2,000万円を低リスクで安全に運用する5つのポイントと3つの運用方法

貯金だけでは将来が不安なので手元にある2,000万円を安心して運用したいけどどうすればいいのかわからない、お金は増やしたいけど損はしたくないと考える人は多いかと思います。

また、老後の資金の最低限必要な数字として「2,000万円」という言葉を聞いたことがある人は多いと思いますが、この2,000万円はあくまで最低限必要な数字であり、貯金をしていてもインフレで目減りしていく可能性もあるので運用をして増やしていきたいところです。

このような方のためにこの記事では2,000万円をできる限り低リスクで運用するためのポイントについて解説!

具体的な運用方法や、運用のシミュレーションも紹介するので、2,000万円を安全に運用するための参考にしてくださいね。

2,000万円を低リスクで安全に運用するには?

2,000万円を低リスクで安全に運用するには?

それでは、2,000万円を低リスクで運用するための5つのポイントを解説します。投資は短期間で元手を2倍や、10倍にする方法もありますが、このような投資方法は皆さんがよく知るようにリスクが非常に高い運用方法です。

しかし、そのようなリスクの高い投資の印象が先行し、投資全体がリスクの高いものであるという勘違いをしている人は多くいます。

資産を毎年平均で5%程度増やすという目的であれば、低リスクで運用することは可能です。低リスクである運用方法を選ぶために以下のポイントを理解していきましょう。

  1. 元本保証に近いリスクで運用する
  2. 信頼できる投資先で資金を運用する
  3. 利回りが極端な投資先に投資しない
  4. 長期運用を前提にする
  5. 売買して利益を得る投資をできる限り避ける

元本保証に近いリスクで運用する

手持の資金を運用するのであれば、とにかく今の元本から1円も減らしたくないという気持ちがあるかと思います。そのような投資を理想とするのであれば「元本保証」という言葉は夢のような言葉です。

どのような結果になったとしても必ず元本が保証されるのであれば投資をしたいと考える人が多いかと思いますが、残念ながら元本保証の投資は存在しません。

なぜなら、投資先が破綻した場合は元本を保証することができないからです。

もし、元本保証の投資があると誘いをかけてくる人がいたとしても資産運用のことをある程度知っている人であればその言葉を使うことのリスクを分かっているはずなので金融詐欺の可能性もあります。

投資先の破綻リスクを考えれば100%元本を保証した運用は難しいですが、元本を確保する形で運用することはできます。元本確保型の投資であれば、投資先の破綻で元本が確保できない事態をのぞいて、運用結果がどのような状態でも元本が返還されます。

元本保証と元本確保という言葉はまったく異なりますので、低リスクを考えるなら元本確保型の投資などの元本保証に近い運用方法を目指しましょう。

信頼できる投資先で資金を運用する

リスクの高い低いに関わらず投資先が破綻した場合や、詐欺商品に投資してしまえば運用している資産の大半を失ってしまいます。先ほども説明した通り「元本保証」という言葉を使用して運用を誘う人がいた場合は注意が必要です。

投資先の信頼性を見極める簡易的な方法としては、投資先の企業名をインターネットでよく調べることです。例えば検索した結果、多くの人が知る大企業であった場合はある程度信頼性が高いといえますし、一方で検索してもほとんど情報が出ない場合は信頼性がやや低いといえるかもしれません。

しかし、インターネットの情報だけで信頼度を図ることは非常に難しく、有名な企業であっても不祥事のニュースを目する機会があります。また、インターネット上の悪質ユーザーによるデマなども混在しているため、あくまでも、インターネットの情報は、一つの情報に過ぎないということを理解したうえで、実際の投資に際しては直接担当者と話をして判断するようにしましょう。

運用に関する信頼性を見極めるために必要なことはこれまでの運用実績を確認してみるのがよいでしょう。毎年利益を出し続けている商品や、損失をほとんど出していない実績は投資の判断材料になります。

投資先の信頼性と、これまでの実績による信頼性を考えながら、少なくとも金融詐欺の被害には絶対に遭わないように投資先を選択しましょう。

利回りが極端な投資先に投資しない

利回りが50%以上など極端に高い利回りを魅力としている商品はリスクが高いです。利回りが50%以上あるということは、一時的であっても50%以上の損失が発生するリスクがあることがほとんどです。

一方で1%未満の低い利回りで運用をしても結果が出ない場合や、インフレに対応できない可能性があります。日本では年間の最高のインフレ率が2%に設定されているので、1%以下の利回りではインフレに利益が負けることがあります。

