高利回りが期待できる金融商品6種類とは?共通する特徴、注意点も含め解説

金融商品の中には10%以上の高利回りで運用を続けられる商品もあります。

長期投資を考えるなら年間で得られる利益が高い、高利回りの金融商品に投資をしたいですよね。

しかし、どの金融商品が高利回りなのか分からない方もいることでしょう。また、高利回りに見えても、実際には収益が発生しにくい商品も存在します。

長期的に高利回りが期待できる金融商品が知りたい方向けに、当記事では高利回りが期待できる金融商品を紹介し、その特徴と注意点についても詳しく解説していきます。

高利回りである金融商品の特徴

高利回りである金融商品の特徴

高利回りである金融商品を紹介する前に、その特徴について理解する必要があります。共通する3つの特徴を下記にまとめました。

  • 定期的に利益が発生する
  • 外貨建てである
  • 収益の方針を絶対収益としている

それぞれ詳しく紹介していきます。

特徴1:定期的に利益が発生する

高利回りの金融商品に投資をするなら定期的に収益が発生する商品に投資したいところです。

株式であれば配当収入、債券であれば利息収入などの収益を考慮することで、安定して高い利回りを維持することができます。

もちろん、定期的な収入だけでなく株であれば株価の上下によっても利回りが左右されるので、配当利回りだけを見て金融商品を購入するべきではありません。

しかし、金融商品から発生する定期的な収入は、高利回りであるかどうかを判断するための重要な指標になります。

特徴2:外貨建てである

日本円を含む先進国通貨は金利が低い場合が多いです。そのため、日本円で購入する個人向け国債の利率は0.05%であり、債券で利回りを高めるのには適していません。

しかし、金利の高い外貨で金融商品を購入すると利回りが高くなりやすいです。

具体的に金利の高い通貨には、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソがあげられます。

これらの高金利通貨で購入する債券は利回りが高くなりやすいです。

高金利通貨への投資は分かりやすく利回りを高められますが、日本円との為替による差損リスクがあるので注意が必要になります。為替リスクについては、後ほど詳しく触れます。

特徴3:収益の方針を絶対収益としている

投資信託やETFなどの金融商品は、資産運用のプロに運用を任せられる投資です。

しかし、プロが運用していても指数に連動する投資信託などの金融商品は、収益の方針を相対収益にしているため、市場が下落しているときは利益を得られず、基準価額も下落します。

投資のプロが運用するなら、市場が下落しているときでも利益を追求できると考えるかもしれません。しかし、証券会社で販売されている商品は行政の監視もあるので、積極的に利益を高める方針を取りにくいのです。

しかし、ヘッジファンドのように富裕層を対象にした特定の投資家にのみ窓口を開いている商品があります。この商品はどのような相場でも利益を目指す絶対収益を方針としています。

市場が下落していても利益を追求する運用を目指すので、下落相場でも利益をあげることで相対収益よりも利回りが高まりやすいです。高利回りを目指すなら相対収益よりも絶対収益の商品に投資したいところです。

高利回りである金融商品の特徴を理解すれば、次に紹介する金融商品の利回りが高い理由も理解できることでしょう。これらの特徴を踏まえたうえで、商品を紹介していきます。

高利回りを期待できる6種類の金融商品

高利回りを期待できる6種類の金融商品

高利回りを期待できる6種類の金融商品は下記の通りです。

  • 配当と株価の上昇で利回りを高める株式
  • 金利の高い通貨を利用した債券投資
  • 高利回り株式や債券を投資対象にしたETF
  • 不動産を投資対象にした投資信託のJ-REIT
  • すべての相場で利益の獲得を目指すヘッジファンド
  • 利回りと投資期間が分かりやすいソーシャルレンディング

