世界中の有名な投資家などが運用を始めたことで注目されたのが、ヘッジファンドです

富裕層や投資に精通した投資家を対象にしたファンドで、どのような状況でも利益を出すことを目的としています。

効率的な資産の運用方法とも知られ、注目を集めているのです。

そこでヘッジファンドの資産運用をするときに知りたい知識、募集方法や探し方のコツについて紹介します。

1、ヘッジファンドとは?

 

ヘッジファンドは投資家からお金を集めて、集めた資金を幾つかの投資商品に分散して運用します。

ヘッジは「避ける」という意味で、投資においてはリスクを出来るだけ軽減することを指しています。

株式など下落する可能性がある資産を持っている場合は、先物やインデックスを売却することで損失のリスクを避けるのです。

 

「ファンド」は投資家から集めたお金で投資をして、利益を追求することを意味します。このようにヘッジファンドはリスクを避けて利益を追求する投資方法です。

運用するのも自分自身だけでなく、プロのマネージャーにもやって貰えるので初心者でも安心です。

2、ヘッジファンドの特徴

ヘッジファンドの主な特徴を紹介します。

(1)ヘッジファンドの顧客は投資資金が豊富な富裕層

ヘッジファンドの特徴は富裕層をターゲットとしていることです。

一般的な投資信託では公募で一般市民に募集をかけますが、ヘッジファンドは私募投信で富裕層や機関投資家などに募集をかけて一部の人が出資するのです。

 

投資するにあたっては最低でも100万米ドルで、日本円に換算すると約1億円になります。他の投資方法よりもハードルが高くなり、高額の投資資金が求められます。

また富裕層や機関投資家と信頼関係を築くためにも、運用をする担当者がまず高額な投資を行うのです。

(2)手数料が高額。固定手数料+成果報酬が必要

さらに出資するためには固定手数料が2パーセントで、成功報酬は値上がり益の20パーセントと担当者と出資者で約束するのがほとんどです。資産の運用に成功したときだけ手数料が徴収されます。

 

3、ヘッジファンドと投資信託との違いとは?

ヘッジファンドと投資信託の違いを紹介します。

(1)投資信託は日経平均株価やTOPIXを指標とした投資

ヘッジファンドと投資信託の大きな違いは、目標利益を追求することです。

投資信託では相対利益型というスタイルを採用していて、日経平均株価やTOPIXといった特定の指標を参考に競争相手を設定し、相手に勝つことを目標としています。

競争相手を上回る利益を達成することが目的となるので、競争相手が下落してしまうと自分も損失が発生するのです。

(2)ヘッジファンドの運用スタイルは絶対成果主義

一方ヘッジファンドは絶対利益型というスタイルを追求していて、競争相手は設定せずに利益だけを求めて運用します。

市場が上がっても、下がっても利益を出すことが出来るという考え方です。

4、ヘッジファンドは利益を出すことを目的とした投資戦略

ヘッジファンドの具体的な投資戦略も押さえておきましょう。

ヘッジファンドの戦略には様々な種類があり、方向性戦略や相対価値戦略、イベントドリブン戦略などが代表的な戦略です。

(1)方向性戦略

運営者の相場の見通しで投資をするのが、方向性戦略です。

方向性戦略にはグローバルマクロやマネージドフューチャーズ、株式ロングショートがあります。

(2)相対価値戦略

相対価値戦略は関連している銘柄の相対的な価格差に注目します。

割安な銘柄を購入し、さらに割高な銘柄を売ることで利益を得るのです。

株式マーケットニュートラルや債券アービトラージなどがあります。

(3)イベントドリブン戦略

イベントドリブン戦略は資産価値に影響を与える出来事に注目する戦略方法です。

企業の買収や事業再建、経営破綻に着目して利益を出します。

5、ヘッジファンドの募集方法。投資する方法は?

ヘッジファンドの募集内容は広く公開されていないことも多く、良いヘッジファンド見つけるのに苦労します。

どのように募集されているかを紹介します。

(1)ヘッジファンドの出資者は50人未満(私募ファンド)

