株で儲からない6つの典型例!ダメな理由と合理的に儲ける心がけとは?

株式の値上がりが続いています。日経平均は過去5年で84.8%上昇し、アメリカ株(S&P500)は2.25倍になりました(2021年6月末時点)。

株価は上昇しているにもかかわらず、なかなか株式で利益を出せない方がいます。なぜ順調なはずの株式で利益を出せないのでしょうか。

そこで本記事では、FPの立場から株式でなかなか利益を出せない方の典型的な行動パターンを6つ紹介し、その失敗例から「株式で利益を得られない理由」について探ることを目指します。

株式でなかなか利益を得られない方は、ぜひ投資のヒントにしてください。

株で儲からない人とは?6つの典型例を紹介

株で儲からない人とは?6つの典型例を紹介

以下の6つは、株式でなかなか利益を得られない方が取ってしまう典型的な行動パターンです。当てはまっていないかチェックしてみてください。

  1. 材料株・テーマ株に飛びつく
  2. 配当好き&優待好き
  3. お金があるだけ投資する
  4. 銘柄分散をしていない
  5. 下落時に反射的に売却or買い増しする
  6. かたくなに損切りしない

それぞれ簡単に解説します。

例1.材料株・テーマ株に飛びつく

材料株やテーマ株は、ある特定のニュースが流れたときに大きく反応する株式のことです。短い時間で大きく値上がりするため魅力的に感じる方は多いでしょう。

ただし、短期的に大きく値上がりする場合、急落の可能性も当然あります。よく銘柄を調べず、すでに反応した材料株に飛びつく方は損をすることも多いでしょう。

例2.配当好き&優待好き

配当金や株主優待だけで銘柄を選んでいる方も儲からない人の典型例です。一般に株価の値動きの方が大きいため、配当金や株主優待よりも株価の値動きで投資を判断すべきだからです。

例えば日経平均の予想平均配当利回りは1.84%です(2021年7月13日時点)。対して日経平均の値動きの大きさを示す「日経VI」は一般に20~30ポイントの範囲に収まりますが、これは1日で約1%以上の値動きがあることを意味します。つまり、わずか2日の下落で配当金以上の損失が発生する可能性が十分にあるといえるのです。

出典

つまり、配当金や株主優待は株式投資で重要とはいえません。これらを重視している方は利益を得にくいでしょう。

例3.お金があるだけ投資する

つい運用資金の全額で株式を買ってしまう方も損しやすい典型的なタイプです。「現金にしておくのがもったいない」などの感情から投資していると思われますが、これは正しくない投資判断です。

株式への投資は、純粋に「その銘柄が値上がりするかどうか」で判断すべきです。「お金があるから」といった理由で投資していては銘柄選びが甘くなり、なかなか株式で利益を得られないでしょう。

例4.銘柄分散をしていない

分散投資せず、1つの銘柄に集中投資している方も利益を得にくいといえます。損益が完全に1つの銘柄に依存するためリスクが大きく、運用が安定しないためです。

銘柄の分析力に自信があるなら集中投資も選択肢ですが、そうでないなら分散投資した方がいいでしょう。

例5.下落時に反射的に売却or買い増しする

買った株式が値下がりしたとき、反射的に売りや買い増しといった投資行動を取ってしまうことも、株で利益を得られない方の典型的な行動パターンです。

株価が下がったとき、慌ててしまう気持ちはわかります。しかし、やはり投資判断は冷静に行わないといけません。

例6.かたくなに損切りしない

こちらも同じく、株価が下がったときにしてしまいがちな行動パターンといえるでしょう。損を出さないことを重視するあまり、今後の値上がりに期待できない銘柄でも売らないケースです。

繰り返しますが、値上がりするものだけに投資することが株式投資の理想です。したがって、今後値上がりが期待できないなら保有してもいけません。しかし、かたくなに損切りしない姿勢は理想から離れるため、利益を得にくいしょう。

どうして株で儲からない?

どうして株で儲からない?

上記の典型例から「なぜ株式で利益を得られないのか」、その理由を考えてみましょう。以下3つのことがいえると思います。

  • 運用の知識・経験がない、もしくは生かせていない
  • 投資先に無頓着
  • 合理的な判断ができていない

それぞれ解説します。

運用の知識・経験がない、もしくは生かせていない

上述したような典型例は、冷静に考えれば多くの方が避けられる行為です。今読んでいるあなたも「そんなことはしない」と考えているのではないのでしょうか。

ただし、基本的な知識や経験がないと冷静に振る舞えないものです。上述した例のほとんどに当てはまってしまう方は特にそうでしょう。得られた知識や経験を生かせていない方も同様です。

本格的な株式投資を始める前に、小額取引である程度知識や経験を積むといいでしょう。1株単位で取引できる「単元未満株サービス」がおすすめです。

投資先に無頓着

投資先をきちんと調べていないことも、株式で損をしてしまう理由といえるでしょう。上述した典型例の中では大きく値上がりしている材料株や高配当銘柄に飛びつく方、また値下がりに反射的に反応してしまう方が該当します。