以上の6つの金融商品について、具体的な商品例もあげたうえで解説していきます。

方法1:配当と株価の上昇で利回りを高める株式

株式は、世界で最も有名な投資方法の1つです。

企業が発行する株券に対して投資をし、配当と長期的な株価の上昇によって最終的な利回りを高められます。

日本株であれば株主優待を得ることも可能で、商品金券を受け取ることで実質的な利回りを上昇させられます。

株式には日本株だけでなく、米国中国をはじめとする外国株も購入できます。特に長期投資で利回りを高められる外国株は米国株になります。

日本株は年に2回投資家への還元機会を設けている企業もありますが、3月の決算の時期に1度だけ配当または優待を実施する企業が大半です。

しかし、米国株は年に4回配当を受け取れる企業が多いので、配当を受け取る回数に恵まれており、投資家への還元も積極的であるため利回りが高い傾向にあります。

高利回り株式ランキング

それでは、利回りが高まりやすい米国株を対象に高利回り商品を下記にまとめました。

順位 銘柄 配当利回り
1位 ヘルマリック アンド ペイン(HP) 16.58%
2位 エクソン モービル(XOM) 10.20%
3位 アルトリア グループ(MO) 8.49%
4位 シュルンベルジェ(SLB) 8.35%
5位 AT&T(T) 7.57%

※配当利回りは2021年10月の株価を基準としています。

参考:配当金が魅力の米国株式- 特集 - DMM 株

2021年10月16日時点

高利回りを目指すなら10%以上が理想ですが、米国株にはこの理想が期待できる銘柄が2つあります。

ただし、米国株の配当利回りには現地と日本で二重に課税されます。

そこで、外国税額控除を利用すると現地でかかった税金分を還付することが可能です。

方法2:金利の高い通貨を利用した債券投資

債券は国や企業が発行した借用書を購入して利息収入を得る投資方法です。元本を保全したうえで運用できるので、株式よりもリスクの低い金融商品として保有する人が多いです。

個人向け国債の利回りは0.1%を切っており、信用性の高い国内債券や、先進国債券ではとても高利回りで運用することはできません。

しかし、トルコリラアフリカランドなどの高金利通貨で建てた債券を購入すれば、高い利回りが期待できます。

高利回り債券ランキング

順位 通貨 名称 参考利回り
1位 トルコリラ バークレイズ銀行 14.46%
2位 トルコリラ 国債金融公社 13.82%
3位 トルコリラ 欧州復興開発銀行 13.71%
4位 南アフリカランド アフリカ開発銀行 8.76%
5位 南アフリカランド スウェーデン輸出信用銀行 8.56%

参考:債券|SBI証券 外貨建債券 既発債券

2021年3月8日時点

トルコリラの債券を購入すれば10%以上の利回りを見込むことが可能です。

ただし、日本円とトルコリラの為替による差損が発生する可能性や、債券の発行元が倒産した場合に元本が返還されないリスクもあります。

高利回り債券は元本割れのリスクはけっして低くはないので、リスクを理解した上で投資しましょう。

方法3:高利回り株式や債券を投資対象にしたETF

ETFは上場投資信託とも呼ばれ、投資信託を株式の様に上場させた金融商品です。投資信託とETFを比較すると、手数料が安い傾向にあるのがETFになります。

ETFは、プロが選定した良質な株式や債券に分散投資するので、リスクを軽減したうえで利回りも高められます。

個別株または債券を購入するデメリットとしては、分散して購入しなければ企業などの倒産によって元本をすべて失うリスクがあることです。

しかし、ETFのように分散投資ができる金融商品であれば、そのリスクを軽減可能です。ETFはリスク分散が簡単にできる投資初心者向きの商品といえます。

高利回りETFランキング

順位 商品名 利回り
1位 NEXT FUNDS 銀行(TOPIX-17)上場投信 11.67%
2位 NEXT FUNDS 運輸・物流(TOPIX-17)上場投信 7.12%
3位 NEXT FUNDS 日経300株価指数(TOPIX-17)上場投信 5.94%
4位 上場インデックスファンド新興国債券 5.12%
5位 上場インデックスファンドアジアリート 4.41%

