国内ヘッジファンドをいくつか比較してみましょう!

ヘッジファンドとは複数の投資家から資金を集めた金融のプロが、資産運用を行い利益を求める運用方法または会社を指します。
複数人から資金を募り運用していく点が投資信託と同じですが「投資スタイル」「投資家の募集方法」など異なる点もあります。
投資信託との違いを理解しつつ国内ヘッジファンドの特徴を著名なファンドを取り上げて紹介します。

ヘッジファンドは絶対利益型

 

投資信託の投資スタイルは基本的に相対利益型となります。
相対利益型とはベンチマークを定めて、少しでも上回る成績を出すことを目標としている投資スタイルのことであり、競争相手として想定されるベンチマークに割り当てられる指数には日経平均株価やTOPIXなどが一般的です。

 

例えばベンチマークとして設定した日経平均株価が20%下がったとしても、ファンド側が15%の下げで保つことが出来れば成功という考え方をするのですが、出資者からすると20%でも15%でもマイナスには変わりないので不満を抱く場面も少なからず起こります。

さらに相対利益型の特徴であるベンチマークに追従する面から、プラスが出たとしても大幅な利益が望めないことも投資信託に対する不信感につながりかねません。

対するヘッジファンドでは絶対利益型の投資スタイルをとります。

その名の通り絶対的な利益を追求していく運営スタイルであり、たとえ市場が下がろうと利益を出すことを目的とします。
よく誤解しがちですが絶対利益型という名称だからといって、100%利益が得られることを保証するものではありません。

 

あくまで相対的に対するワードであり、絶対利益型による投資は常に利益を求めるという意味を持ちます。
リスクの面では、相対利益型よりも大きな損失を抱える可能性が高くなることとなります。

少ない情報からヘッジファンドを探す

 

投資信託が資金を募る時は証券会社などの金融機関を通して行うことが一般的です。
不特定多数に対して幅広く募集する事ができ、1万円程度の少額から出資することも可能なスタイルとなります。
投資信託に関する情報は公表されているため、誰でも安心して参加しやすいのが特徴です。

 

対してヘッジファンドは私募が基本です。
私募とは証券会社などを介さず投資家を勧誘して出資を募る募集方法です。
50人未満を目安にしており、最低出資額が1000万円や億を超える場合もあることから、ごく限られた富裕層の投資家を対象としているといって良いでしょう。

 

そのため内情を明らかにする情報も少ないのです。
国内ヘッジファンドの情報が少ない要因の一つに、日本におけるヘッジファンド会社の数自体が少ないことが挙げられます。
日本では通常ヘッジファンドで得た利益に対して税金がかかりますが、一部のタックスヘイブンと呼ばれる国や地域では税金がかかりません。

 

ヘッジファンドはタックスヘイブンに存在しているケースが多く、日本国内には少なくなるのです。
このように少ない情報の中からヘッジファンドを選ぶ際に基準となるのは、利回りと信用度です。
利回り情報は公開されていることが多く、信用度は情報の公表度合いなどから判断できます。

Japan Act

 

Japan Actは、2018年に設立されたアクティビストファンドです。

Japan Actの運用チームは、アクティビストファンドでの勤務経験があるメンバーで構成されており、日本でも数少ない優秀なアクティビストファンドの一つであるといえるでしょう。

コーポレートガバナンス・コードやスチュワードシップ・コードの重要性と企業と株主が一丸となって株式市場の改革を目指していけるようにアクティビストとしての活動を行っています。

 

2019年には約30%という高利回りを達成しており、これは年間利回り15%に達しないヘッジファンド会社が多くを占める中でも驚異的な数字と言えるでしょう。
戦略としては割安銘柄に投資をして価値上昇を狙うバリュー投資をベースにしながらも、株をただ保有しているだけではなく、必要があれば積極的に株主の権利を行使して、企業価値・株主価値を向上させるためにできることを行いながら株価を自らの力で上昇させていくという非常にポジティブな戦略を行っています。

 

私募により最低1000万円からの出資を募っている点は、億単位での募集も多々見られるヘッジファンド業界の中において、比較的参加がしやすいといえるでしょう。
また、日本におけるアクティビスト投資の先駆けとしても認知されており、2020年6月30日の日本経済新聞朝刊に「~進むスチュワードシップ活動の高度化~ 開示拡充が進む運用会社の議決権行使」という特集記事が掲載されています。
日本経済新聞といえば言わずと知れた日本を代表する有名な新聞です。このことからも、業界各所からアクティビストとして期待されている証拠であるといえるでしょう。

BM CAPITAL

 

BM CAPITALは「資産を守りつつ堅実な資産増加を目指す」という信念を掲げている国内ヘッジファンド会社です。
堅実な姿勢は運用成績にも現れており、過去にマイナスになった年はありません。

 

投資姿勢としては企業価値に対して割安な株を見抜き、中長期的な利益を出すことを目的としたバリュー投資がベースとなっています。
また、一定以上の株式保有を裏付けとして企業価値そのものを向上させようとするアクティビスト的な投資家の面も備えています。

 

Japan Actほど表立ったアクティビストとしての活動は行っていないようですが、堅実な運用の姿勢は十分評価に値するでしょう。

アズカルアセットマネジメント

 

過去に金融機関で働いていたスタッフ数名による、少数精鋭のヘッジファンド会社です。
運用戦略は前述の2社同様にバリュー投資を軸にしており、リスクを抑えつつ大きなリターンを狙っていくスタイルのようです。

 

扱う商品は主にアメリカ債権やインドへの投資、アルゴリズムを利用することで株式市場変動の影響を抑えたアービトラージ戦略による日本株式などとなります。
アズカルアセットマネジメントの特徴は運用スタッフにあります。

 

代表を始めとする主要メンバーが全て有名な証券会社や研究所出身などのエリートで固められている点は魅力的で安心感を得られる要因となることでしょう。その反面、実際の運用成績などの客観的なデータが乏しく説得力にかけるため、会社自体に対する若干の不透明感は否めません。

国内ヘッジファンドへのコンタクトや注意点

 

ここまで利回りと情報公開における会社の信用度を基準にして3社取り上げました。
上記を参考にしながら、自身に合った国内ヘッジファンドをぜひ見つけてください。
もし目当てのヘッジファンド会社を見つけることができたのならば、早速コンタクトを取ることをおすすめします。

 

コンタクトは各会社のメールフォームや電話番号から直接連絡を取ることが可能です。
魅力的な投資内容を提示できればスムーズに担当者もつくでしょう。
もしくはすでにヘッジファンドを利用している富裕層の知人の紹介を受けることができれば、担当者と会うことは難しくありません。

 

目当てのヘッジファンドの商品を扱う金融機関があれば、業務提携しているヘッジファンドと契約することもできるでしょう。
また、実際にヘッジファンドで資産運用を始める前には手数料などもチェックしておくべきです。

 

ヘッジファンドで主にかかる手数料は運用管理費用と成功報酬の2つ。運用管理費用は資産を運用している間中かかる手数料です。
保有ファンドに対しておよそ年2%程度がかかります。成功報酬とは資産運用によって利益が出た際に発生する手数料のことです。
条件によって異なりますが20~50%程度が一般的とされているようです。

 

成功報酬は文字通り利益が出て資産運用が成功した時にのみ発生するものであるため、損が出た時には請求されません。
長いスパンで出資をする国内ヘッジファンドを選ぶ際には、かかる手数料も重要な要素の一つとなるので注意しましょう。

以下の記事でもヘッジファンドに関する情報をまとめておりますので、ぜひご覧ください。

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