働き方改革の必要性が声高に叫ばれ始めた昨今、副業への取り組みににわかに注目が集まっています。

一口に副業と言ってもその種類は様々にありますが、副業と聞くと投資を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

投資という言葉は、新聞やテレビのニュースなどでしばしば見かける上に、近年はインターネットでもよく目にするようになりました。

 

SNS上では、投資でたくさんの収入があったなどと投稿する人もいるようです。

しかし、投資というのは具体的にどういうもので、どういうリスクがあって、どのように始めたらいいのかはある程度自分で調べないとわかりません。

投資にも様々な種類があります。この記事では、複数ある投資の方法の中の、とある一つの方法について解説します。

1、そもそも投資とは

 

投資とは、将来収益になることを見越して、資金を証券や事業などに拠出することを言います。

投資には住宅や非居住用建物、機械設備などに投資する物的投資と株式や債権といった有価証券を対象にする金融投資があります。

一般の人が投資をするのは金融投資である場合が多いです。

 

投資を行うことのメリットとしては、手元にある資金を元手に中長期的に収入が得られることです。

まとまった資金を持っていてそれをすぐには使う必要がない時、考えられる行動としては貯蓄と投資が考えられます。

 

貯蓄とは、資金をそのままの状態で保管し、いつでも引き出せる、あるいは利用できる状況にしておくことを指します。

具体的には、銀行の普通預金口座などに預けるということになりますが、普通預金には利子がつくといえどもこのマイナス金利の時代には本当に微々たるものだと言っていいでしょう。

すなわち預金をしていても、その預けたお金はほとんど増えないということです。

 

一方、投資をして資金を企業などに預けるという形にした場合、比較的高い利回りを期待することができます。

現在のところ、大手銀行の普通預金金利はどこも0.001%となっています。これでは、もし1000万円預けても一年で100円の金利しかつきません。

バブルの時代だったらまだしも、現在は預金で資産を増やすことはほぼ不可能と言えます。

 

利回りという点では、投資は普通預金よりも優れています。例えば、投資の方法の一つに投資信託というものがありますが、その利回りは3年1.87%や3年2.73%などとなっています。

これは、信託報酬などの手数料を考慮しても、銀行預金の金利と比べてはるかに高いものとなっています。

投資信託はあくまで一例ですが、このように早急には使わない資金を、有効活用することができる手段が投資です。

2、投資のリスク

 

このように投資は貯蓄に比べて高い収益を期待できます。

その一方で、ご存知の方も多いとは思いますが、リスクも高くなります。

ここで言うリスクとは、購入した株式や投資信託など価格が投資金額を下回る元本割れのことです。元本割れがなぜ起こるかと言うと、結局は株には様々なリスクが付きまとっているからです。

 

購入した株式の価格は経済状況や企業の活動状況によって変わり、時に下落します。

下落した株価が再度上昇することはよくありますが、その下落の原因が企業の不祥事だったり、大幅な営業赤字だった場合、株価が元の水準まで回復するのは厳しいことも多いです。

そうした場合に、投資した金額よりも保有している株式などの価格が下回る元本割れとなります。

 

このように説明すると、株は先が読めないギャンブルのようなものだと感じるかもしれません。

しかし、株で損をするというリスクは、投資先を分散することで最小限のものに抑えられます。

分散投資とは、その名の通り投資先を一つに絞らずにいくつかに分散することです。

そうしておくと、仮にとある一つの投資先の株価が下がり元本割れが生じたとしても、その他の株価が順調であるならば損は最小限ですみます。

 

また、とある株式が下落した場合別の株式が上昇することを計算に入れた分散投資の方法もあります。

例えば、業種が同じで競合する企業2社の株式をそれぞれ購入したとします。この時、どちらか一方の株価が下落するとその反動でもう一方の企業の株価が上昇する場合があります。

 

市場での競争においては、どちらかの業績が下がった分だけもう一方の業績が上がることが理論的には成り立ち、それが株価に反映されるからです。

投資信託は、もともといくつかの種類の株式をあわせて買うため、わざわざ自分で選んで分散投資をする必要はありません。

一方、自分で直接株式を選んで買う場合は、分散投資を気に留めて購入する必要があります。

3、オルタナティブ投資

 

ここまで、投資についての基本事項とリスクについて解説してきました。

投資にも色々種類があることを述べましたが、その一つの手法がオルタナティブ投資です。

オルタナティブ投資という言葉に馴染みがない人も多数いるであろうことを踏まえ、オルタナティブ投資の特徴、種類、メリットという3つのポイントを中心に解説します。

 

オルタナティブとはalternativeのことで、「代替の」という意味です。

オルタナティブ投資とは上場株式や債権などといった伝統的資産以外のものを投資対象とする投資の方法です。

上場株式や債券などと直接相関しない運用対象に投資をすることが特徴です。

具体的には、農産物や不動産、未公開株などに投資します。

オルタナティブ投資は、伝統的資産のみに投資するわけではないという点では、分散投資の一つであると言えます。

4、オルタナティブ投資を行うには

 

オルタナティブ投資を行うにはいくつかの方法があります。

まずは直接投資する方法です。

具体的には、商品先物市場で取引されている原油などのエネルギー、金や銀などの貴金属、トウモロコシなどの穀物に投資をします。これらの投資先はコモディティとも言われます。

 

先物取引は、まず将来売買する約束をしておいて、その約束の期日が来たら最初に決めた売買条件で取引を行います。

そのため、日々の価格が変動する商品の価格変動リスクを抑えることができ、結果的にリスクを分散することができます。

 

その他には、ヘッジファンドを利用して間接的にオルタナティブ投資を行うこともできます。

ヘッジファンドとはリスクをヘッジ(極小化)した上で、投資家から集めた資金を元手に投資・運用を行うことです。

その投資先は、株式や債券の他にも多岐にわたり、分散投資の一環としてオルタナティブ投資も実行しています。

 

ヘッジファンドはそのような様々な方法を駆使して高収益を上げることが特徴ですが、基本的に機関投資家や富裕層向けに資金の募集を行っており、一般の人には敷居が高いものとなっていることは事実です。

5、オルタナティブ投資はどのような人に向いているか

 

オルタナティブ投資は、時間がかかっても構わないから絶対に収益を上げたい人、あるいは元本割れのリスクを軽減するために分散投資を行いたい人に向いています。

そもそもオルタナティブとは代替という意味であるので、オルタナティブ投資はメインの投資先というよりはリスクをヘッジするための投資先だと言えます。

 

そのため投資を始めたことがない人がいきなりオルタナティブ投資を始めるよりは、ある程度投資を経験した人がリスク分散の手段の一つとして選択するのが良いのではないでしょうか。

6、オルタナティブ投資は選択肢の一つ

 

上に記したように、投資には収益が期待できるというメリットがある一方、元本割れのリスクも存在します。

そのため分散投資などでリスクを軽減する必要があります。

分散投資の一つとして、オルタナティブ投資という選択肢は有効です。

 

投資初心者の方には、オルタナティブ投資は伝統的投資方法よりも馴染みがなく難しい点もあるかと思います。

自分がどのくらい投資に慣れていて、その仕組みを理解しているかを自分自身で評価した上で、オルタナティブ投資を選択するならば有用なリスクヘッジの一手段となるでしょう。

 

 

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