安心してリタイアを迎えるための方法のひとつが、資産運用です。

リタイアを迎える前に、資産を順調に増やせれば、予定より早いセミリタイヤを目指すこともできます。

上手に資産運用を進めるには適切な投資対象を選び、ポートフォリオを作って管理するのが重要です。

投資方法が合っていなかったり、間違った知識を持っていたりすると、資産を大きく減らしてしまうおそれがあります。

 

投資対象の価値が下がることによって、損が発生するリスクがあるためです。

そのため、保有している資産の状況に合わせた投資が行えるようなポートフォリオを組む必要があります。この記事では、8000万円を運用してリタイアできるポートフォリオについて紹介します。

 

資産を効果的に増やすためには、「複利効果」を活かして運用を続けるのが重要です。

複利効果とは、運用益をそのまま再投資してさらに資産を増やすことを指します。運用益が運用益を生む状態になるので、資産をより多く増やすためには欠かせない要素です。

複利効果は、資本が多いほど大きな効果を発揮します。資本の金額が大きいと、利息や配当の金額も比例して増えるためです。

 

資本が少ないうちは複利効果も小さいので、あまり効果を感じられない場合が多いとされています。そのため、8000万円を運用して増やすには、8000万円の一部を使用して投資に充てるのではなく、できるだけ多くの金額を投資に充てて運用するのが適切です。

 

利息の付く金融商品を購入する場合でも、単利ではなく複利で運用されるものを選びます。

単利の場合はもともとの元本に対して利息が付くため、資金が増えたり年数が経過したりしても利息の金額は一定のままです。

一方、複利の場合は以前に付いた利子を含めた金額に対して利子が付くので、簡単に元本が増えていきます。

単利は足し算、複利は掛け算のようなイメージです。

1、安定して成長している投資対象を選ぶ

 

8000万円を順調に運用するには、安定して成長を続けている金融商品に投資する必要があります。

多くの資金を投資に充てても、金融商品自体の価値が下がっては資産の価値も下がってしまうためです。

 

投資対象となる金融商品には、株式・不動産・投資信託などさまざまな種類があります。

どの商品をどのくらいの割合で保有するのかによって、運用結果は異なるものです。

また、金融商品によって価値が動きやすいかといったリスクや運用益を得る方法は異なります。

株式では差益や配当金、不動産では賃貸収入、投資信託では分配金によって運用益を得ることが可能です。

 

それぞれにバランスよく投資すれば価値変動によって損を被るリスクは軽減できますが、その分運用益を増やす効果も薄れてしまうといわれています。

効果的に運用するには、資産を効率よく増やせるような投資を行うのが重要です。

株式の配当金・不動産の賃貸収入・投資信託の分配金のなかで最も安定して収入を得られるのは株式の配当金とされています。

賃貸収入では、物件が空室になると収入を得られなくなるためです。

また、分配金によって運用益を受け取ってしまうと再投資ができず、複利効果が活かせません。そのため、株式を保有しているだけでもらえる配当金を中心に考えて投資するのが適切です。

 

株式は、発行している企業によって日本国内のものと国外のものに分けられます。

企業自体が成長していても、日本経済はデフレーションの状態にあるため景気がよいとはいえません。

株式を購入しても、日本経済の情勢によって価値が大きく左右されがちです。

一方、米国では緩やかにインフレーションが進み、景気がよくなってきています。配当金を増やしている企業も多く、日本の株式を保有するよりも多くの配当金を得ることも可能です。

2、米国株の特徴とは?

 

米国株の特徴には、市場規模の広さ・購入のしやすさ・配当金の多さが挙げられます。日本株にはない特徴も多いので、違いをよく把握しておきましょう。

 

米国の株式市場は非常に大きく、世界的に有名な企業も上場しているため多額の資金が集まります。

そのため取引も活発に行われ、株式の価値が正当に評価されやすいのも特徴です。株式の流動性が高いと取引を行う投資家が増え、企業の成長に合わせて運用しやすくなります。

 

また、米国株は1株から購入できる点が日本株とは大きく異なるポイントです。

日本株の場合、最低単元は100株の場合が多く、まとめて購入する必要があります。

そのため、運用益は購入するタイミングで左右されやすく、分散して購入できないのが難点です。

1株から購入できる米国株であれば手軽に投資できるため、購入するタイミングを細かくずらすことも可能です。

購入するタイミングを複数回に分けると取得価格が平均的になるので、株価の変動によって損をするリスクを抑えられます。

 

さらに、米国企業は株主還元を積極的に行っている点が魅力です。株主還元とは、企業が得た収益をオーナーである株主に配当金として分配する行為を指します。

1年に4回配当を行っている企業もあり、安定した収入を得られやすいのが特徴です。

3、配当利回りを中心に見てポートフォリオを作成する

 

配当利回りとは、配当額を株価で割った数値です。株価に対し、年間どのくらいの割合で配当金がもらえるかがわかります。日本株よりも米国株の方が積極的に株主還元を行っているため、配当利回りは高めです。

 

8000万円を効果的に運用するためには、配当利回り5%の株式で構成したポートフォリオで運用するのが適切といわれています。

1年間で400万円の配当収入を得られるためです。また、企業が増配を行えば配当収入も大きく増えます。

たとえば、毎年増配が行われた場合、複利効果が大きく働いて配当収入の金額も増加する仕組みです。

株価が変動しなかったとしても、元本の8000万円に加えて得た配当収入が手元に残ります。年間一定の金額を安定して受け取れるため、配当利回りが高い米国株は魅力的な投資対象のひとつです。

4、運用をさらに安定させるための工夫とは

 

順調に運用できるポートフォリオを作成したとしても、安心してはいけません。

市場の動向や世界情勢は常に変わっていくためです。

アメリカだけでなく、日本がインフレーションに向かっていく可能性もあります。

市場や情勢に変化が出てくると、運用に適したポートフォリオも変わってくるものです。そのため、完全に適切なポートフォリオを作成するのは難しいとされています。

 

しかし、発生するリスクを把握しながら投資を行えば、経済市場や世界情勢に対応した運用を行えます。

状況に適したポートフォリオになっているか判断できるためです。

リスクがコントロールできていれば、暴落など市場が不安定になる相場のときでも落ち着いて対処できるので、安定した運用を目指せます。

5、ポートフォリオを組んで安定した運用を続けよう

 

保有する金融商品の割合を示すポートフォリオは、順調な資産運用を行うためには欠かせない要素です。

8000万円で投資できる金融商品には株式や不動産、コモディティなどさまざまな種類があります。

株式の配当金による運用をメインに構成すれば、安定した収入を得ることが可能です。

日本株よりも米国株の方が配当に積極的なため、米国株を保有して配当収入を増やす方法が適しています。

 

また、投資する金額を増やすほど複利効果が働くため、配当収入の金額が増える点も特徴的です。

投資によるリスクをしっかりと把握しておけば、経済市場の動向に合わせた適切な判断ができます。

効率よく資産を増やせるポートフォリオを組んで、安定した運用を続けられるようにしましょう。

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