コモンズ投信の「コモンズ30ファンド」と「ザ・2020ビジョン」の利回りと評判を紹介!

コモンズ投信は日本を拠点にする独立系の投資会社であり、主に2つの投資信託を運用しています。

運用投信には「コモンズ30ファンド」と「ザ・2020ビジョン」があり、ザ・2020ビジョンはモーニングスターが選定するファンドオブザイヤー2020の優秀ファンド賞を受賞しました。

この記事にたどり着いた方には、「独立系投資会社に興味がある方」や、「コモンズ投信の2ファンドのどちらに投資すべきか迷っている方」が多いのではないでしょうか?

この記事では、コモンズ投信に投資すべきかどうかの判断がつきやすくなるように、コモンズ投信のファンドの利回りとポートフォリオを解説した上で、評判や口コミについても紹介していきます。

コモンズ投信の会社概要

コモンズ投信の会社概要

コモンズ投信の会社概要は下記の通りです。

会社名 コモンズ投信株式会社
代表者 伊井 哲朗
設立 2007年11月6日
所在地 102-0093
東京都千代田区平河町2-4-5平河町Kビル5階
資本金 15億5189万5000円(資本準備金含む)
金融商品取引業者登録番号 関東財務局長(金商)第2061号
加入協会 一般社団法人 投資信託協会

参照:コモンズ投信

コモンズ投信は2007年に設立された独立系投資会社です。2008年に現在の社名に改称し、2009年からコモンズ30ファンドの運用を開始し、2013年にザ・2020ビジョンの運用がスタートしています。

独立系投資会社であるため、直接口座の開設が可能です。一般NISA・つみたてNISA(対象ファンドはコモンズ30ファンドのみ)にも対応しています。

このコモンズ投信の商品に投資する上で重要になる具体的な投資戦略も気になるところかと思いますので、次の章で確認していきましょう。

コモンズ投信の2ファンドの投資戦略

コモンズ投信の2ファンドの投資戦略

コモンズ投信の投資戦略はコモンズ30ファンドとザ・2020ビジョンで戦略が異なりますが、共通して長期的な資産作りをおこなうための投資戦略となっています。それぞれ詳しく見ていきましょう。

コモンズ30ファンド

コモンズ30ファンドはその名の通り30という数字をキーワードにした投信です。30年を前提にした運用期間に、厳選した30銘柄に分散投資をする商品となっています。

投資先の選定基準はグローバル企業を中心とした、収益力、競争力、経営力に優れた企業を選定。その中でも顧客や社員などの企業に関わる人々に対して、対話する姿勢のある企業を重視しています。

明確な目標を定めた上で、財務指標だけでは見えない企業の価値を判断した投資を目的としています。

ザ・2020ビジョン

ザ・2020ビジョンは2013年の運用開始時に、2020年に日本は大きく変わると考えてファンド名を付けました。実際に2020年は新型コロナウイルスの影響も含めて世界が大きく変わった年だったといえるでしょう。

信託期間は無期限であるため、2020年以降も中長期的な視点をもって運用を続けています。選定銘柄数は50銘柄で、時代の変化に対応できる企業かどうかを分析する定性評価と、株価や財務指標から分析する定量評価の2つの軸で投資する企業を選定しているのです。

これからの時代の変化に適応できる企業のみに分散投資することが、中長期的な投資効果を得ることにつながると考えています。

これらの投資戦略がどのような利回りとして結果に表れているのか、見てきましょう。

コモンズ投信の2ファンドの利回り

利回りは投資信託に投資する上で重要な投資の判断材料です。2つのファンドの利回りを確認していきましょう。

コモンズ30ファンド

利回りを確認する前に、コモンズ30ファンドの商品概要を下記にまとめました。

名称 コモンズ30ファンド
設定日 2009年1月19日
基準価額 37,434円(2021年4月19日)
純資産総額 268.69億円
分配金 300円(2021年)
信託報酬 1.08%

参考:モーニングスター

分配金は2021年1月18日には300円発生していますが、2019年には発生していないので、今後発生するかどうかはファンドの運用次第といえます。

信託報酬は1.08%とアクティブファンドとしては安いですが、コモンズ投信では銘柄の調査を自社でおこなっているので、調査を外部に委託しているアクティブファンドと比較するとコストが安くなります。

