GCIアセット・マネジメントのGCIエンダウメントファンドは投資するべきか?

GCIアセット・マネジメントについて情報収集している中で、「投資信託であるGCIエンダウメントファンドに興味があり、投資するべきかどうか」と迷っている方がこの記事を見ているのではないでしょうか?

インデックスファンドと比較して、GCIのようなアクティブファンドの投資人口は少ないので情報収集が難しいですよね。

投資すべきかどうかの判断は、3つの要素に注目することで絞れます。

これらは、利回り、ファンドマネージャー、ポートフォリオの3要素で投資信託のアクティブファンドを見る際は是非チェックしましょう。

この記事では、GCIアセット・マネジメントとその商品について3つの要素に着目して、詳しく解説していきます。

GCIアセット・マネジメントの会社概要

GCIアセット・マネジメントの会社概要

GCIアセット・マネジメントの会社概要は下記の通りです。

会社名 株式会社GCIアセット・マネジメント
代表者 山内 英貴
設立 2000年4月13日
所在地 東京都千代田区西神田3-8-1 千代田ファーストビル東館10F
資本金 1億円
運用資産残高 2,842億円(2021年1月現在)
金融商品取引業者登録番号 関東財務局長(金商)第436号
加入協会 投資信託協会
日本投資顧問業協会

参照:GCIアセット・マネジメント公式サイト

株式会社GCIアセット・マネジメントは、2000年4月13日に設立された資産運用会社です。シンガポール、ロンドン、香港にそれぞれグループ会社があります。

設立から20年以上、投資信託の運用を続けてきた企業であり、会社概要を確認する限りでは問題点はありません。

次は、株式会社GCIアセット・マネジメントの投信に投資するうえで重要になる具体的な投資戦略について確認していきましょう。

GCIアセット・マネジメントの投資戦略

GCIアセット・マネジメントの投資戦略

GCIアセット・マネジメントの運用では資産の保全を最優先にしています。積極的に資産を増やしていく運用ではなく、安定と両立しながらリターンを求める方針といえるでしょう。

また、リスク管理の方法は、学会との交流を通じた学術経験の取り組みをリスク分析方法に取り入れることで実務に応用しています。

総合的に判断すると、安全性を前提にしたロジックに基づく運用をおこなうだけでなく、新たな取り組みにもチャレンジする柔軟な考え方も持っているといえます。

エンダウメントファンドとは

エンダウメントとは寄附金のことを指し、投資の世界では名門大学の基金を意味します。

特に日本でもよく知られるハーバード大学やイェール大学の運用規模は大きく、どちらも着実にリターンをあげ続けています。

エンダウメントファンドは、名門大学のエンダウメントによる投資戦略を参考に安定したリターンを狙う投信といえるでしょう。

GCIエンダウメントファンドの利回り

GCIエンダウメントファンドには成長型と安定型の2種類があります。それぞれの利回りを確認していきましょう。まずは商品概要について見ていきます。

名称 成長型 安定型
基準価額 13,395円 11,910円
純資産総額 41.7億円 21.65億円
分配金 なし なし
購入手数料 1.10% 1.10%
信託報酬 1.20% 1.19%
信託財産留保額         0.10% 0.10%

※設定日は、どちらも2015年9月25日。データは2021年4月7日時点。

参照:モーニングスターより(外部サイトへ)

購入手数料はネット証券から購入すれば無料になりますが、解約時に信託財産留保額がかかる点に気をつけましょう。ネット証券から購入した場合は、毎年、信託報酬が差し引かれ、解約時にも0.1%の手数料が差し引かれます。

また安定型は、成長型と比較すると若干ではありますが、信託報酬が安くなっています。ただし、購入手数料と信託財産留保額は変わりません。

上記のコストを踏まえたうえで、トータルリターンから利回りを考えていきます。

成長型のトータルリターン 安全型のトータルリターン
2016 6.14% 5.09%
2017 12.29% 8.31%
2018 -6.29% -4.23%
2019 11.48% 6.70%
2020 1.02% 0.64%

成長型のトータルリターン5年間の平均は4.928%になります。安全型の平均は3.302%です。

分配金実績もなく、利回りが高いわけではありませんが、リターンがマイナスになったのは2018年のみなので安全かつ着実に資産を増やしていけます。また、安全型は成長型と比較するとリターンは低いですが、リターンがマイナスになった年の損失が軽減されているため、よりリスクの低い運用をしていることが分かります。

資産を運用するうえで意識したいのはインフレ率になります。日銀が設定する年間の最大インフレ率が2%であるため、最低でも3%以上の利回りが欲しいところです。安全型は利回りの条件を満たしています。

利回りから資産を安定して増やすなら成長型、インフレ対策を考えるなら安定型が適しているといえるでしょう。

次は上記のファンドを運用するファンドマネージャーについて解説します。

GCIエンダウメントファンドのファンドマネージャー

GCIエンダウメントファンドのファンドマネージャー

GCIアセット・マネジメントのファンドマネージャーは公式サイトで経歴も含めて公開されています。上記で紹介したファンドのファンドマネージャーは代表取締役CEOの山内英貴氏が務めます。

