株で7.3倍!?大儲けした3例から学ぶ、短期と長期の株の選び方を紹介

ほとんどの株式投資家はお金を増やすことを目的にして株式を買っているでしょう。やはり「大儲けできるかどうか」は気になるところだと思います。

端的にいうと、株式で大きな利益を得られる可能性はあります。実際に大きく値上がりした例も少なくありません。

そこで本記事では、まずは株式で大きな利益を得られた3例を紹介します。記事の後半では大きな利益を狙う場合の選び方についても解説するので、株式で大儲けを企む方はチェックしてみてください。

株で大儲けはできる!数倍の利益を出した例

株で大儲けはできる!数倍の利益を出した例

大きな利益を得られた例について、本記事では以下3例を解説します。

  1. Jストリーム(1年で7.3倍)
  2. アメリカ株式(10年で4.0倍)
  3. DIAM新興市場日本株ファンド(設定来で24.2倍)

それぞれ確認しましょう。

例1.Jストリーム 1年で7.3倍

Jストリームの株価は2020年、大きく値上がりしました。1年間で株価は7.3倍まで成長し、1,000株で461.3万円の利益を得られた計算です。

Jストリーム 2019年末~2020年末の値動き
株価 利益
2019年末 737円
2020年末 5,350円 +625.92%(約7.3倍)

Jストリームは動画配信サービスを手掛ける企業です。コロナ禍で業績が伸びる期待感から買いを集めました。実際2021年3月期(2020年4月~2021年3月)は前年比+521.4%の純利益を残しています。好業績が期待され株価が大きく上昇した事例といえるでしょう。

例2.アメリカ株式 10年で4.0倍

長期で見ると株価の全体的な値動きを示す株価指数も大きく値上がりすることがあります。アメリカの代表的な株価指数「S&P500」は過去10年間、1年あたり14.84%上昇しました(2021年6月末時点)。累積では+299.0%、つまり約4倍に成長した計算です。

S&P500 直近のトータルリターン(2021年6月末)
1年 3年(年率) 5年(年率) 10年(年率)
40.79% 18.67% 17.65% 14.84%

中長期投資をしていれば、平均的な銘柄でも大きな利益を得られる1つの事例といえるでしょう。

例3.DIAM新興市場日本株ファンド 設定来で24.2倍

株式で運用する投資信託も大きく値上がりするケースがあります。

「DIAM新興市場日本株ファンド」は2007年11月29日から運用しており、累積リターンは+2,320.85%にもなります(2021年6月末時点)。資産を約24.2倍にできた計算で、100万円の投資で2,300万円以上の利益を得られたことになります。

S&P500 直近のトータルリターン(2021年6月末)
1年 3年(年率) 5年(年率) 10年(年率)
49.17% 23.36% 28.42% 31.80%

DIAM新興市場日本株ファンドは高成長が期待される日本の小型株で運用される投資信託です。成長株に中長期投資することで大きな利益を得られた事例といえるでしょう。

株の大儲けには「短期」&「長期」の2つのパターン

株の大儲けには「短期」&「長期」の2つのパターン

上述した例から、株式で大きな利益を得るには「短期」と「長期」の2パターンがあるとわかります。「Jストリーム」のように個別の株式は短期で、「アメリカ株式」や「DIAM新興市場日本株ファンド」は長期で大きな利益を得られたケースです。

