エアーズシー証券のビクトリーアーケイディアファンドは投資するべきか?

エアーズシー証券のヘッジファンドについて知りたいと思っても、私募ファンドであるため情報が少なく困っている方もいるかと思います。エアーズシー証券の代表的なヘッジファンドにはビクトリーアーケイディアファンドがあります。

情報を知りたくてもいきなり無料相談をするのは気が引けるのではないでしょうか。相談をする前に自分に合っている商品かどうか判断ができるなら判断したいところです

この記事ではエアーズシー証券とビクトリーアーケイディアファンドについて詳しく解説していきます。

エアーズシー証券の会社概要

会社名 株式会社GCIアセットマネジメント
代表者 栗原友紀
設立 2002年3月15日
所在地 103-0025 東京都中央区日本橋茅場町3丁目2番10号 鉄鋼会館1階
資本金 1億円
自己資本規制比率 235%
金融商品取引業者登録番号 関東財務局長(金商)第33号
加入協会 日本証券業協会

参考:エアーズシー証券株式会社

エアーズシー証券は創業から20年近い歴史があるヘッジファンドの運用会社で、不動産事業も展開しています。

不動産事業に関しては機関投資家法人に対する営業が多いので、個人投資家が投資を検討するならヘッジファンドになるでしょう。

次は、エアーズシー証券のヘッジファンドに投資をする上で検討の材料になる投資戦略について確認していきます。

エアーズシー証券の投資戦略

エアーズシー証券の投資戦略

欧米の富裕層が資産防衛のために運用しているファンドに投資し、安定した運用成績を目指すことが投資戦略になります。

よって、積極的に資産を増やしたい方よりも、運用でできる限り損をしたくない安定した運用を行いたい方におすすめです。

欧米のプライベートバンクでは、顧客である投資家と信頼関係を構築するために、優れた金融商品を紹介しています。プライベートバンクには、プロが運用している実績を積み上げてきた信頼性の高いファンドを見つけ出し、顧客に紹介する仕組みがあります。

このプライベートバンク商品には日本から投資できませんが、エアーズシー証券のヘッジファンドを通すことで投資が可能です。

運用目的を考えても安定した利益が期待できるため、富裕層がインフレのリスクの軽減も兼ねて運用先を探すのであれば魅力的な商品といえるでしょう。

エアーズシー証券では、ビクトリーアーケイディアファンドの実質的な運用会社であるビクトリーアセットマネジメントリミテッド(ビクトリー社)をはじめとする海外パートナーと提携して、金融庁に届け出をした上で、プライベートバンクが紹介している商品に投資できるヘッジファンドを提供しています。

この後は、上記の投資戦略ではどのような結果が出せているのか具体的な利回りを確認していきましょう。

ビクトリーアーケイディアファンドの利回り

ビクトリーアーケイディアファンドの利回りは公式サイトでは公開されていません。詳しい利回りを知るためには、実際に問い合わせをする必要があります。

下記に詳しい利回りが公開されているサイトがあるので、参考にしながら解説します。

上記のサイトで2019年の利回りを比較すると5.28%と一致します。

直近の利回りは3~5%程度であり、高い時期でも10%を超えるのは2009年の20.34%のみです。ヘッジファンドの利回りとしては控えめといえます。

ビクトリーアーケイディアファンドの強みは2008年11月の運用開始から年間成績で損失を一切出していないことです。今後損失が発生しない保証はありませんが、10年以上安定した運用を続けていることは、安全な投資先を探す上で参考材料になることでしょう。

利回りを見て、投資を前向きに検討したい方に次は、ビクトリーアーケイディアファンドの投資方法・注意点について解説します。

ビクトリーアーケイディアファンドの投資方法

ビクトリーアーケイディアファンドの投資方法

エアーズシー証券の募集サイトによると、ビクトリーアーケイディアファンドに投資するためには、メールまたは、フリーコールで直接問い合わせる必要があります。

ただし、投資金額に制限があり米ドル建てに投資をするなら10万ドル以上、円建ての場合は1,000万円以上の投資額が必要です。

こちらのヘッジファンドは流動性が低く、人数に制限がある私募となっています。具体的には半年に49件を超える勧誘ができないので、上限に達している場合は投資できません。また、上限に関わらずファンドの都合で一時的に募集を止める可能性もあります。

