2000万円あったらどうする?「安全な運用」と「1億円を目指す運用」を紹介

2,000万円を運用する方法はたくさんありますが、2,000万円あるからこそ投資できる商品も用意されています。「安全な運用」と「1億円を目指す運用」、それぞれのおすすめ商品を紹介します。

2000万円でなにができる?

2000万円でなにができる?

まずは、2,000万円があったらなにが買えるか、またなにができるか、「消費」と「投資」の両方から確認してみましょう。

消費するとしたら

まずは消費編です。2,000万円で買えるものやできることを確認しましょう。

トヨタ「センチュリー」 メーカー価格1,996万円

公用車としても利用されるトヨタ自動車の高級車「センチュリー」のメーカー価格は1,996万円です。メーカー価格なので、その他の費用が追加されるかもしれませんが、2,000万円は国産最高クラスの車に手が届く金額といえるでしょう。

慶応大学 医学部授業料6年分 1,824万円

慶応大学の12学部中、医学部は授業料が最も高く、年間304万円が必要です。6年間で1,824万円になりますが、授業料はスライド制が定められているため在学中に変動する可能性もあります。また授業料以外の費用もある点にも注意しましょう。

老後生活費の取り崩し33年分

生命保険文化センターによると、60歳以上の無職世帯では、生活資金として毎月4~5万円を取り崩しているようです。月に5万円取り崩すとすると、33年間で1,980万円です。

厚労省が公表している「2019年の簡易生命表」を確認すると、男性の60歳時点の平均余命は23.97年、女性は29.17年です。老後の暮らし方にもよりますが、2,000万円あれば老後の生活を最低限維持できそうです。

投資するとしたら

少ない金額でも投資はできますが、せっかくなら「2,000万円あるからこそできる投資」を知りたいですよね。2,000万円で可能になる投資にはどんなものがあるでしょうか。

劣後債、永久債

債券は株式や投資信託より最低投資額が高い傾向にありますが、中でも利回りの高い「劣後債」や「永久債」は、さらに資金が必要な場合があります。

たとえば、インターネット証券でも買える劣後債に「米ドル建てソフトバンク永久劣後債(外部サイトへ)」があります(2020年9月末時点。取り扱いがなくなる可能性もあり)。現在の米10年国債利回りは0.659%ですが、この劣後債の表面金利は6.875%です。10倍以上の高い利回りが期待できますが、投資するには20万ドルが必要(2,100万円 ※1ドル=105円)です。

比較的リスクの低い債券では、通常高い利回りは期待できません。しかし、2,000万円あれば高い利回りが付いた債券にも投資できる可能性が出てきます。

実物の不動産投資

実物の不動産に投資し、賃貸収入や売却益を狙うのが不動産投資です。土地や建物を取得しないといけないため、少ない金額で始めることは難しい投資法です。

少額で投資できる物件は多くありませんが、2,000万円なら選択肢が増えます。借り入れで資金を増やすことも考えれば、比較的自由に物件を選ぶことができるでしょう。

国内ヘッジファンド

ヘッジファンドは、リスクを抑えながら高い利回りを追求する資産運用会社です。資金を預ければ代わりに運用してもらえますが、最低投資金額は低くありません。

多くのヘッジファンドは、自由な運用ができる一方、投資家を広く集めることができない「私募型」という体制を取っています。したがって、まとまった運用資金を作るため、投資家1人あたりに一定以上の投資を求めるのが普通です。

海外ヘッジファンドは最低投資額が「億」になるなど非常に高い傾向にありますが、国内ヘッジファンドなら1,000万円からとするところが多いです。2,000万円あればヘッジファンドも十分選択肢に入るでしょう。

当サイトではおすすめのヘッジファンドをまとめていますので、選択肢を絞る場合にご参考ください。

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2000万で利用する前に知っておきたい「老後2000万円問題」とは?

2000万で利用する前に知っておきたい「老後2000万円問題」とは?