東京大学経済学部を卒業し、日本振興銀行(現在のみずほ銀行)に入社し、債券や為替のトレーディング業務をおこない、シンガポール駐在の際に金融危機を経験しています。

2000年にGCIアセット・マネジメントを設立し、2015年に設定したGCIエンダウメントファンドのファンドマネージャーを務めました。また、2007年から母校の東京大学で非常勤講師を務めています。

投資戦略において、学会との交流を通じた学術経験の取り組みをリスク分析方法にしているのは、非常勤講師である山内氏が東京大学と強いコネクションを持っていることが理由として考えられます。

利回り、ファンドマネージャーを確認したところで、具体的なポートフォリオを見ていきましょう。

GCIエンダウメントファンドのポートフォリオ

GCIエンダウメントファンドのポートフォリオ

GCIエンダウメントファンドのポートフォリオをそれぞれ紹介する前に、共通事項について簡単に解説します。

まず、GCIエンダウメントファンドは株式や債券に直接投資するものではなく、これらの金融商品を投資対象にした投資信託に分散して投資をするファンド・オブ・ファンズ形式で運用されます。

また、投資対象には公募型の投資信託やETFだけでなく、私募型の投資信託であるヘッジファンドも組み入れています。

上記の事項を理解したうえで、それぞれのポートフォリオを見ていきましょう。

資産の種類 投資対象 成長型の配分比率 安定型の配分比率
日本株 NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信 4.90% 2.50%
米国株 バンガード・S&P500 ETF 16.60% 7.10%
米国株以外の先進国株 バンガード・FTSE先進国市場(除く米国)ETF 9.10% 4.80%
新興国株 バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF 2.50% 0%
米国債券 バンガード・米国トータル債券市場ETF 11.50% 25.00%
海外債券 バンガード・トータル・インターナショナル債券ETF(米ドルヘッジあり) 2.80% 8.40%
国内リート NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信 3.90% 2.20%
米国REIT バンガード・リアル・エステート ETF 3.90% 2.20%
ヘッジファンド GCIシステマティック・マクロファンド Vol 10 クラスA 34.50% 34.90%
その他 GCIマネープールマザーファンド1.2%4.3%
現金・短期金融資産等 9.00% 8.60%

※2021年4月8日時点

参考:GCIエンダウメントファンド 交付目論見書

成長型の投資比率で高いのは上から順にヘッジファンド、米国株、米国債券になります。一方で、安定型は他の資産の保有比率を落とし、安全資産である債券の保有比率を高めています。

成長型は米国株式を中心に資産をバランスよく保有したい方、安定型は債券を多く保有してできる限りリスクを抑えたい方におすすめです。

GCIエンダウメントファンドが購入できる販売会社

GCIアセット・マネジメントのGCIエンダウメントファンドが購入できる販売会社は下記の通りになります。

  • 楽天証券
  • SBI証券
  • 新生銀行
  • 東海東京証券
  • 三田証券
  • 共和証券
  • 長野證券
  • 栃木銀行
  • イオン銀行
  • 百五証券
  • むさし証券

購入するなら、購入手数料がかからない楽天証券またはSBI証券などのネット証券がおすすめになります。

GCIアセット・マネジメントの評判・口コミ

GCIアセット・マネジメントの評判・口コミ

投資を始める前に実際の評判や口コミも確認してみましょう。

推奨する意見もある反面、運用の成績が良くないといった意見や、否定的な意見も目立ちました。

賛否両論があるので評判だけでは判断が難しいため、あくまで参考として自分に合っているかどうかを判断する必要があります。

最後にGCIエンダウメントファンドに投資を検討するうえでの懸念点についても確認していきます。

GCIアセット・マネジメント検討の懸念点

GCIアセット・マネジメント検討の懸念点

GCIアセット・マネジメントは安全に資産を増やす運用方針を取っているので、他の投信と比較してもリスク面において大きな懸念はないかと思います。

ただし、利回りと手数料については他の投信とシビアに比較しましょう。

GCIエンダウメントファンドの平均利回りは安全型で3%、成長型で5%程度でした。けっして高くはありませんが、投資信託のパフォーマンスとしては問題のない数字です。

しかし、購入手数料がかかる場合は1.1%、信託報酬が1.2%程度、信託財産留保額が0.1%差し引かれるので、その分だけ利回りが低下します。GCIエンダウメントファンドよりも手数料の低い商品で同程度の利回りを出している商品は存在するので、そちらのほうが実質的な利回りは高くなるといえるでしょう。

利回りが目立って高くないので、GCIエンダウメントファンドよりも手数料が安い商品には、手数料負けする可能性があるということが懸念点になります。

まとめ

GCIアセット・マネジメントのGCIエンダウメントファンドについて解説しましたが、ポイントは下記の通りです。

  • 名門大学の投資戦略を参考にした安定的な運用を目指している
  • 平均利回りは成長型が5%程度、安定型が3%程度
  • ヘッジファンドを含む投資信託に分散投資をするファンド・オブ・ファンズ形式
  • 利回りと手数料の関係から他の商品と比較して手数料負けをする可能性がある

アクティブファンドはインデックスファンドと異なり、ファンドマネージャーが公開されており顔の見える運用が心掛けられています。

資産を預けるなら多少パフォーマンスは低下しても、安心を取りたいという方は、投資戦略、ファンドマネージャーが公開されているGCIアセット・マネジメントへの投資を検討しましょう。

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