1000万円投資したら利益はいくら?「複利」でシミュレーション

1,000万円を預金にしておくのはもったいないです。
利子をほとんど受け取れないばかりか、むしろ手数料で少しずつ減っていくでしょう。

「減っていくのは嫌だ」「もっと有効活用したい」という方は、1,000万円で投資を検討してみてはいかがでしょうか?

投資をすることで、減るのではなく、「むしろ増やす」もしくは「維持する」という選択肢が広がります。
本記事では1,000万円を運用するとどれくらいお金が増えるのか、「複利(ふくり)」を使ったシミュレーションや、運用において絶対に心がけたいポイントを2つ紹介します。
是非ご参考ください。

1000万円の複利投資で得られる利益をシミュレーション

複利計算する投資家たち

1,000万円のシミュレーションの前に、まずは「複利」について学びましょう。

複利とは

「複利」は「利益を再投資して運用元本を大きくし続ける運用方法」です。
例えば、100万円で10%の利益を得られた場合、再投資して運用元本を110万円とすれば、次は11万円の利益を得られます(110万円×10%)。

対して「利益を再投資しない運用方法」を「単利(たんり)」といいます。運用元本が変わらないため、利回りが一定なら得られる利益も変わりません。

利回りが一定なら、利益は必ず複利のほうが大きいです。
参考に、以下に利回り10%の商品に100万円を投資する条件で単利と複利を比較しました。
単利は運用元本が100万円のままなので毎年10万円の利益ですが、複利は運用元本と利益が増え続けています。5年目の累計利益では、複利のほうが11.1万円大きくなりました。

単利と複利の比較(投資額100万円、利回り10%)
1年目2年目3年目4年目5年目
単利運用残高100万円100万円100万円100万円100万円
利益10万円10万円10万円10万円10万円
累計利益10万円20万円30万円40万円50万円
複利運用残高100万円110万円121万円133.1万円146.4万円
利益10万円11万円12.1万円13.3万円14.6万円
累計利益10万円21万円33.1万円46.4万円61.1万円

ここで「複利運用の5年目」に注目してください。5年間の累計利益は61.1万円、つまり1年あたり12.22万円の利益を得たことになります。投資額は100万円ですから、単純な利回りは12.22%です。複利で本来の利回り(10%)を超える利益を得られました。

このように、複利によって本来よりも高い利回りを得られることを「複利効果」といいます。

【利回り別】1000万円複利運用シミュレーション

運用期間が長くなるほど複利効果は高まります。
参考に、複利運用した場合に1,000万円がどれくらい増えるのか利回り別に以下にまとめました。いずれの利回りでも、運用期間が長くなるほど1年あたりの平均利回りが上昇し、本来の利回りとの差が大きくなっていることがわかるでしょう。

複利運用シミュレーション(投資額1,000万円)
利回り3年後5年後10年後20年後30年後
1%1,030.3万円
(1.01%)
1,051.0万円
(1.02%)
1,104.6万円
(1.05%)
1,220.2万円
(1.10%)
1,347.8万円
(1.16%)
3%1,092.7万円
(3.09%)
1,159.3万円
(3.19%)
1,343.9万円
(3.44%)
1,806.1万円
(4.03%)
2,427.3万円
(4.76%)
5%1,157.6万円
(5.25%)
1,276.3万円
(5.53%)
1,628.9万円
(6.29%)
2,653.3万円
(8.28%)
4,321.9万円
(11.07%)
7%1,225.0万円
(7.5%)
1,402.6万円
(8.05%)
1,967.2万円
(9.67%)
3,869.7万円
(14.35%)
7,612.3万円
(22.04%)
10%1,331.0万円
(11.03%)
1,610.5万円
(12.21%)
2,593.7万円
(15.94%)
6,727.5万円
(28.64%)
17,449.4万円
(54.83%)

※()は1年あたりの平均利回り(単純平均)

効率的にお金を増やしたいなら、できるだけ長期運用を心がけましょう。

1000万円あったら投資できる商品は?