株式で大きな利益を得るには銘柄選びが大切ですが、どちらのパターンを選ぶかによって方法が異なります。

次章からそれぞれのパターン別に、大きな利益を狙う銘柄の選び方について解説します。

短期・長期別 大儲けする株の選び方

短期・長期別 大儲けする株の選び方

ここから大きな利益が期待できる銘柄選びについて確認しましょう。まずは「短期」で狙う場合の銘柄選びについて解説します。

「短期」で大儲けする!選ぶべき3種類の株

株式の短期投資で大きな利益を狙う場合、大きな値動きが必要です。以下のような株式を選ぶといいでしょう。

  • 小型株
  • 材料株・テーマ株
  • IPO株

それぞれ解説します。

小型株を選ぶ

小型株とは、株式の「時価総額」が小さい株式のことです。時価総額は以下の式で計算されます。

時価総額=株価×発行済株式数

時価総額が小さいほど市場の注目を集めにくく、また値動きが大きい傾向があります。好業績などで注目され出すと一気に値上がりする可能性は高いといえるでしょう。

時価総額のいくら以下を小型株と呼ぶか厳密な基準はありませんが、一般には1,000億円未満を指すことが多いです。ちなみに上述した「Jストリーム」の場合、株価が上がり始めた2019年末で時価総額は約100億円でした。

材料株・テーマ株を選ぶ

材料株やテーマ株は、市場で注目されるテーマに反応する株式を指します。「AI関連銘柄」といったように、「〇〇関連銘柄」と呼ばれることが一般的です。

これらの株式は、該当のニュースが流れたときに株価が急騰することがあります。市場でよく注目されているテーマに関連して動く銘柄に投資すれば短期的に大きな利益を得られる可能性があるでしょう。

IPO株を選ぶ

IPO株は新規上場株式を指します。上場直後の株式は大きな値動きになりやすいため、短期的に大きな利益を得られるチャンスがあります。

短期で大きな利益を狙うなら選択肢に加えましょう。

「長期」で大儲けする!選ぶべき2種類の株

株式の長期投資で大きな利益を狙う場合、成長性が大切です。以下のような株式を選ぶといいでしょう。

  1. グロース株
  2. 中小型株

それぞれ簡単に解説します。

グロース株を選ぶ

グロース株は今後の高い成長が期待されている株式を指します。業績が高成長し、将来においても高い成長が期待されている銘柄といえるでしょう。上述した「アメリカ株式」や「DIAM新興市場日本株ファンド」はグロース株が多く含まれており、大きな利益につながりました。

グロース株は過去の業績をチェックして見つけましょう。売り上げや利益の伸び率がチェックポイントです。

中小型株を選ぶ

中小型株は時価総額が中程度以下の株式を指します。こちらも厳密な基準はありませんが、時価総額5,000億円未満の株式を指すことが多いです。

中小型株より時価総額が大きい株式を「大型株」といいますが、こちらは市場の注目度が高く、アナリストが頻繁に分析しています。大きな値動きが起こりにくいため、大きな利益を狙いにくいといえます。

投資期間にもよりますが、株式で大きな利益を狙う場合は大型株を避け、中小型株から選ぶといいでしょう。

株で大儲けを狙うなら長期がおすすめ

株で大儲けを狙うなら長期がおすすめ

株式で大きな利益を狙う場合、筆者は以下の理由から「短期」よりも「長期」をおすすめします。

  • 短期は大きな値動きが不可欠でリスクが高い
  • 長期は小さい利回りで達成できる

短期で大きな利益を狙う場合、どうしても大きな値動きが必要です。リスクが高いため失敗したときの損失が大きくなりやすいことが懸念されます。

長期の場合も損をする可能性がありますが、運用期間を長くすると必要な利回りは下がります。例えば資産を倍にしたい場合、1年で倍にするには100%の利回りが必要ですが、10年なら約7.2%で達成できます。

