ヘッジファンドという言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。
ただ、あまり表立って情報がないということで、一体どういうものなのか知らないという人も多いかもしれません。
巨額の資金を運用し、中には年収100億円を超えるファンドマネージャーもいるというヘッジファンド。
これだけ利益を上げているのに、なぜヘッジファンドの情報が少ないのかその秘密に迫ってみましょう。
1、ヘッジファンドは露出が少ない
ヘッジファンドの情報が少ない理由の一つが露出の少なさです。
不動産投資などはネットやTVで大々的に広告を出すことが多いので目に付きやすいですが、ヘッジファンドはあまりこういった広告を出しません。
それは、一般的な顧客をあまり対象にしていないからです。
ヘッジファンドには、ファンドマネージャーという中心人物があります。
ファンドマネージャーの多くは外資系銀行や証券会社に勤めた後、懇意にしてきた投資家を連れて独立します。
そのため、ファンドマネージャーのネットワークは金融業界のごく一部です。
こういった少ないネットワークでも十分で、これ以上は必要としていないため、大々的に宣伝する必要がありません。
一般的な人が資産運用する時、身近に外資系銀行に勤めている人がいない限り、あまりヘッジファンドと出会うことはないでしょう。
このように、ヘッジファンドは個人投資家からすると、縁遠い存在になっているため情報を集めるのが大変というわけです。
2、ヘッジファンドは海外に籍を置いていることが多い
ヘッジファンドは、海外に籍を置いている事が多いというのも、日本では情報が少ない理由の一つでしょう。
ヘッジファンドは、シンガポールや香港に籍を置いていることが多いです。
これにはいくつか理由があります。
1つは資金を効率よく集めるためです。ヘッジファンドは資産運用が仕事になっているため、資金集めに力を注いでいます。
お金を集めるために、海外の大手の基金や富裕層から顧客を集めます。
ヘッジファンドは、一般的な不動産投資よりも多額の資金を運用するため、桁違いの投資金を持ったプロの投資家を相手にします。
シンガポールや香港には、こういった多くの資金を持つ投資家が多く居住しているため、こういったエリアに籍を置くことが多いです。
また、日本は税金が高いというのも、ヘッジファンドが海外に籍を置く理由です。ヘッジファンドは、運用金額が数十億を超えることもあり、リターンが出てくるようになると税金との戦いになります。
日本の実効税率は約40%と海外に比べると非常に高くなっています。
海外からでも日本株を買うことは可能なため、わざわざ日本に拠点を置く必要はありません。
日本に籍を置いてわざわざ高い税金を支払う理由はないというわけです。
資産運用を仕事にしているヘッジファンドは、少しでも利益を多くするために、税制面にも気を配ります。
シンガポールや香港は日本よりも税制面が優遇されているということで、優秀なヘッジファンドは海外に流出しています。
3、どういった手法で資産運用している?
顧客から委託された資金を、ヘッジファンドはどのように運用しているか気になる方も多いのではないでしょうか。
ヘッジファンドは、主に株式や債権を中心に資産運用を行っています。
基本的には長期的な株式運用を行っているヘッジファンドが多いです。中には高速発注による短期間の運用を行っているファンドもありますが少数派です。
ヘッジファンドはリスクを避けた運用が基本となっているため、リスクの少ない長期的な運用が主流になっています。
そんな中、最近はアクティビストなど新しい運用手法も注目を集めるようになりました。
これは、自力で株価を上げるようにアクションする手法のことです。
例えば割安で放置されている株式を一度に買い占め株主権利を最大限まで取得します。
その権利を後ろ盾とし、発行元の企業に対して様々な提言をすることで株価を上げます。
企業に貯めこまれた資金を発掘し、それを株主に還元するように仕向けることで利益を上げるというケースが多いです。
それ以外にも、株主権利を活かし新しい経営陣を送り込み、財務内容の改善など企業価値を高め株価を上げる方法もあります。
4、どうやってヘッジファンドを利用すれば良い?
実際どうやって利用するかですが、手軽なのは金融機関を通して利用する方法です。
金融業界の中には、ヘッジファンドと提携している所もあり、その間に入って資産運用を請け負っている場合があります。
こういった金融機関を通してヘッジファンドの商品を買えば、手軽にヘッジファンドで資産運用することが可能です。
もう一つは直接ヘッジファンドに相談する方法です。
ヘッジファンドの露出が少ないといっても、存在しないわけではありません。
ネットで検索すればいくつものヘッジファンドが出てくるため、そこに直接アクセスして自分で相談するというのが一般的です。
個人投資家を募集しているヘッジファンドなら、公式サイトに連絡先が記載されています。
そこへメールや電話で連絡をすれば、担当者から面談の日時指定の連絡が来るでしょう。
金融機関を通すと手数料が掛かるため、少しでもコストを安く済ませたいなら、自分で直接ヘッジファンドに相談する方法が向いています。
5、小規模なヘッジファンドも侮れない
ヘッジファンドの中には、200億円規模程の小規模な会社もあります。
どうせなら大規模なヘッジファンドに依頼した方が安心できるのではと考えるかもしれませんが、小規模のヘッジファンドも侮れません。
なぜかというと、小規模なヘッジファンドというのは数が少なく、競合するファンドがあまりないためです。
競合ファンドが少ないということは、マーケットに上手くハマれば一人勝ち状態になります。
小規模なヘッジファンドの中には、1年で資金を倍に増やすような会社もあります。
不動産投資では6%前後、定期預金ならもっと低い利回りと言われている時代、年間50%出すヘッジファンドがあるというのは驚異的なパフォーマンスです。
こういった傾向を知っている個人投資家は、大手ヘッジファンドよりも成績の良い小規模なヘッジファンドに目をつけています。
例えば1000万円の資金を運用した場合、50%の利回りを実現しているヘッジファンドなら1年で1500万円になるということです。そこまでいかなくても、30%で1300万円になるのですから資産運用としては十分と言えるでしょう。
投資金額が多くなれば利益も上がるため、どのヘッジファンドに運用を任せるかは非常に重要です。
ただ大規模な会社だからといって安心するのではなく、利回りの良いヘッジファンドを探してみると良いでしょう。
6、ヘッジファンドは富裕層を相手にしているから情報が少ない
個人投資家の場合、投資資金は1000万円程度から考える人が多いでしょう。
しかし、ヘッジファンドというのは基本的にこの程度の投資金の運用はしません。
相手にしているのは富裕層で、最低投資金も1億円程度からが一般的です。
一般的な投資家を相手にしていないわけですから、あまり情報が出まわらないのも当然です。
また、ヘッジファンドは富裕層の顧客の保護や守秘義務のため、あまり露出しないようにしています。
資産運用をする上では、自分の存在を目立たせないことも重要です。
こういった理由から、ヘッジファンドは露出が少なくあまり情報が得られなくなっています。
一般的な投資家からすると、あまりに情報量が少なく利用するのに不安を感じてしまうという人も多いです。
しかし、ヘッジファンドの中には投資資金が少なめな個人投資家を相手にしているところもあります。
もし利用を考えているなら、色々なヘッジファンドを調べ、最低投資金がいくらに設定されているか調べてみましょう。
自分の予算に合ったヘッジファンドが見つかったら、資産運用のために利用してみるのも良いかもしれません。