利回りに直結する分配金と信託報酬について、確認したところで実際の利回りを確認していきましょう。

トータルリターン
2016年 4.16%
2017年 25.02%
2018年 -16.92%
2019年 19.23%
2020年 15.54%

2016年~2020年までの5年間のトータルリターンを平均化すると9.41%になりました。平均利回りが10%近くあるので、資産を積極的に増やす目的でアクティブファンドに投資をするなら候補となる利回りです。

ただし、2018年はどの投資信託も利回りがマイナスではありましたが、15%以上のマイナスがあったことを考えると安定性を考えるならリスクが大きいかもしれません。

ザ・2020ビジョン

次に、ザ・2020ビジョンの商品概要を見ていきましょう。

名称 ザ・2020ビジョン
設定日 2013年12月27日
基準価額 25,668円(2021年4月19日)
純資産総額 70.31億円
分配金 150円(2020年)
信託報酬 1.27%

参考:モーニングスター

分配金は2019年から開始しており、コモンズ30ファンドと同様の理由で信託報酬はアクティブファンドの中でも控えめです。

それでは、実際の利回りを確認していきましょう。

トータルリターン
2016年 -3.00%
2017年 21.19%
2018年 -21.62%
2019年 43.99%
2020年 38.44%

5年間のトータルリターンを平均化すると、利回りは15.8%になります。2018年以前はすべてにおいてコモンズ30ファンドを下回っていましたが、2019年以降の利回りは上回っています。

しかし、2018年でのマイナスはコモンズ30ファンドよりも大きく、中長期的にリターンは得られるかもしれませんが、一時的に資産が大きくマイナスになるリスクを背負っているといえるでしょう。そのため、うまくいったとしても解約のタイミングが難しそうです。

次は、実際に運用を担当するファンドマネージャーについて解説します。

コモンズ投信のファンドマネージャー

コモンズ投信のファンドマネージャー

コモンズ投信は顔の見える運用を意識しており、ファンドマネージャーは公式サイトで経歴も含めて公開しています。投資家に対して情報の開示を積極的におこなうことで、信頼を得る狙いがあるといえるでしょう。

代表取締役兼最高責任者の伊井哲朗氏と複数のアナリストがフォローするチームによって、ファンドは運用されています。

伊井哲郎氏は、山一證券に10年間在籍し、マーケティングなどを担当してきました。その後、機関投資家向けの債券営業をおこない、証券会社での個人・法人向けの営業を経て、2012年にコモンズ投信を創業しています。

代表取締役をはじめとする顔や経歴に分かる運用体制となっているので信頼性は高いです。次は具体的なポートフォリオを確認していきます。

コモンズ投信ファンド内のポートフォリオ

投資信託は様々な商品に分散投資していますが、具体的に何に投資をしているのかを確認しておきたいところです。コモンズ投信で運用されているファンドのポートフォリオを分析していきましょう。

コモンズ30ファンドの内訳

コモンズ30ファンドは、コモンズ30マザーファンドに投資をするファンド・オブ・ファンズ形式の商品です。

よって、コモンズ30ファンドのポートフォリオを理解するためには、マザーファンドのポートフォリオを見る必要があります。下記はマザーファンドの上位10銘柄です。

順位 銘柄 業種 組入比率
1位 ヤマトホールディングス 陸運業 3.90%
2位 東京エレクトロン 電気機器 3.70%
3位 ユニ・チャーム 化学 3.60%
3位 SMC 機械 3.60%
5位 カカクコム サービス業 3.50%
5位 ディスコ 機械 3.50%
5位 クボタ 機械 3.50%
5位 ダイキン工業 機械 3.50%
5位 信越化学工業 化学 3.50%
5位 KADOKAWA 情報・通信業 3.50%

参考:コモンズ30ファンド 交付運用報告書

※2021年4月19日時点

交付運用報告書では投資先の31社について、すべての銘柄の投資理由について書いています。例えば、1位のヤマトホールディングスは総合物流企業への変化を期待して投資をしていると書かれています。