富める方向はどっちか

1,000万円で投資する場合、「せっかくなら1,000万円ないと投資できないもので運用したい」と考える場合もあるでしょう。

ここでは1,000万円程度の資金から投資できるものとして2つ取り上げます。

ラップ口座

投資一任型の商品の一つで、いわゆる「おまかせ運用」の商品です。銀行や証券会社などで販売されており、運用を一任された金融機関が投資家に代わって資産運用を行います。

最低投資額は金融機関によりますが、1,000~3,000万円程度が一般的でしょう。投資信託だけで運用される「ファンドラップ」なら300万円程度から受け入れている金融機関もあります。

ヘッジファンド

こちらも運用一任型で、ヘッジファンドが投資家に代わって資産運用を行います。同様に、最低1,000万円以上は投資を求められることが多いです。

ラップ口座との違いは運用方針です。
ラップ口座は基本的に幅広く分散投資を行うため、リターンは市場平均に収束しがちです。対してヘッジファンドは一般にデリバティブ取引を含めた運用戦略を取るため、必ずしもリスクとリターンの水準が一致しません。

例えばヘッジファンドの代表的な戦略の一つ「アービトラージ」は、同一資産が異なる価格で取引されているときに「安い価格の買い」と「高い価格の売り」を同時に仕掛け、両者の価格差が利益になる戦略です。買いと売りの両ポジションが値動きを相殺するため、理論上は上下どちらの方向に動いても損失が発生せず、価格差が必ず利益になります。

このように、ヘッジファンドの運用戦略は複雑で、単純にリスクとリターンが比例関係にないケースも少なくありません。言い換えれば、ほかとは異なる独立したリターンを得られる可能性があります。

資産が1000万円を超えたら投資を考えたい3つの理由

1000万の資産と余裕があり、戦略を考える人

リターンだけが投資をおすすめする理由ではありません。
1,000万円を超えたとき、以下3つの理由から投資が推奨されるためです。

  • 「ペイオフ」の上限に触れる
  • インフレによる目減りが起こる
  • 選択肢が増える

「ペイオフ」の上限に触れる

ペイオフとは「預金保険制度」のことです。基本的に国内のすべての銀行が加入しており、万が一その銀行が破綻したときは「預金保険機構」が私たちの預金を保護します。

しかしペイオフには上限があり、元本1,000万円とその利息までしか保護されません(当座預金は全額が保護の対象)。この1,000万円は普通預金と定期預金に分かれていても合算して判定されます。

1,000万円を超えて預金した場合、ペイオフの対象外となる部分が出るため注意しましょう。

インフレによる目減りが起こる

インフレは物価上昇のことです。インフレには実質的にお金が目減りする効果があるため注意しなければいけません。

インフレによる目減りをイメージしやすいよう、生活費で考えてみましょう。

仮に生活費が年間200万円の場合、1,000万円あれば5年間の生活が可能です。ここで1年あたり2%のインフレが起こると、生活費は10年後に約243.8万円にまで上昇します。1,000万円あっても約4.1年しか生活できなくなってしまいました。
これはインフレ前の820万円に相当する金額です。

つまり、額面は1,000万円のままですが、実質的に180万円の目減りが起こったといえます。

インフレによる目減りは1,000万円未満のお金にも起こりますが、金額が大きいほど目減り額も大きくなります。資産が1,000万円を超えた場合、インフレ対策も検討したほうがよいでしょう。

選択肢が増える

運用に回せる資金が1,000万円を超えてくると運用の選択肢が増えてきます。上述した「ラップ口座」や「ヘッジファンド」のように、最低投資額が比較的大きい商品にも投資できるようになるためです。

選択肢が増えるため有利に運用できる点も、1,000万円を超えたら投資をおすすめする理由です。

1000万円の運用で心がけたい「分散投資」とは?

資産を異なる銘柄で分散させる

1,000万円は比較的まとまった資金です。運用する場合、リスクを下げる「分散投資」を心がけましょう。

集中投資を避け「ポートフォリオ」を構築する

分散投資はいくつかの資産・銘柄に資金を分けて投資することです。仮に投資対象の1つの価値がゼロになっても、資金を分散させておけば被害を抑えられるでしょう。

反対に1つの銘柄に資金を集中させることを「集中投資」といいます。その投資対象の価値がゼロになった場合、資産をすべて失うでしょう。

1,000万円の運用を行う場合は分散投資を前提に、「ポートフォリオ」単位で考えることが基本です。ポートフォリオとは、「株式50%、債券50%」のように、資産の組み合わせのことをいいます。

ポートフォリオの例

イメージしやすいよう、具体的なポートフォリオをチェックしてみましょう。

「GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)」は年金原資の一部を運用しています。そのポートフォリオはシンプルで、基本的に株式と債券が半々になる構成です。2001年度~2021年度第2四半期までの期間で平均3.7%のリターンを稼ぎました。

GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)
資産の種類 割合
株式 49.04%
債券 50.96%

※2021年9月末時点

「ノルウェー政府年金基金」はノルウェーの石油収入を運用しています。「年金」と名前が付いていますが、年金給付に使われるわけではないため注意しましょう。ポートフォリオは株式の割合が高く、また不動産にも投資している点が特徴的です。1998年~2021年6月末までの平均リターンは6.6%となりました。