目安としては3%~10%程度の利回りを目安とするといいでしょう。仮に年間で2%のインフレが起こったとしても3%以上であれば1%は利益が出る計算になります。

裏を返せば貯金だけをしている人は、毎年インフレが起こればインフレになった分だけ資産が目減りしていることになるので、資金を運用することがいかに重要であるかが分かると思います。

利回りは極端に高いものにも極端に低いものに投資をしてもリスクがあるということを覚えておきましょう。

長期運用を前提にする

短期の運用で利益を得る投資は基本的にリスクが高いです。リスクを避けるのであれば長期で運用するべきでしょう。

皆さんがリスクの高い投資をイメージしたときFXや株式を思い浮かべる方も多いかと思いますが、これらの投資で大損する人や借金をする人は短期で大きな利益を狙って投資をした人です。

短期の投資はうまく運用できれば資産を10倍、100倍にする人もいますが、ギャンブルと変わりませんので、資産を100倍にしたという人がいたとしても宝くじや競馬で当たりを引くような話であると考えておきましょう。

一方で、長期運用であれば資産が1年で倍になることは考えられませんが、利回りを確実に増やしていくことが可能です。投資はやり方を間違えなければギャンブルではありません。2,000万円を運用するなら長期運用を前提としましょう。

売買して利益を得る投資をできる限り避ける

株やFXのように売買して利益を得る投資を避け、分配金や利息収入による定期的な利益を得られる投資や、償還期限のある投資を選択する方が安全です。

なぜなら、投資初心者にとって一番難しい売却のタイミングを気にする必要がないからです。「もう少し上がるかもしれないと思って保有し続けたら下落をした」「下がるのが怖くて売却したら上昇した」ということは経験を積んだ投資家でもよくある話です。

もちろん、売買によって利益を得る投資が必ずしもリスクが高いというわけではありません。分配金や利息収入を利益とする投資の方が売買タイミングを気にする必要がないため投資初心者向けの商品であるといえます。

最後の項目は必ずしも重視するものではありませんが、分配金や利息収入を得る投資の方が低リスクの投資が多い傾向にあるので覚えておきましょう。

2,000万円の運用方法

2,000万円の運用方法

ここまで2,000万円を低リスクで安全に運用するためのポイントについて解説しましたが、具体的にどの商品に投資をすれば分からないという方のために2,000万円の具体的な運用方法をご紹介!

ここまで紹介した5つのポイントを踏まえて3つの運用方法を提案します。あくまで低リスクである運用方法の一例ですが参考にしてみてください。

  1. 元本確保型の投資信託に投資する
  2. 実績のあるヘッジファンドに投資する
  3. 様々な保険をかけて不動産運用をする

元本確保型の投資信託に投資する

投資信託はファンドマネージャーと呼ばれる投資の専門家にお金を預けて運用してもらい、運用した利益を投資した投資家に分配する投資方法です。

自分で運用をする必要がないので、投資をしたことがない人が2,000万円を運用するのであればおすすめの投資先といえます。

元本保証に近いリスクで運用をしたい人には元本確保型の投資信託がおすすめです。元本確保型の投資信託は償還期限が決められており、償還期限まで保有していれば元本が返還される仕組みです。

つまり、長期保有を前提として投資すれば本来であれば元本を返還する義務がない投資信託で元本を確保した状態で運用することが可能になります。

代表的な元本確保の投資信託にはアセットマネジメントOneの「ゴールドマン・サックス社債」があり、元本が確保されているので10年後の満期償還時に元本が返ってきます。

ゴールドマン・サックスはアメリカ合衆国の有名な金融企業であるため信頼性が非常に高いです。

返済の必要があるお金を投資家から集め自由に運用をして、利益が出たのであれば投資家に分配し、仮に損失が発生したのであれば10年間の金利と割り切って損失分を補填して投資家に返済すればいいので、ゴールドマン・サックスから見てもメリットのある商品です。

一方で、投資家からすれば利益が出ていれば利益を享受することが可能で、投資先の企業が倒産することがなければ損失が発生しても元本が返還されるので、「お金を増やしたいけど一銭も損はしたくない」という要望を叶えた商品であるといえます。

