1000万円を預けると金利の優遇や、優待が受けられますが、どの銀行に預けるのがいいのか悩みますよね。
預け先の銀行を金利で選ぶなら「できる限り安全に資産を増やしたい」、サービスで選ぶなら「手数料無料などの金融機関のサービスをお得に利用したい」と考えている方が多いと思います。
この記事では、あなたの需要を満たせる銀行を紹介したうえで、「できる限り安全に資産を増やしたい」と考えている方にリスクの低い投資方法も紹介していきます。
銀行に1000万円を預けるメリットとは?
銀行に1000万円以上のお金を預けることで得られるメリットは2つあります。
- 大口定期預金が利用できる
- プレミアムバンクサービスが受けられる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
大口定期預金が利用できる
普通の定期預金の他に金利が通常の定期預金より優遇される大口定期預金があります。大口定期預金を利用するためには一定の預入金額を用意する必要があります。
ほとんどの金融機関で1000万円があれば大口定期預金を利用可能です。
銀行に1000万円を預けるメリットには大口定期預金が利用できることがあげられます。
しかし、金利の優遇は銀行次第なので、中には大口定期預金と通常の定期預金の金利がほとんど変わらない銀行も存在します。
大口定期預金を利用するのであれば必ず金利を確認するようにしましょう。
プレミアムバンクサービスが受けられる
1億以上の資産を銀行に預けると銀行から優遇を受けられるプライベートバンクについては知っている方もいるかもしれません。
1000万円のお金を預けるとプライベートバンクほどの優遇は受けられませんが、手数料無料などの優待を受けられるプレミアムバンクサービスを設定している銀行もあります。
1000万円を預ける銀行がよく利用する銀行であれば、利用すれば利用するほどメリットが大きくなります。
手数料が安くても、ちりも積もれば山となるので手数料を節約するために1000万円を預金するのもよいでしょう。
プレミアムバンクサービスで1000万円の預け先を選ぶならどの手数料が無料になり、どのようなサービスが受けられるのかに注目して選びましょう。
銀行に1000万円預けるならどの銀行がおすすめか?5つを選抜
それでは、具体的にどの銀行に1000万円を預けるべきか考えるために1000万円を預けるメリットのある5つの銀行について解説していきます。
- オリックス銀行
- みずほ銀行
- 三菱UFJ信託銀行
- 山口銀行
- SMBC信託銀行
オリックス銀行
オリックス銀行は2020年現在、大口定期を利用するなら一番おすすめの銀行です。
オリックス銀行の大口定期の金利は約0.20%、預入期間によって金利が変動しますが最大で0.28%になります。(2020年12月現在)
大口定期でも0.10%に満たない銀行が大半であることを考えると定期預金の中でも破格の金利といえるでしょう。
現状では金利で大口定期を検討するならオリックス銀行一択といってもよいです。
次に紹介する4つの銀行はプレミアムバンクサービスが充実している銀行や、独特なサービスのある銀行となります。
みずほ銀行
みずほ銀行にはみずほプレミアムクラブというプレミアムバンクサービスがあります。
みずほプレミアムクラブは1000万円以上の預金だけでなく招待制となっており、招待を受けた方のみが加入できます。
様々なサービスが受けられますが、その中でも住宅ローンの手数料が無料になる点が優秀です。
近いうちに家を購入する方はみずほ銀行で住宅ローンを組めばメリットは大きいでしょう。
他にも高島屋での買い物割引など、ユニークな優待もあります。
三菱UFJ信託銀行
三菱UFJ信託銀行にはエクセレント倶楽部というプレミアムバンクサービスがあります。
ただし、預入金額や預入年数によってゴールド・ダイヤモンド・ロイヤルの3ステージに分けられ、それぞれ受けられるサービスが異なります。
預入金額や年数によって受けられるサービスが向上していく楽しみもあるので、三菱UFJ信託銀行をよく利用する方であれば1000万円を預けるのも選択肢になるでしょう。
受けられるサービスには名医紹介サービス・健康介護相談ダイヤルなどのヘルスケアに関するサービスがあります。
ゴールド・ダイヤモンド・ロイヤル、すべてのステージで共通して受けることが可能です。
山口銀行
山口銀行にはYMドリーム倶楽部というプレミアムバンクサービスがあります。
会員制サービス「YMドリーム倶楽部 クラブオフ」は旅行やレジャー施設を優待価格で利用できます。
