいでしょう。

たばこや飲料で有名なJTは、ここ数年株価は下落傾向にあり、コロナの影響で減配を決めたものの、安定的に高い配当利回りを維持していることがわかります。。

JT配当情報

JTの配当利回りは当記事作成時では6.15%、配当が変わらないという前提のもと、単純にJTに全ての投資を資産すると12~13年あたりで配当のみで5000万円→1億円を達成できる計算になりますね。

(2)日本の連続増配銘柄

日本の連続増配銘柄
インカムゲインを考えるうえでは、増配企業を知っておくことも役に立ちます。また、このような企業の中で成長性のあるものを選び、株価のアップサイドを狙うのもよいでしょう。

(3)JAPAN REIT

JAPAN REIT

5000万の資金があれば不動産投資も選択肢の候補に挙がりますが、それでも数千万が不動産投資の資金として拘束されてしまうと、不動産投資のデメリットである資金の流動性が低い点がネックになり得てしまうのですが、REITであればより手軽に間接的に不動産への投資を行うことが可能です。

REITの特徴の一つとして、海外投資家の資金が断続的に入ってきており、海外投資家からアップサイドを見込まれている商品であることが分かります。

日本の不動産市況は直近ややバブル感もあるため、積立で十年先まで安定した市況であるかというと難しいところ。これから先2021年の東京五輪、2025年の大阪万博まではバブルは崩れないとは思われますが、市況の変化に気を遣いながら投資を行いたい商品です。

(4)β(ベータ)値高位ランキング (日本経済新聞)

β(ベータ)値高位ランキング 

βというのは、ベンチマークであるTOPIXに対しその銘柄がどれくらいの値動き幅があるかを示す値です。

例えばβが+2.0だと、TOPIXが1%動いたときその2倍の2%動くことを意味します。

ここから考えられるのはリスク許容で、銘柄を選ぶ際に値動きの大きなものを選ぶのか、それとも小さなものを選ぶのかをβを参考に考えることが出来ます。

 

5000万円→1億円の投資の場合、年利5%~10%は狙っていきたいところですが、TOPIXの値動き幅とβを見ながら、1<β<2あたりの比較的落ち着いた動きをする銘柄を投資先に選んでいきたいです。

こういったサイトを参考にし、5000万円のポートフォリオを組んでみました。

  • 配当利回りが5%~6%の銘柄(東証一部)で、かつ配当減額を過去行っていない企業:50%
  • REIT:20%
  • 増益かつ増配企業:20%
  • 国債10年:10%

インカムゲインをメインで狙いつつ、キャピタルゲインも狙いにいくために増配企業も組み入れています。
減配とならない限り高配当の企業は組み入れ変更はしませんが、増益かつ増配企業に関しては業績が悪化してきたタイミングでリバランスを考慮したいです。

国債はあくまでもヘッジ目的なので、他の商品として構成しても問題ありません。

5000万円資産運用は分散投資

さて、この記事でも何度か触れてきているように、資産運用において最も大事と言っても過言ではないのが分散投資です。
前の項目の最後に5000万円のポートフォリオを例として組みましたが、もっと資産分散を行うのも選択肢としてはありでしょう。

高い利回りが注目されているソーシャルレンディングや新興国株式などでキャピタルゲインを狙いに行きつつ、インカムゲイン狙いの株式を少な目に組み込むなど、ポートフォリオの組み方は千差万別であると言えます。

ただやはり注意したいのは値下がりリスクで、安定をとるのであれば長い目で見た投資を行いたいです。
インカムゲイン狙いの投資も株価が下がることは十分考えられるので、一度に買い付けを行うのではなく積み立てのような感じで一定期間ごとに購入していくこともリスク分散の一つの方法になると言えるでしょう。

ポートフォリオのリバランスや株価上下を気にしたくないのであれば、プロのファンドに一任というのもよいかもしれません。

まとめ

ここまで5000万円の資産運用方法について見てきましたがいかがでしたでしょうか。5000万の資金があるのであれば、ファンド+高配当銘柄 のような組み合わせでポートフォリオを組むことも可能です。
効率のよい資産運用をするために、様々な方法を検討したうえでポートフォリオを構成してみましょう。

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