テレビのニュースなどで日本は金融後進国と言われることが多いですが、その理由の一つに家計の資産が預貯金や不動産に偏っていて、金融商品に投資している割合が他の先進諸国に比べて著しく低いということが挙げられます。

確かに、アメリカと比べるとリスク性資産の保有比率は半分以下となっており、いかに日本の家計が金融商品と遠い距離にあるかは明らかでしょう。

 

もっとも、昨今のゼロ金利などの影響もあり、日本でも注目されるべき新たな金融商品が数多く登場してきており、それらを資産形成に活用しない手はありません。

そこで、以下では日本において注目されつつある金融商品のいくつかを取り上げて、その特徴を見ていくことにしましょう。

1、日本の投資商品の現実とは?

 

注目の金融商品について見ていく前に、まず日本における投資環境の現実について見ていくこととしましょう。

伝統的な投資対象としては株式と債券が代表的なアセットクラスですが、このうち債券については日銀による金融緩和が長らく続いており、その以前も実質的なゼロ金利政策が採られていたため、クーポンに着目して投資するにはあまりに妙味に欠ける状況でした。

 

一方の株式についても、日経平均株価が史上最高値を記録したのははるか昔の1989年のことであり、それ以降時期による浮き沈みはあれども、一度もそれを更新することはできていません。

このため、日本債券や日本株に投資するファンドのパフォーマンスも総じて低くなっており、結果的に人々がリスクを取ってまでこれらの商品に投資するインセンティブが湧いてこない状況であったということができるでしょう。

その結果、家計の資産のほとんどが預貯金に塩漬けになったままとなり金融後進国といわれるまでに至ったわけですが、デフレ経済下では結果的にそれがもっとも効率的な資産の持ち方であったともいえます。

2、現状のままでは良くない理由

 

日本は少子高齢化が叫ばれて久しく、賃金の上昇も見込めない中で、将来に向けていかにして資産を形成していくかは喫緊に取り組まなければならない課題となりつつあります。

そのような状況にあって、家計資産のほとんどが預貯金に偏っていることは決して好ましいことではなく、ある程度のリスクを取って安定的に資産を増やしていくことが、今後はこれまで以上に重要となるでしょう。

 

もっとも、闇雲にリスクを取って巨額の損失を被ることはもっとも避けなければならない事態です。

そこで、自分がどの程度のリスクまで取れる状況にあるのかを冷静に見極めたうえで、それに見合った金融商品に投資するというスタンスが求められることになります。

これまで投資に無縁であった人がいきなりそのようなことを言われても対応に困るはずですので、日頃から金融関係の雑誌や専門書などに目を通したり、投資アドバイザーのセミナーに参加してみるなど、個々人が必要な知識を得るべく努力することも必要でしょう。

3、注目すべき金融商品とは?

 

では、次に資産形成に向けて注目すべき金融商品にはどのようなものがあるのでしょうか。

この点、真っ先に思い浮かぶのが、幅広い資産に分散して投資することができる投資信託ですが、これはドル・コスト平均法の考えに基づいて長期にわたってこつこつ積み立てて投資するには適した商品ですが、ある程度まとまった投資を短期間に投資する場合には向きません。

 

なぜならば、投資信託の多くは市場の値動きにある程度連動して基準価格が上下するものであるため、投資時点が一時期に集中していた場合にそこが市場の高値圏であれば必然的に損失を被る可能性が高くなるためです。

また、投資信託への投資においては、ほとんどの場合、一定料率の信託報酬を負担する必要があるのですが、これは損失が出ようが関係なくかかってくるコストですので、結果的に報酬を支払ったにもかかわらず損失まで被るという事態にも陥りかねません。

 

これらの投資信託のデメリットを補いつつ、投資時期に関係なく大きなリターンが期待できる商品として近年注目を集めているのが、私募ファンドです。

一般的にはヘッジファンドやプライベート・エクイティといった名称の方がなじみがあるかもしれませんが、これらは伝統的な投資手法以外の方法で受益者に代わって資産の運用をしてもらうことができる金融商品の総称です。