2,000万円を手堅く運用をしたいのであれば元本確保型の投資信託を検討してみましょう。

実績のあるヘッジファンドに投資する

次に2,000万円という資産があるのですから、投資するために必要な金額は高いですが魅力的な商品であるヘッジファンドへの投資を検討してみましょう。

ヘッジファンドは基本的には投資信託と同じようにファンドマネージャーが資産を預かり、代理で運用してくれる商品ですが、投資信託よりも運用方法の幅が広いので、相場が下落していてもリスクを回避する動きをし、投資信託よりも高い利回りを狙う運用方法を取ります。

そのため、投資信託よりも利回りが高いことが多いので富裕層の投資家に非常に人気の商品となっています。ヘッジファンドは投資先が海外であることも多いですが、国内で投資家を募集しているヘッジファンドも10銘柄程度ですが存在しています。

海外ヘッジファンドへの投資は投資助言会社を利用して投資するのが現実的ですが、国内ヘッジファンドであれば投資助言会社を通さず、直接ヘッジファンドの会社に投資することが可能です。

国内ヘッジファンドには10年以上の運用実績のあるヘッジファンドや、運用成績が運用開始から一度もマイナスになったことがないヘッジファンドなど優秀なものもあります。

投資金額は1,000万円を超えますが、2,000万円を運用するのであれば1つのヘッジファンドに2,000万円を運用することもできれば、2つのヘッジファンドで1,000万円ずつ運用することも可能です。選んだヘッジファンドによっては多少のリスクはありますが、10%近くの利回りを無理なく求めたいのであればヘッジファンドがおすすめです。

様々な保険をかけて不動産運用をする

不動産投資は不動産を購入して、家賃収入を得ることで、毎月定期的な利益を得られる資産の運用方法です。2,000万円あれば魅力的な不動産を購入することも可能であり、毎月一定の収入が入る運用方法なので安定して利益を得ることができます。

ローンを組んでよりよい不動産を購入してもローンを返し終えれば不労所得になりますし、不動産を保有しているだけでまとまった所得が毎月入ってくるので理想的な2,000万円の運用方法であるといえます。

ただし、この不動産は場合によっては火災や災害によって失ってしまう危険性もあるので、安全に運用をするためには保険の加入が必須になります。

火災などの被害から損失を守るためには火災保険をかけ、地震の被害から損失を守るために地震保険をかけます。保険をかけると毎月の保険料がかさむため不動産投資の利回りは減少しますが、不動産を失ったときのリスクが大きすぎるので保険をかけて後悔するよりも保険をかけないで後悔する可能性の方が圧倒的に高いといえるでしょう。

また、不動産投資は住む人がいなくなり家賃収入を得られなくなるリスクもあります。家賃収入を得られなくなるのを防ぐためにサブリース契約にすれば不動産管理会社が住人も含めて物件の管理をおこなってくれます。

このようにリスク管理を徹底すれば比較的安全に運用可能です。一定の利益が毎月得られる投資に興味がある人は不動産投資がおすすめです。

2,000万円を一定の利回りで運用したときの利益

2,000万円を一定の利回りで運用したときの利益

2,000万円を年間〇%の利回りで増やすといってもどれくらい増えるのか実感が湧かない」という人のために具体的な数字についてシミュレーションしていきます。

投資は複利運用をすればするほど利益が増大していくので、年間3%の利回りでも10年間運用をすると思ったよりも資産が増えることに驚くかもしれません。

最後に2,000万円を3%、5%、10%の一定の利回りで複利運用できたと仮定したときの10年間の利益のシミュレーションを紹介していきます。

2,000万円を3%の利回りで運用

3%の利回りを見込んで運用をする場合は手堅く安全に運用することができる投資先に投資することで実現します。先ほど紹介した元本確保型の投資信託や、債券を対象にした投資信託に投資をすると年間3%の利回りという数字は狙いやすいかと思います。

年数元金増加金額運用結果
1年2000万0,000円60万0,000円2060万0,000円
2年2060万0,000円61万8,000円2121万8,000円
3年2121万8,000円63万6,540円2185万4,540円
4年2185万4,540円65万5,636円2251万0,176円
5年2251万0,176円67万5,305円2318万5,481円
6年2318万5,481円69万5,564円2388万1,045円
7年2388万1,045円71万6,431円2459万7,476円
8年2459万7,476円73万7,924円2533万5,400円
9年2533万5,400円76万0,062円2609万5,462円
10年2609万5,462円78万2,863円2687万8,325円
10年間の利益の合計687万8,325円