ヘッジファンドは50人未満の出資者を集める私募という方法を採用しています。

投資家の募集方法には公募と私募があり、公募は不特定多数の投資家から資金を集めて運用をします。

証券会社や広告会社を通して募集を行い、様々なタイプの投資家が集まるのです。

(2)私募ファンドは金融商品取引法の規制外

また個人投資家向けに募集をするので、法律(金融商品取引法)によって制限が設けられています。

私募は、私的に投資家を集める方法で、直接投資家にお願いしたり、機関投資家を対象としています。

公募と違って自主的に出資者を集めるので、法律で制限されていることはほとんどありません

(3)ヘッジファンドの募集方法はファンドにより様々

私募の方法は募集を行っているファンドによって違い、不特定多数から集める場合や特定の少人数を集める場合などがあります。

証券会社を通していなこともあり、情報を掴んでいる一部の投資家しか参加出来ません。

ですから自ら進んで探す必要があるのです。

6、ヘッジファンドの探し方とコツ3つ

次にヘッジファンドの探し方を紹介します。

ヘッジファンドを探すときには自分で直接連絡する方法や誰かに紹介して貰う方法、金融機関に頼る方法から選択します。

(1)インターネットでヘッジファンドを探す方法

自分で連絡する方法ではインターネットなどで「ヘッジファンド」と検索すれば、有名なサイトなどにヒットします。

気になるページにアクセスして、担当者に連絡フォームやメールで連絡を取るだけです。

連絡を受けた担当者が対応してくれるのです。知り合いや情報が少ないときに活用します。

自分で調べて申し込む方法を選んだなら、十分に納得した上で投資を始めるようにします。

(2)ヘッジファンドを紹介してもらう

また、誰かに紹介して貰うことも大切です。

ヘッジファンドでは顧客を大事にする傾向があり、紹介を重視して顧客を獲得しています。

一般公募をしてしまうと中にはあまり良くない顧客も来てしまう可能性があるので、富裕層の人たちに新規の顧客を紹介して貰ってお客さんを増やしています。

まわりににヘッドファンドに出資している人が居れば、その人にお願いするのもいいでしょう。紹介して貰う人が本当に信頼することが出来る人なのかも見極めて、依頼することもポイントです。

(3)ヘッジファンド商品を取り扱う日本の金融機関から紹介を受ける

紹介してくれる金融機関は少ないのですが、日本の証券会社の中にはヘッジファンドの商品を扱っている会社も中にはあります。

このような会社に紹介を依頼すれば、業務提携をしているヘッジファンドを紹介して貰うことも可能です。

どのような商品があるのかしっかり説明を受けて、数社回ってから購入する商品を決めましょう。

7.ヘッジファンド投資のメリットとデメリット5つ

 

ヘッジファンドのメリットは利益額が大きいことです。

(メリット1):絶対成果主義なのでリターンを得れる可能性が高い

先物取引などを活用して投資をしていくので、買うだけでなく売りから入ることもします。そのため相場の方向が下落でも、上昇でも利益を得られる可能性が高いのです。

相場の動向に関わらず、絶対的にリターンがプラスとなることを目標としているのが魅力です。

(メリット2):投資対象が多岐に渡りリスクヘッジできる

分散効果があるのもヘッドファンドの良いところで、株式や債券だけでなく金融デリバティブにも投資をしています。

価格変動の連動が低い商品を組み合わせて投資するのでリスクが分散されます。

(メリット3):エリート集団が資産運用を行う

エリート集団が資産運用をしてくれる点もメリットです。投資信託なども金融関係のプロ集団がサポートしてくれる場合もありますが、ヘッジファンドでは精鋭のエリートが集まった集団が運用してくれるケースが多いです。

有名な大学や優秀な大学出身だったり、大手の投資銀行などで経験を積んできた人も居ます。

(デメリット1):マネージャーリスク

デメリットとなる部分はマネージャーリスクがあることです。

マネージャーリスクは誰が運用しているのかによって、利回りが変わってしまうことです。優秀なファンドマネージャーと呼ばれる人の中には年率10パーセントの利回りを達成するケースもありますが、残念な成績を出してしまうマネージャーも存在します。

大きな金額の資金がマネージャーに託されるので、良くも悪くもその人物次第になります。

(デメリット2):換金性の低さ

資金を回収するのに時間が必要という点もデメリットの一つです。

投資信託の多くは好きなときに売買することが出来ますが、ヘッジファンドは解約出来る日や金額に対して制限が掛けられます。

運用戦略の都合や大量の解約を防ぐため、自由に解約するのは難しいのです。

8、私募で行われるヘッジファンドのまとめ

 

ヘッドファンドは色々な戦略を用いて利益を追求する投資方法で、担当者が運用をして利益を投資家に分配します。

ヘッジファンドでは公募によって出資者を集めていきます。

多くの投資信託とは違って、運営者が自主的に投資家を集めるのが特徴的です。ファンドによっては紹介制にしていたり、一部の投資家しか受け入れてない場合もあります。探すときには運営者はもちろんのこと、戦略や実績などもしっかり調べて投資するファンドを決めることも重要です。

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