すべての銘柄の選定理由が明確に分かることで、今後の行く先が読みやすくなるため中長期視点で安心して商品を購入しやすいといえます。

ザ・2020ビジョンの内訳

ザ・2020ビジョンも同様にファンド・オブ・ファンズ形式です。よって、ザ・2020ビジョン マザーファンドのポートフォリオを見ていきましょう。

順位 銘柄 業種 組入比率
1位 任天堂 電気機器 4.00%
2位 エムスリー サービス業 3.60%
3位 ソニー 電気機器 3.20%
4位 KADOKAWA 情報・通信業 2.30%
4位 ダイフク 機械 2.30%
6位 MonotaRO 小売業 2.10%
7位 アンリツ 電気機器 2.00%
7位 リクルートホールディングス サービス業 2.00%
7位 レーザーテック 電気機器 2.00%
10位 村田製作所 電気機器 1.90%

参考:ザ・2020ビジョン 交付運用報告書

※2021年4月19日時点

ザ・2020ビジョンでは東証一部の企業だけでなく、新興市場の東証マザーズの企業にも少なくない比率で分散投資しています。マザーズなどの新興市場の株式は大企業の株式と比較して、株価の値動きが激しくなりやすいです。

よって、ファンドが取りうるリスクはけっして低くはないので、一時的ではあっても大きな損失が発生する可能性がある点に注意が必要になります。

ここまで投資戦略、利回り、ポートフォリオについて解説してきましたが、投資の判断がついてきたのではないでしょうか? 次からは実際に購入できる販売会社について紹介していきます。

コモンズ投信の商品が購入できる販売会社

コモンズ投信の商品が購入できる販売会社

コモンズ投信は独立系の投資会社であるため、直接購入も可能です。しかし、通常の証券会社で購入も可能となっています。

コモンズ30ファンドとザ・2020ビジョンのどちらも購入できる証券会社は下記の通りです。

  • SBI証券
  • 楽天証券
  • マネックス証券
  • 岡三オンライン証券
  • auカブコム証券
  • 松井証券
  • エース証券

2つのファンドのうち片方のみ扱っている証券会社もあります。基本的には大手証券であればどちらも販売している商品といえるでしょう。

コモンズ投信の評判・口コミ

コモンズ投信の実際の評判や口コミを集めました。

コモンズ投信に対する口コミは多くありましたが、批判的な口コミはほとんどなく、運用成績や企業の取り組みに対して称賛する声が大半を占めていました。

評判や口コミにも問題はないので、そのまま投資しても大丈夫かと思いますが、一度冷静に考えましょう。ということで、最後にコモンズ投信の商品に投資をする上での懸念点について解説していきます。

コモンズ投信検討の懸念点

コモンズ投信検討の懸念点

市場が年間を通して下落傾向であればコモンズ投信の商品に限らず、すべての商品にほとんど共通して損失が発生するのが投資信託の特徴です。

しかし、具体的な損失はどのくらいのリターンを求めて運用しているかどうかが問題になります。

リスクを取らずに安全に運用している投資信託であれば、市場が下落傾向でも損失は少ないですが、大きなリターンを求めるリスクの高い投資信託の損失は大きくなります。

実際に損失が発生した年がトータルリターンで紹介した2018年です。コモンズ30ファンドが-17%程度、ザ・2020ファンドが-21%程度となっているので、この損失が一時的であっても発生しうるコモンズ投信のファンドリスクの例です。

投資をするなら、場合によっては年間で20%近い損失が発生する可能性があることも承知した上で、8~15%程度の平均利回りを目指して中長期を前提に運用するのがよいでしょう。

まとめ

コモンズ投信の、コモンズ30ファンドとザ・2020ファンドについて紹介しました。この記事のポイントは下記の通りです。

  • 中長期を前提に自社で厳選した企業に分散投資するファンド
  • 平均利回りはコモンズ30ファンドで9%、ザ・2020ファンドは15%
  • 口コミ・評判で批判的な意見がほとんどない
  • リスクを取っているので一時的に大きな損失を被る可能性がある

どちらに投資をするべきかについては、ポートフォリオの投資先から判断するのが一番です。2つのファンドを比較すると、ザ・2020ファンドのほうがリスクを取っている分、リターンが高まりやすく、コモンズ30ファンドのほうがリスクを取っていないので安定しているといえるでしょう。

基本的にはリスクとリターンは対の関係ですが、少しでもリスクを軽減したい場合はヘッジファンドという選択肢もあります。

下記の記事では、国内のファンドをランキング形式でまとめていますので、興味のある方は是非ご覧ください。

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