ノルウェー政府年金基金
資産の種類 割合
株式 72.80%
債券 24.7%b
不動産 2.50%

※2020年12月末時点

ハーバード大学の基金を運用する「ハーバード・マネジメント・カンパニー」のポートフォリオはやや複雑です。上場していない未公開株式やヘッジファンドの比率が高く、その他さまざまな資産でポートフォリオを構成しています。1974年の設立から2021年6月末まで、約11%もの平均リターンを稼ぎました。

ハーバード大学基金
資産の種類 割合
未公開株式 34%
ヘッジファンド 33%
株式 14%
不動産 5%
債券 4%
天然資源 1%
その他の実物資産 1%
現金 8%

※2021年6月末時点

【リスク別】1000万円の投資におすすめの商品6選

商品をリターンとリスクで分析

ポートフォリオを構築するためには商品を知らなければいけません。リスク別におすすめの商品を6つ紹介します。

ローリスク

低いリスクで運用したい場合は、以下2つの商品をおすすめします。

  • 銀行預金
  • 債券

銀行預金

利回りに期待できませんが、元本が保証された安全な商品です。お金を増やす能力はほとんどありませんが、ポートフォリオ全体のリスクを下げたい場合に重宝するでしょう。

債券

安全性の高い商品ですが、発行者が破綻するリスクがある分、銀行預金よりは利回りが高い傾向にあります。
ただし「国債」のような公共債はやはりリスクが低いため、銀行預金を下回るケースもあるでしょう。

ミドルリスク

リスクとリターンのバランスを重視したい方は、以下2つの商品を検討しましょう。

  • 投資信託
  • ヘッジファンド

投資信託

投資家から資金を集め、投資家に代わって資産を運用する商品です。
ヘッジファンドと異なり、運用の裁量は高くありません。事前に定められた方針に従って同じ運用を繰り返します。どのような運用を行うかわかりやすいため、透明性が高く投資家が選びやすい点はメリットです。

ヘッジファンド

上述のとおり、運用一任型の商品です。
一般に投資信託やラップ口座よりも高度で自由な運用を行うため、ほかの商品にないようなリターンを得られる強みがあります。

しかし運用の裁量が大きい分、投資家が事前にその運用を把握することは難しいでしょう。
また1,000万円以上という最低投資額の大きさにも留意が必要です。

ハイリスク

積極的にリスクを取って高いリターンを得たい場合、以下2つの商品を検討してみてはいかがでしょうか。

  • 個別の株式
  • 暗号資産(仮想通貨)

個別の株式

投資信託などを介さず、証券取引所で直接株式を売買する方法です。
株式は個別にみると、その値動きは決して小さくありません。投資信託やヘッジファンドは複数の銘柄に分散投資しているためミドルリスクになりますが、個別の株式は比較的リスクが大きくなるでしょう。リスクが高い分、大きな利回りも期待できます。
また、銘柄を自由に選べる点もメリットといえるでしょう。

暗号資産

インターネット上のデジタルデータです。
技術的に改ざんの可能性がないため、価値を保存できる通貨のような役割が期待されています。なお、2020年5月に施行された資金決済法の改正に伴い、呼称が「仮想通貨→暗号資産」に修正されました。

暗号資産の特徴は大きな値動きです。最も時価総額が大きい「ビットコイン(BTC)」でも1日5~10%の値動きは珍しくありません。大きな利益を狙いたい場合は選択肢となるでしょう。

まとめ

複利は人類最大の発明

  • 「複利」は利益を再投資し元本を大きくし続ける運用方法
  • 複利は本来の利回りより大きな利回りを得られる(複利効果)
  • 複利効果は「長期運用」するほど大きくなる
  • 1,000万円の運用は「分散投資」を行い、「ポートフォリオ」単位で運用を考える

「複利」は得られた利益を再投資することで投資元本を大きくする運転方法です。元本が大きくなるため、利回りが一定なら必ず「単利」よりも利益が大きくなり、また長期運用するほど効果が高くなります。

1,000万円を投資する場合、集中投資を避けて「分散投資」し、「ポートフォリオ」を構築しましょう。リスクが下がる傾向にあります。

安定した運用を行いたいならポートフォリオに占める「銀行預金」や「債券」の比率を高める。
リスクとリターンのバランスを重視したいなら「投資信託」や「ヘッジファンド」
リスクを取った積極的な運用をしたいなら「個別の株式」や「暗号資産(仮想通貨)」の比率を高めましょう。

おすすめの記事