ビクトリーアーケイディアファンドは、1,000万円以上の投資額が用意できる富裕層の方にしか投資できず、タイミングによっては必ず投資できない点に気をつけましょう。

売却時と税金については要注意

ビクトリーアーケイディアファンドの解約は、月1回、月末の純資産価格に応じて解約を受け付けています。ただし、エアーズシー証券の他のファンドに関しては解約のシステムが異なる可能性もあります。

解約時に利益が発生した場合は、20.315%(所得税15%+住民税5%+復興所得税0.315%)分離課税が発生します。源泉徴収されないので確定申告が必要です。

ただし、税金の区分が非上場株式の譲渡所得となるため、上場株式や投資信託の損失と損益通算ができない点に注意してください。

ヘッジファンドの税金は判断が難しい部分もあるので、税金の知識がない方は念のために税理士や、申告先の税務署に相談することをおすすめします。

投資方法についてみてきましたが、投資はプラスの側面だけを見て行うと後悔することもあります。

そこで最後の章では、ビクトリーアーケイディアファンドに投資をする上でマイナスの側面、懸念点について解説していきます。

ビクトリーアーケイディアファンド検討の懸念点

ビクトリーアーケイディアファンド検討の懸念点

ビクトリーアーケイディアファンド検討の懸念点は2つあります。

  • 口コミや評判がまったくない
  • ヘッジファンドの利回りとしては控えめ

口コミや評判がまったくない

ビクトリーアーケイディアファンドにはインターネット上から集められる口コミや評判がまったくありません。そのため、運用実態のない投資詐欺や、ポンジスキームではないかと考える方もいるかもしれません。

エアーズシー証券は金融庁から金融商品取引業者として認定を受けており、証券業協会にも加入しています。また、運用するファンドにはInternational Securities Identification Number(国際認証識別番号)がついています。

米ドル建てのビクトリーアーケイディアファンドの国際認証識別番号はKYG9360A1058です。インターネットに口コミがない理由としてはターゲットが安定した運用を求める富裕層であるため、資産を増やしたいと考えている一般の投資家が興味を持ちにくいことが考えられます。

口コミや評判がまったくない点は投資をする上で不安になるかもしれません。しかし、18年以上の運用実績もあることから、エアーズシー証券の商品が投資詐欺である可能性は極めて低いといえるでしょう。

ヘッジファンドの利回りとしては控えめ

利回りの項目で実際の利回りに触れましたが、ヘッジファンドを運用して資産を増やすなら年間10%以上の利回りが欲しいところです。

3~5%程度の利回りであれば投資信託の運用でも得ることが可能です。ヘッジファンドよりも手数料が安く、好きなときに換金可能で、NISAiDeCoなどの非課税制度が利用できる公募投信も存在するので、利回りが低いヘッジファンドは投信と比較した際に魅力が半減してしまいます。

しかし、指数に連動する投信であれば年間で考えると損益がマイナスになる可能性が十分にあります。ビクトリーアーケイディアファンドが投信よりも優れているところは年間の運用益がマイナスにならない運用を続けているので安定性が高い点です。

資産を積極的に増やすなら他のヘッジファンドを検討したほうがよいです。しかし、どのような場面でも下落するリスクを避ける運用で安定を目指したい方にはおすすめになります。

安定した利回りのピックアップファンドはこちらにまとめています。

まとめ

エアーズシー証券のビクトリーアーケイディアファンドについて紹介しましたが、ポイントは下記の通りです。

  • エアーズシー証券は欧米のプライベートバンクによる安定した運用を望む日本の富裕層をターゲットとしている
  • ビクトリーアーケイディアファンドの直近の利回りは3~5%程度
  • 流動性が低く投資したくてもできない場合がある
  • 積極的に資産を増やすなら他のヘッジファンドも検討する

投資額は1,000万円以上となっていますが、実際には「1億円以上の資産をインフレも含めて元本を減らさずに運用をしたい」といった富裕層のニーズに応える商品であるといえます。

1,000万円ほどの資産を積極的に増やして1億にしたい」といった目的があるなら、別のヘッジファンドを検討しましょう。

おすすめの記事