2019年に「2,000万円問題」が話題になりました。本筋とは少し離れますが、2,000万円つながりでおさえておきましょう。

家計調査から、2000万円程度の老後資金準備が望ましいとした金融庁の提言

2,000万円問題は、金融庁が公表した報告書「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」(令和元年6月3日)」が発端です。

報告書では高齢社会のさまざまな問題を指摘した内容でしたが、その内、家計調査などの統計情報から「老後生活30年で約2,000万円の取り崩しが必要になる」と指摘した内容がクローズアップされました。センセーショナルに報道され、多くの方が知るところになりました。

2000万円はあくまで目安 状況に合わせた資金準備を

報告書では客観的な事実から、平均的な目安として2,000万円を指摘したに過ぎません。自分の状況に合わせて資産形成を考えましょう。

こういった指摘がある以上は、2,000万円という金額の価値を重要なものとして捉え、慎重に扱うように心がける必要があります。

次は、この大事な2000万を維持、増やしていくにはどのような方法があるのかをリターン別に具体的に見ていきます。

低リターン:2000万円の安全な運用方法

低リターン:2000万円の安全な運用方法

ここからは2,000万円を運用する方法を確認していきましょう。まずは、比較的安全に運用できる商品をご紹介します。

銀行預金

安全な運用先としての代表的な金融商品は銀行預金でしょう。金利は低いですが、元本の保全性が高い商品です。

日本国債

日本国債も、国によって元本が保証されています。個人向け国債の場合、最低でも0.05%の利回りが保証されています。

社債

国債は国が発行し、国が元本を保証する債券です。社債は、発行者(企業など)が元本を保証している債券です。具体的には利息と償還金の支払いを約束しており、比較的リスクの低い商品です。

国よりは発行者が破綻するリスクが高いと考えられるので、通常は国債よりも高い利回りが付きます。また、上述した劣後債や永久債は社債の1つで、発行者が破綻した際の取り決めが一般的な債券より不利になります。したがって、社債よりさらに高い利回りが付きます。

ハイリターン:2000万円を1億円にする運用方法

ハイリターン:2000万円を1億円にする運用方法

ここから、2,000万円を積極的に増やす投資法を確認しましょう。目標を1億円に設定し、どれくらいのリターンがあれば1億円になるか確認しましょう。

2000万円を1億円にするのに必要なリターンは?

2,000万円を5倍の1億円にするには以下のリターンが必要です。運用期間ごとに確認しましょう。

5年後 10年後 15年後 20年後 30年後 40年後 50年後
37.97% 17.46% 11.33% 8.38% 5.51% 4.11% 3.27%

現実的には長期計画

上述のリターンがあれば2,000万円を1億円にすることはできますが、短期間で5倍にするにはハードルが相当高いことがわかります。

逆に、運用期間が長くなればなるほどハードルが低くなります。2,000万円を1億円にするという目標を現実的に考えると、ある程度長期の計画になるでしょう。

【参考】3000万円、5000万円、8000万円にする場合のリターン

もう少し低い運用目標を定めたい方のために、2,000万円を「3,000万円」「5,000万円」「8,000万円」にするために必要なリターンもまとめておきます。

運用額 5年後 10年後 15年後 20年後 30年後
3,000万円 8.45% 4.14% 2.74% 2.05% 1.36%
5,000万円 20.11% 9.60% 6.30% 4.69% 3.10%
8,000万円 32.00% 14.87% 9.68% 7.18% 4.73%

2000万円を1億円にするおすすめの運用方法

仮に20~30年を運用期間として設定する場合、2,000万円を1億円にするために目指すべきリターンは4.11~5.51%です。概ね5%前後のリターンを目指すとき、おすすめの運用方法は以下の3つです。

ヘッジファンド 絶対収益を追求する運用会社

上述しましたが、ヘッジファンドは私たちの資産を代わりに運用してくれるプロの運用会社です。「絶対収益の追求」という特徴的な運用方針を持ち、相場全体の値動きに関係なく安定的な収益を獲得しようとします。

ヘッジファンドはさまざまな運用戦略を用いますので、ヘッジファンドがどのくらいのリターンを稼ぐかは一概にいえません。参考に、ニッセイ基礎研究所が公開したヘッジファンドのリターン実績を年率換算で以下にまとめました。

運用戦略 2005~2014年 2015~2019年 2019年
ヘッジファンド全体 7.90% 3.90% 8.40%
アービトラージ戦略 6.40% 4.20% 5.90%
CTA戦略 8.80% 1.40% 4.90%
債券戦略 7.00% 4.30% 7.60%
株式ロングショート 7.70% 4.80% 11.00%
マクロ戦略 7.50% 2.80% 7.20%