2,000万円を10年間3%の利回りで運用できた場合の10年間の利益の合計は700万円近くとなりました。単利での運用であれば「60万×10=600万円」となりますが複利運用をすると10年間で100万円近くの利益の差が生まれることが分かるかと思います。

年間3%の利回りであれば、手堅く低リスクの運用方法で狙える利回りなので、このシミュレーションの結果を参考にしてみましょう。

2,000万円を5%の利回りで運用

5%の利回りの運用は基本的には安全な運用ができる現実的な数字です。株式を対象とした投資信託に投資することである程度のリスクを許容できれば実現可能です。

年数元金増加金額運用結果
1年2000万0,000円100万0,000円2100万0,000円
2年2100万0,000円105万0,000円2205万0,000円
3年2205万0,000円110万2,500円2315万2,500円
4年2315万2,500円115万7,625円2431万0,125円
5年2431万0,125円121万5,506円2552万5,631円
6年2552万5,631円127万6,281円2680万1,912円
7年2680万1,912円134万0,095円2814万2,007円
8年2814万2,007円140万7,100円2954万9,107円
9年2954万9,107円147万7,455円3102万6,562円
10年3102万6,562円155万1,328円3257万7,890円
10年間の利益の合計1257万7,890円

2,000万円を10年間5%の利回りで運用できた場合の10年間の利益の合計は1200万円となりました。単利での運用であれば「100万×10=1,000万円」となりますが複利運用をすると10年間で200万円以上の差が生まれます。

3%のシミュレーション結果と比較すると利回りが大きければ大きいほど、複利と単利での利益に大きく差がついているのが分かるかと思います。

年間5%の利回りは、リスクとリターンのバランスがよく無理なく狙える利回りなので、シミュレーションを参考に5%の利回りを目安に運用検討してみてもよいでしょう。

2,000万円を10%の利回りで運用

10%以上の利回りはヘッジファンドのような商品に多く、リスクもありますが実績のあるヘッジファンドに投資をすれば比較的安全に運用できます。けっして無理がある数字ではなくヘッジファンドには毎年10%以上の利益を上げている銘柄もあるのでシミュレーションで見ていきましょう。

年数元金増加金額運用結果
1年2000万0,000円200万0,000円2200万0,000円
2年2200万0,000円220万0,000円2420万0,000円
3年2420万0,000円242万2,500円2662万2,500円
4年2662万2,500円266万2,000円2928万2,000円
5年2928万2,000円292万8,200円3221万0,200円
6年3221万0,200円322万1,020円3543万1,220円
7年3543万1,220円354万3,122円3897万4,342円
8年3897万4,342円389万7,434円4287万1,776円
9年4287万1,776円428万7,177円4715万8,953円
10年4715万8,953円471万5,895円5187万4,848円
10年間の利益の合計3187万4,848円

2,000万円を10年間10%の利回りで運用できた場合の10年間の利益の合計は3,200万円近くになりました。単利での運用であれば「200万×10=2,000万円」となり、10年間でちょうど元金が2倍になる計算ですが、複利運用であれば8年目の時点で元金が2倍になります。

この運用結果を見れば、利回りが高くリスクをできる限り回避して運用するヘッジファンドが富裕層の間で人気の商品となるのか分かるかと思います。年間で資産を2倍にすることは不可能ですが10年近く運用すれば複利で資産が2倍になるからです。

この3つのシミュレーションから運用方法は必ず単利ではなく複利で運用し、得られた利益をそのまま次の年にも運用した方が高い利益を生むことが分かるかと思います。許容できるリスクを考えて、3%で手堅く運用するか、5%でバランスを取るか、10%で積極的に利益を得るか考えてから運用方法を選びましょう。

まとめ

2,000万円を低リスクで安全に運用したい人のために運用のポイント、運用方法、利回りのシミュレーションについてまとめました。将来に不安を持ち手元の2,000万円を運用したいと考えている方が具体的なビジョンを持つ手助けとなれば幸いです。

低リスクで信頼できる投資先に長期運用を前提に運用することが、2,000万円を安全に運用するための方法になります。今回紹介した「元本確保型投資信託」「ヘッジファンド」「不動産投資」も含めてどのように運用すべきか考えてみてくださいね。

シミュレーションの結果も載せましたので、実際に運用する前に過去の運用実績から利回りを計算し、3%、5%、10%の利回りのどれに近いかを確認してから投資をしてみるのもいいと思います。

リスクのある投資に手を出してしまうことで手元の資産を無駄にすることなく、安全な運用方法で資産を増やしていきましょう!

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