投資先はきちんと調べましょう。株価や配当金だけ見ていては大きく損してしまう可能性があります。投資先企業は以下のような方法で調べられます。

合理的な判断ができていない

合理的に判断できないことも株式で利益を得られない理由の1つです。上述の損切りできないケースなどが該当するでしょう。

こちらは端的にいえないので、次節で詳しく解説します。

株で儲けるために心がけたい5つのこと

株で儲けるために心がけたい5つのこと

株式投資で利益を得る確実な方法はありません。しかし合理的な判断に基づく投資はそうでない場合より利益に近づくはずです。

ここでは投資の合理的な判断に役立つ心がけをご紹介します。以下5つことを心がけると合理的に判断しやすいでしょう。

  1. 今の損益を無視し、これからの値動きだけ考える
  2. 銘柄分析を行い、売買の理由を明確にする
  3. 売買理由を記録する
  4. 銘柄の分散&時間の分散を心がける
  5. 利益確定&損切りルールを決める

それぞれ解説します。

1.今の損益を無視し、これからの値動きだけ考える

株式投資で大切なのは「これからの利益」です。今日より明日利益を出すことだけに意味があり、過去の損益や今の評価損益はあまり考えないようにしましょう。

特に損切りできない方は心がけるべきです。これから値上がりが期待できるなら保有を継続し、そうでないなら損切りを考えましょう。

2.銘柄分析を行い、売買の理由を明確にする

大切なお金を預けるわけですから、投資先に無頓着ではいけません。必ず事前に業績などを調べてから投資の判断をしましょう。「なぜその株式を買うのか(売るのか)」明確にすることで、次の投資のヒントになります。

3.売買理由を記録する

売買の理由を明確にしたら記録しておきましょう。忘れてしまっては知識や経験を生かせず、同じ失敗を繰り返してしまうケースが懸念されます。

「業績を上方修正したから」といったように、株式の売買理由をわかりやすく書いておきましょう。後で取引の反省に役立ちます。

4.銘柄の分散&時間の分散を心がける

「銘柄の分散」と「時間の分散」を心がけることも大切です。いずれもリスクを下げる効果があるため効率的にお金を増やす効果が期待できます。

「銘柄の分散」は集中投資せず、複数の銘柄を買うことを指します。A株だけでなく、B株・C株といったように、複数銘柄に資金を分散させるようにしましょう。

「時間の分散」は投資時期をずらすことを指します。最初から運用資金の全額を投資するのではなく、複数回に分けて買うようにしましょう。

5.利益確定&損切りルールを決める

最後に、客観的なルール作りをおすすめします。

実際の取引では、上述したような心がけをつい忘れてしまうこともあるでしょう。そのとき役に立つのが自分で作った客観的なルールに従って取引を行う方法です。

「10%の値上がり、または5%の値下がりで売り」といったように、数字でわかりやすいルール設定を行いましょう。

自己運用に自信がないならヘッジファンドがおすすめ

自己運用に自信がないならヘッジファンドがおすすめ

前章で利益を出す心がけについて解説しましたが、それでも取引に自信がない方には「ヘッジファンド」をおすすめします。自分に代わって運用を一任する方法です。

ここでヘッジファンドの概要について解説します。

プロに資産運用を任せる方法

ヘッジファンドは資産運用会社の1つです。投資家の資金を預かり、投資家に代わって資産運用を行います。

ヘッジファンドの特徴

同じようなサービスはいくつかありますが、ヘッジファンドは特に以下のような特徴があります。

  • 私募型
  • 絶対収益の追求

「私募型」とは、特定の投資家だけを対象にした資金募集の方法を指します。一般的な金融商品と異なり、広く流通していないことがほとんどです。銀行などでは扱っていないため、投資したい場合は自分からヘッジファンドへ直接連絡することが基本です。

「絶対収益の追求」とは、相場環境に左右されず、常に一定の利益を追求する運用方法を指します。ヘッジファンドの多くは「買い」と「売り」取引を組み合わせ、相場が上下どちらのトレンドにあっても利益獲得を目指します。一般的な金融商品にはない、ヘッジファンドならではのメリットといえるでしょう。

運用資金1,000万円以上で選択肢に

ヘッジファンドの多くは私募型のため、多くの投資家を集められません。そのため1人あたりの最低投資額が大きく設定されていることが多いです。

ヘッジファンドによって異なりますが、最低でも1,000万円以上ないと投資は難しいでしょう。

運用資金をクリアできそうな方はヘッジファンドを選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

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まとめ

CAPITAL GAINと書かれた積み木

本記事の内容を以下にまとめます。

  • 知識や経験不足、また投資先への無頓着が株で失敗する典型例
  • 合理的な判断を行うことで利益に近づく
  • 普段の心がけが大切

株式で利益を出せない6つの典型的な行動パターンには合理的な判断ができていないこと共通しています。

株式投資を行う場合、本記事で紹介した5つの心がけを意識し冷静に取引を行いましょう。取引に自信がない方はヘッジファンドもおすすめします。

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