ATM手数料無料などの基本の手数料優遇は受けられるので、山口銀行をよく利用する方で旅行が好きな方にはおすすめのプレミアムバンクサービスといえます。
SMBC信託銀行
SMBC信託銀行にはプレスティアゴールドというプレミアムバンクサービスがあります。
中でも外貨現金取扱手数料優遇があり、海外旅行をよくする人におすすめです。
また、海外電信送金手数料、定額自動送金手数料も無料となっており、世界7都市のシティゴールドラウンジが利用できるようになります。
海外旅行に特化したサービスが揃っているので、海外旅行に関するプレミアムバンクサービスを受けたいならSMBC信託銀行がおすすめです。
銀行に1000万円を預けるデメリット
一方で、銀行に1000万円以上のお金を預ける場合はデメリットもあります。
- ペイオフの対象にならない
- 優遇金利でも金利は低い
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ペイオフの対象にならない
ペイオフは預金者の資産保護制度で、仮に銀行が破綻したとしても一定の預入金額までであれば返還されるという制度です。
しかし、1000万円以上の資産を預けた場合はペイオフの対象になりません。ペイオフの保護対象となる金額はちょうど1000万円までだからです。
10年後、50年後と長い期間で見れば大手の銀行であっても破綻してペイオフが発動する可能性もないわけではありません。
実際に2010年には日本振興銀行においてペイオフが発動した事例もあります。
1000万円以下の資産を預けるのであればペイオフを気にする必要はありませんし、知らなくても問題のない知識です。
しかし、1000万円以上の資産を銀行に預けるのであればペイオフのリスクは必ず認知しておきましょう。
銀行の預金は1000万円以上の資産を預けた場合は、100%確実に元本の返還を保証してくれるわけではありません。
優遇金利でも金利は低い
銀行の定期預金は大口定期を含めても低いものしかありません。
銀行の定期預金において0.1%を超えるものは非常に少なく、オリックス銀行のようにネットバンクが中心です。
優遇であっても0.01%の定期預金もあるため非常に低いです。
また、日本円にはインフレ率があり、最大で2%までのインフレが起こる可能性があります。
仮に年間2%のインフレが起きた場合、年利0.01%はもちろん、0.1%でもインフレ率を大きく下回ることになります。
インフレに定期預金の金利が負けてしまうと負けた分だけ資産が実質目減りした状態となってしまいます。
仮にペイオフを対策して1000万円を分散して銀行に預けたとします。
それでも、ペイオフのリスクはなくなりますが、インフレ率を金利が下回ると資産が目減りするということです。
優遇金利でもインフレ率を考慮すれば十分な金利とはいえないので、1000万円を銀行へ預金するのはデメリットも多いです。
銀行に1000万円を預けるなら資産運用をした方がよい
銀行に1000万円以上の資産を預けていても100%元本が保証されず、インフレ率に金利が負けてしまう可能性があります。
金利だけを目的に銀行にお金を預けるなら、リスクの低い3%以上の利回りが期待できる資産運用をする方がよいです。
低リスクの資産運用であれば利回り3%~10%程度の利回りが期待できます。
3%の利回りの資産運用はリスクが低いうえに、満期まで保有していれば元本が返還される元本確保型の資産運用もあります。
元本保証はペイオフのような資産保護制度があり、仮に運営元が破綻したとしても元本が返還されることです。
一方で、元本確保は債務を履行できるなら必ず元本を返還する義務がありますが、債務が履行できない場合は元本を返還される保証がなくなることを意味します。ですので、満期までの保有が最低限の条件となります。
1000万円を銀行に預けることと利回り3%の資産運用がまったく同じリスクとはいいませんが、どちらも元本確保にできることは変わりありません。
リスクの差よりもメリットの差の方が大きいことは明白です。
1000万円の資産を持っている方は銀行に預けることにこだわらず資産運用も検討することをおすすめします。
また、資産が2000万円以上あるなら1000万円でプレミアムバンクサービスを利用しながら、1000万円を資産運用に回すという選択肢も取れます。
銀行に1000万円を預ける理由がプレミアムバンクサービスの場合は、
- サービスを利用した結果どれだけの手数料が節約できるのか
- 具体的にどのようなメリットがあるのか