狙う利回りが下がるならリスクも下がるため、短期より長期の方が低リスクといえます。確度が上がるため、大きな利益を狙う場合は長期をおすすめします。

株で大儲けを狙うときの3つの注意点

株で大儲けを狙うときの3つの注意点

株式で大きな利益を狙う場合、もちろんデメリットもあります。以下の3点が代表的でしょう。

  • リスクがある
  • 銘柄分析やトレードに時間がかかる
  • 相場全体の下落時では利益を出しにくい

それぞれ簡単に解説します。

リスクがある

上述しましたが、株式投資にはリスクがあります。「短期」の場合はもちろんですが、「長期」の場合でも損をする可能性はあります。

必ず利益を得られるわけではない点に注意しましょう。

銘柄分析やトレードに時間がかかる

もう1つの注意点は、取引に時間がかかるという点です。

大きな利益を狙う場合、銘柄分析は欠かせません。特に「長期」でグロース株に投資する場合は、その企業の成長性について分析を行う姿勢が望ましいです。

トレードに時間がかかる点にも注意が必要です。特に「短期」では値動きが大きい株式に投資している場合、マーケットを監視している時間が長くなるでしょう。

本業などで忙しく、銘柄分析や監視する時間が取れない方の場合は特に注意しましょう。

相場全体の下落時では利益を出しにくい

株式投資の基本は「買い」です。つまり買った後に値上がりしないと利益を得られません。したがって、相場全体が下落トレンドのときは利益を出しにくい点に注意が必要です。

長期目線ならヘッジファンドも視野に

長期目線ならヘッジファンドも視野に

もし「長期」で大きな利益を狙う場合、「ヘッジファンド」も選択肢になるかもしれません。相場全体が下落トレンドにあっても利益を出すことができるため、相場の影響を抑えながら一定の利益獲得ができるチャンスがあります。

ヘッジファンドが下落相場でも利益を出せる理由

ヘッジファンドは運用会社の1つで、「売り」の取引を行う点に特徴があります。ヘッジファンドが下落トレンドでも利益を出せる理由です。

「売り」の取引とは値下がりしたときに利益を得る手法で、株式の「空売り」や先物の「ショート」などが該当します。

これら「売り」を行わない場合、利益を得られるのは値上がりしたときだけです。ヘッジファンドは「売り」も併せて行うため、相場が下落しているときでも利益を得ることができるのです。

例えば2020年6月~2021年4月、相場全体(TOPIX)が下落したときに「株式ロングショート(「買い」と「売り」を行う運用)」ヘッジファンドが利益を上げられた月は4月ありました。

相場下落時にヘッジファンドが利益を出した月(2020年6月~2021年4月)
2020年6月 2020年7月 2020年10月 2021年4月 (参考)直近1年間のリターン
TOPIX(配当込み) ▲0.19% ▲4.02% ▲2.84% ▲2.84% 25.61%
ヘッジファンド(株式ロングショート) 3.01% 3.45% 0.19% 2.67% 33.58%

ヘッジファンドが必ず利益を出すわけではありませんが、通常よりも収益機会が多いことは大きな強みです。

ヘッジファンドをおすすめできる人

ヘッジファンドは以下のような方におすすめできます。

  • 長期の運用を考えている
  • 余裕をもって運用資金1,000万円以上を預けられる方

ヘッジファンドは高度な運用を行いますが、多くは中長期で安定的な利益獲得を目指しています。短期で大きな利益を得たい方には向いていないでしょう。長期目線で資金を預けたい方におすすめです。

また最低投資額が大きい傾向があり、小額では資金を受け入れていません。最低でも余裕資金で1,000万円以上を預けられる方でないと利用は難しいでしょう。

株式で大儲けは可能!銘柄選びがポイント

株式で大儲けは可能!銘柄選びがポイント

本記事の内容を以下にまとめます。

  • 株で大儲けできる可能性はある
  • 「短期」と「長期」それぞれに合った銘柄選びが大切
  • 短期は小型株、材料株・テーマ株、IPO株がおすすめ
  • 長期は中小型株、グロース株がおすすめ
  • 大儲けを狙うなら「長期」がおすすめ

本記事で紹介した通り株式投資には大きな利益のチャンスが確かにあります。「短期」か「長期」のどちらで狙うか判断し、それぞれに適した銘柄選びを行うことで可能性は高くなるでしょう。

どちらか悩む場合、基本的には「長期」をおすすめします。比較的低いリスクで実現できるため、より可能性が高くなるためです。

リスクなどのデメリットに気を付けながら、株式で大きな利益獲得を目指しましょう。なお、大きな資金を預けられる方はヘッジファンドもおすすめです。

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