参考: SBI証券 ETF・ETN取扱銘柄一覧

2021年3月8日時点

国内ETFで高利回りを誇るのは野村アセットマネジメントが運用する「NEXT FUNDSシリーズ」です。

また、ETFには国内市場に上場する国内ETFだけでなく、海外市場に上場する海外ETFもあるので、他の金融商品と同様に為替リスクも考えながら投資の候補として検討してみましょう。

方法3:不動産を投資対象にした投資信託のJ-REIT

REITは不動産を対象にした投資信託です。

不動産投資自体が利回りに期待できる投資方法であるため、REITも高利回りであることが多いです。

不動産投資にはある程度まとまった資産が必要ですが、REITの場合は一口、数万円から投資できるので不動産投資をするうえでの敷居が低いことが特徴になります。

また、実際に不動産を所有するわけではないので、物件管理の手間が発生しないのはREIT特有のメリットといえるでしょう。

不動産を購入できる資金がなくて不動産投資ができない方におすすめの投資方法です。

高利回りREITランキング

順位 商品名 利回り
1位 タカラレーベン不動産投資法人 投資証券 5.83%
2位 マリモ地方創生リート投資法人 投資証券 5.81%
3位 トーセイ・リート投資法人 投資証券 5.72%
4位 スターアジア不動産投資法人 投資証券 5.55%
5位 エスコンジャパンリート投資法人 投資証券 5.48%

参考: SBI証券 不動産投資信託(REIT)取扱銘柄一覧

2021年3月8日時点

REITは商品全体の平均利回りは高いですが、突出して利回りの高い金融商品はありません。

安定した利回りを生み出す賃貸業が主流であるため、高利回りを求めにくいからです。

また、日本のREITはJ-REITと呼ばれますが、海外にもREITは存在します。日本から投資する方法は少ないですが、海外REITの中にJ-REITよりも高利回りである商品も。

REITは不動産に投資をする金融商品であるため、災害などのリスクを受けやすい点には注意が必要です。

方法5:すべての相場で利益の獲得を目指すヘッジファンド

ヘッジファンドはETFと同様に資産運用のプロが投資家から資産を預かって、分散投資をおこない、その利益を分配する投資方法です。

しかし、ヘッジファンドは相対収益を方針とするETFとは異なり、絶対収益を方針にしてすべての相場で利益を目指す取引をおこないます。

銀行などの機関投資家、または富裕層向けの投資商品であるため投資をするために1000万円以上の資産が必要になることが多いです。

高額の資産が必要になるため、人を選びますが、様々な金融商品の中でも高い利回りを期待できます。

ヘッジファンドの利回りについて

ヘッジファンドは基本的に証券会社では購入できず、ヘッジファンドの運用会社に連絡するか、投資助言会社の仲介を経て投資をします。

そのため、公に情報が公開されていない商品も多いので、ヘッジファンドの利回りは運用会社から話を聞くことで知ることができます。

ヘッジファンドは安定して10%以上の利回りを出し続けている商品も存在します。投資してみたいヘッジファンドが決まったら、利回りについて質問してみましょう。

方法6:利回りと投資期間が分かりやすいソーシャルレンディング

ソーシャルレンディングは、クラウドファンディング形式で案件を通してお金を貸すことで、高い金利収入が得られる新たな投資方法です。

お金を貸す形で投資をするため債券と同様に元本を保全して投資できます。

ソーシャルレンディングの案件には投資期間利回りが最初から設定されているので、利回りが分かりやすいことがメリットです

高利回りソーシャルレンディングランキング

ソーシャルレンディングは案件の募集がなければ投資はできません。下記の案件は過去にSBIソーシャルレンディングでおこなわれた高利回り案件の一例です。

順位 ファンド名 利回り
1位 SBISLフリーローンファンド2年 12.50%
2位 SBISLカンボジア技能実習生支援ローンファンド 10.00%
2位 SBISL不動産ディベロッパーズローンファンド10号 10.00%
4位 SBISLメガソーラーブリッジローンファンド18号 9.00%
5位 SBISL借換ローンファンド3年 8.50%