※年率換算

期間や運用戦略によって変動がありますが、ヘッジファンド全体で見て概ね目標リターンをクリアしているといえます。

上記表を参考に直近の合計リターンを集計すると

運用戦略 直近3年 直近5年 直近10年
ヘッジファンド全体 16.20% 24.00% 63.50%
アービトラージ戦略 14.30% 22.70% 54.70%
CTA戦略 7.70% 10.50% 54.50%
債券戦略 16.20% 24.80% 59.80%
マクロ戦略 12.80% 18.40% 55.90%

投資信託 世界の成長に投資

投資信託もヘッジファンドと同じく、私たちの資産を代わりに運用してくれる商品ですが、ヘッジファンドが絶対収益を追求するのに対し、投資信託は「相対収益」を追及します。相場の影響を受けながら、収益獲得を目指す方針です。

相場の影響を受けてしまいますが、世界の経済が成長し、相場全体が上昇すれば利益を得やすい商品です。

投資信託とひと口にいっても、さまざまな銘柄があります。ある程度高いリターンを狙うなら、株式で運用する投資信託が選択肢になるでしょう。参考に、MSCI社が公開する世界の株式市場の実績をまとめます。

銘柄 直近3年 直近5年 直近10年
先進国株式
(MSCI World)
9.82% 10.42% 10.74%
新興国株式
(MSCI Emerging Market)
2.83% 8.66% 3.76%
全世界株式
(MSCI ACWI)
8.99% 10.21% 9.90%

※数値はすべて2020年8月末(米ドル建て ネット)

1億円を目指すことは難しいものの、新興国株式以外は高いリターンを実績で残せました。相対収益を追求する投資信託でも、世界市場が上昇すれば比較的高いリターンを狙えるでしょう。

【番外編】これから2000万円を目指す人におすすめの運用方法

【番外編】これから2000万円を目指す人におすすめの運用方法

これから2,000万円を目指す方は、どんな運用をすればよいでしょうか?

2000万円を作るのに必要なリターン

まずは2,000万円を作るのに必要なリターンを計算しましょう。現在持っている運用資金と運用期間別に必要なリターンを計算すると以下のようになります。

現在の運用資金 5年 10年 15年 20年
100万円 82.06% 34.93% 22.11% 16.16%
300万円 46.16% 20.90% 13.49% 9.95%
500万円 31.95% 14.87% 9.68% 7.18%
1,000万円 14.87% 7.18% 4.73% 3.53%

現在の資金があまりに少ないと長期運用でも必要なリターンは相当高いです。手元資金だけに頼るのではなく、「積み立て投資」も併用した方がよいでしょう。

積立も併用すると貯まりやすい

少ない手元資金だけに頼り2,000万円を目指すのは現実的ではありません。少しずつ資金を追加していく「積み立て投資」の併用が現実的な方法になるでしょう。

仮に現在100万円を持っている方が、積み立て投資を併用しながら2,000万円を目指す場合を考えてみましょう。運用期間を20年間とした場合、必要なリターンは以下のようになります。

毎月の積み立て額 必要なリターン
0 16.16%
1万円 12.60%
3万円 7.57%
5万円 3.98%
7.92万円 0

100万円の運用だけで2,000万円を目指す場合、毎年16%超のリターンが必要ですが、積み立て投資を併用すると、たとえ月に1万円の投資でもハードルが下がることが分かります。月に約8万円以上積み立てられるなら、リターンがなくても2,000万円に到達します。

2000万円を作るのにおすすめの運用方法

これから2,000万円を作るのにおすすめの運用方法は以下2つです。

投資信託:少額投資が可能なので積み立て投資もしやすい

2,000万円の運用でもおすすめした投資信託ですが、最低投資額が大きくないので少額からでも運用が可能です。ネット証券なら100円から投資でき、投資金額も1円刻みで調整できます。

株式投資:より高いリターンの可能性

手元資金や運用期間によりますが、これから2,000万円を作る方には高めのリターンが必要です。投資信託より高いリターンを狙うなら、個別の株式投資が選択肢になるでしょう。

まとめ

まとめ

2,000万円あると高級車や老後資金に充てることもできますが、2,000万円あるからこそ選択できる魅力的な投資法もあります。

2,000万円をどのように運用したいか考え、適切な運用方法を選択しましょう。

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