を考えたうえで銀行に預けることをおすすめします。
1000万円をできる限り安全に運用する方法3選
ここからは具体的に1000万円を運用できる方法について3つ紹介していきます。
投資や資産運用の知識がない人でもできる運用方法になりますので、参考にして資産運用を検討していきましょう。
- 元本確保で利回りも期待できるソーシャルレンディング
- プロに運用を任せられる投資信託
- リスク回避と利回りが優秀なヘッジファンド
それぞれ詳しく解説します。
方法1:元本確保で利回りも期待できるソーシャルレンディング
ソーシャルレンディングは歴史が浅いですが、元本確保で利回りが高い投資方法です。
企業などにお金を貸すことによって金利を得る投資方法なので、お金を預けるだけで金利を得られるので特別な知識を必要としません。
利回りはソーシャルレンディングの運営サイトや案件によっても異なりますが、リスクの低い案件で3~5%程度、リスクの高い案件で5~10%程度になります。
ソーシャルレンディングのリスクは貸し倒れによって元本が返還されないことです。
利回りが高ければ高いほどそのリスクが高まります。
貸し倒れのリスクを避けるにはできる限り利回りの相場を知って、極端に利回りが高い案件を避けて投資することです。
ソーシャルレンディングのサイトの実績を調べて、過去に貸し倒れや元本が返還されない事態があったか調べることも必要になります。
ソーシャルレンディングサイトには「クラウドバンク」や「SBIソーシャルレンディング」があります。
最低投資金額はサイトによっても異なりますが、ほとんどのサイトでは1口1万円以上から出資を募っています。
ソーシャルレンディングは出資を募るタイプの投資なので、人気の案件はすぐに募集が終了することもあるので早い者勝ちの側面もある運用方法です。
方法2:プロに運用を任せられる投資信託
投資信託は個別の株式や債券に間接的に分散投資する方法で、運用をプロに任せられるので投資初心者でも始められます。
投資信託は株における株価と同様に基準価額が定められており、購入したときの基準価額が売却したときの基準価額を下回れば元本割れをします。
ただし、投資信託には元本確保型の投資信託もあり、満期まで保有している場合に元本割れをした場合は元本を返還してもらえます。
アセットマネジメントOneの「ゴールドマンサックス社債」は代表的な元本確保型の投資信託です。
プレミアムバンクサービスを利用していると投資信託の購入を勧められることもあります。
しかし、銀行の販売する投資信託は手数料が高い投資信託が多いです。
なぜなら、インターネットの証券会社の場合は購入手数料が無料のノーロード投資信託が多い一方、銀行の投資信託は購入手数料がかかるからです。
銀行が投資信託を勧める理由は購入手数料が銀行の儲けになることが一番にあげられます。
また、銀行自身が運用している投資信託を購入してもらえば元本割れをしても問題のない資産を得られるメリットもあるのです。
プレミアムバンクサービスで資産運用に関する相談ができることもあります。
その際に投資信託を勧められた場合はこのような裏がある可能性もあるので、気をつけましょう。
方法3:リスク回避と利回りが優秀なヘッジファンド
ヘッジファンドはリスクをできる限り回避しながら、安定して高い利回りを維持できるように運用する投資方法です。
10%以上の利回りを毎年安定して出しているヘッジファンドもあります。投資信託と同様に資産運用のプロに資産を預けて資産を代理で運用してもらう方法です。
ただし、ヘッジファンドの最低投資金額は1000万円程度です。
資産が1000万円の方はヘッジファンドに全額を投資することになります。
資産の全額を投資するのが不安な方は、他の資産運用などで資産を増やしてから投資するのも選択肢になるでしょう。
また、ヘッジファンドは元本確保の運用方法ではないので、仮に10年間一度も損失を出していないファンドでも11年目に損失を出す可能性も0ではありません。
今回紹介した資産運用の中では最もリターンが大きいですが、リスクが高い運用方法であるといえます。
ヘッジファンドについて知りたい方は下記の記事をご参考ください。
まとめ
1000万円の預けるなら金利で選ぶよりもサービスや優待内容で選ぶのがおすすめです。
もしも、サービスよりも金利で選びたいのであれば、資産運用に回すことも考えた方がよいでしょう。
現状、銀行の金利は低すぎることと、1000万円以上の資産を預けるとペイオフが適用されません。
総合的に判断すると定期預金と比較して圧倒的に金利が高い資産運用の方がおすすめになります。