参考: SBIソーシャルレンディング 最新の実績

2021年2月15日時点

ソーシャルレンディングは案件の募集次第ではあるので、投資のタイミングが限られますが高利回りで運用できる金融商品の一つです。

債券と同様に貸付先の倒産などがリスクになります。利回りだけでなく投資先のリスクや、ソーシャルレンディングの募集サイトの資金保全への取り組みを理解して投資しましょう。

高利回りである金融商品に投資する上での注意点

高利回りである金融商品に投資する上での注意点

ここまで6種類の高利回り金融商品を紹介してきましたが、これらに投資をする上で3つの注意点があります。

せっかく高利回り金融商品に投資ししたのに、まったく利益が出なかった」ということにならないように、必ず確認しておきましょう。

  • 配当や分配金利回りだけで判断しない
  • 外貨建ての金融商品には為替リスクがある
  • 手数料や税金にも気を配る

注意点1:配当や分配金利回りだけで判断しない

配当や分配金による利益は、全体の利回りを決定する重要な要素です。そのため、定期的に発生する収益は投資商品の利回りを判断する上で重要な指標になります。

しかし、全体の利回りは配当や分配金だけでは決まらないので、他に利回りを下げる要素があれば、想定した利回りが発生しません。特に株式やETFの場合は基準となる価格の上昇率にも気をつける必要があります。

このような金融商品は定期的な収入を受け取りながら、長期的な成長に基づく価格の上昇による利回りを同時に得られるのが理想です。

配当利回りが3%であっても、毎年7%以上価格が上昇するなら、利回りは10%以上になるので利回りは高いです。しかし、配当利回りが10%であっても、価格の下落率が-15%であっては、最終的な利回りがマイナスになってしまうので意味がありません。

高利回り金融商品は配当や分配金だけで選ばず、その他の利回りも考えた上で投資しましょう。

注意点2:外貨建ての金融商品には為替リスクがある

外貨建ての金融商品には為替リスクがあります。

例えば、日本円1500万円分を「1トルコリラ=15円」のレートで変換すると、100万トルコリラです。

10%で運用すると年間の利回りは10万トルコリラになりますが、為替レートが10円に下がった場合の資産価値は1100万円となり、400万円の元本割れをしてしまいます。

債券のような高利回り金融商品は、株式やETFとは異なり価格変動による元本割れは起きにくいので気にする必要がありません。

しかし、為替の変動による元本割れのリスクがあることも認識しておきましょう。

注意点3:手数料や税金にも気を配る

投資の利益には税金がかかり、投資する金融商品によっては手数料がかかることもあります。

特にETFやヘッジファンドのように運用をプロに任せる投資は、運用を代行してもらうための手数料が必ずかかります。

個別株や、債券を購入する場合は、運用手数料を考える必要はありません。しかし、ETFに投資をする場合は手数料によって利回りが減少することを理解しておきましょう。

また、株やETFにかかる税金は分離課税であり、所得に関わらず20.315%の税金が課せられます。

非課税にする方法にはNISAがあり、NISA口座を開設して取引することで年間120万円までの投資額に税金がかかりません。

税金や、手数料は実質的な利回りを減少させる要因となるので、意識して投資をおこないましょう。

まとめ

高利回りが期待できる金融商品の特徴や、実際の商品について解説しました。この記事のポイントは下記の通りです。

  • 定期的な利益を重視しつつ、その他の利回りを決定する要因についても考える
  • 代表的な高利回りである金融商品は、株式、債券、ETF、REIT、ヘッジファンド、ソーシャルレンディングが挙げられる
  • 外貨建ての商品の場合は為替リスクがある

「利回りを高める要素」と「利回りを減少させる要素」を把握しながら、高利回り金融商品への長期投資で、できる限り利益を高めていきましょう。

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