4、ヘッジファンドの種類と特徴

 

次に、ヘッジファンドといってもその中には様々なタイプの商品が存在しているため、それぞれのタイプごとに分けて見てみることにしましょう。

第一のタイプは、絶対収益型のファンドです。

一般的な金融商品の多くは、市場の値動きよりもよいパフォーマンスを目指すものであったり、市場に連動してパフォーマンスを上下させるものであったりするものですので、市場の下落局面ではそれよりはましとはいえファンドの価格も下落するものがほとんどです。

これに対して、絶対収益型のファンドは、いかなる市場の局面においても安定してリターンを生み出すことを目標として運用を行うものであり、代表的なものとしてはロング・ショート戦略を用いたファンドやアービトラージ戦略を用いたファンドなどがあります。

前者は、値上がりしそうな銘柄を買い持ち(ロング)する一方で、値下がりしそうな銘柄を空売り(ショート)するというものであるのに対し、後者は市場の歪みに着目して投資することでその歪みが修正される局面で利益を得るという戦略です。

もちろん、必ず投資である以上、確実に利益が出ることを保証するものではありませんが、しっかりと商品を見極めることによって利益を得られる確率を高めることは可能です。

 

第二のタイプは、非伝統的な資産に投資するファンドです。

伝統的な資産である株や債券以外に投資するファンドと言い換えてもよいでしょう。

例えば、不動産やコモディティなどがこれに該当しますが、より範囲を広げるのであれば未上場株に投資するプライベートエクイティファンドもここに分類することが可能です。

 

最近になってにわかに注目されるようになっている仮想通貨に投資するファンドなどもここに当てはまりますが、他の資産に比べてリスクが非常に高い商品となっていることから、自分のリスク許容度に見合っているかどうかは慎重に見極める必要があります。

5、ヘッジファンド投資のポイント

 

このように新たな投資対象として注目を集めている私募ファンドですが、実態は玉石混交であり、良い商品をしっかり見極めて投資することが重要となります。そこで、最後に商品の見極めにおいて着目すべきいくつかのポイントを紹介することにしましょう。

 

まず一点目としては、長期的な視野に立って運用を行っているファンドを選ぶべきであるということです。

いかに優れた戦略を取っているファンドであっても、短期的に値下がりする事態を回避することはできません。

そのため、元の利益を追うのではなく、長期的に受益者にリターンをもたらすことを目標としているファンドを選ぶというスタンスが重要になるのです。

次に二点目としては、甘い勧誘文句を使っているファンドは避けるべきです。

確実な利益を約束しますといった類のものは論外としても、実態以上にパフォーマンスを良く見せようとしていたり、これまでの実績を見せようとせずに将来的な値上がり期待だけを過度に強調しているような商品も安易に信頼すべきではありません。

過去の実績を嘘偽りなく開示しており、将来のリスクについてもきちんと説明しているファンドこそが信頼に足る商品であると言えるでしょう。

最後の三点目としては運用者が信頼できるファンドを選ぶということです。

二点目とも共通しますが、大事な資産の運用を委ねる以上、信頼できる相手であることが何よりも重要です。

ファンドによっては運用者自身がセミナーなどで投資家とコミュニケーションを取っているものもありますので、そのような場に出てみてその人柄を確認してみるとよいでしょう。

6、注目商品に投資して資産形成を行おう

 

以上で述べたことを一言でまとめると、一時期に資産を投資するのに有益な商品として近年注目されているものにヘッジファンドなどの私募ファンドがありますが、その商品選定においてはポイントを抑えて慎重に行う必要があるということです。

そうすることによって、将来に不安を抱えた日本社会にあっても着実に資産を形成することができ、老後の不安を払拭することにもつながります。

思い立ったら吉日ということわざのとおり、まずは資産形成について真剣に考え、関心を持ったならば無理のない範囲で投資を始めてみてはいかがでしょうか。

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