アズカルアセットマネージメントは国内ヘッジファンドです。金商法上に登録があるため詐欺の可能性はほとんどない、正規の投資会社と判断できるでしょう。
多くのヘッジファンドに共通しますが、アズカルアセットマネージメントもあまり情報を開示していません。本記事ではアズカルアセットマネージメントの概要や運用戦略について分かりやすくご紹介します。
アズカルアセットマネージメントの概要
アズカルアセットマネージメントの概要は以下の通りです。
会社名 | アズカルアセットマネージメント株式会社 |
---|---|
設立 | 平成17年9月26日 |
資本金 | 9,000万円 |
登録 | 金融商品取引業者 投資助言/投資運用業/第二種金融商品取引業 登録番号:関東財務局長(金商)第1005号 |
住所 | 〒105-0004 東京都港区新橋四丁目1-1 新虎通りCORE3F |
役職員 | 15名 (令和2年9月末時点) |
主要な取引先 | 上場企業オーナー、学校法人、公益法人など |
運用哲学:「同じ船に乗る、仲間として」
アズカルアセットマネージメントは、自社が提供する商品に役職員も投資を行い、また成功報酬をベースとしています。これらは、アズカルアセットマネージメントが良好な運用成績を残すインセンティブとして働くと考えられます。
同社の運用哲学「同じ船に乗る、仲間として」はこれを表しています。出資者と利害を一致させ、まるで同じ航海へ出るように運用成果を共有したいという想いが込められています。
金商法登録の国内ヘッジファンド
アズカルアセットマネージメントは「投資助言業」および「投資運用業」、また「第二種金融商品取引業」として金商法上に登録しています。これらは厳しい要件をクリアしないと登録できないため、アズカルアセットマネージメントは信頼のおけるヘッジファンドといえます。
なお、すべてのヘッジファンドが金商法上の登録を行うわけではありません。したがって金商法に登録がないことを理由に違法な業者と断じることはできないので注意しましょう。
ヘッジファンドとは
ヘッジファンドは資産運用を行う会社です。主に富裕層や機関投資家向けにサービスを提供しています。欧米で主流の運用形態で、世界的には「ブリッジウォーター・アソシエイツ」などが有名です。
ヘッジファンドを一概に語ることは難しいですが、一般的に「絶対収益の追求」を行う点に特徴があります。相場の影響を受けない運用手法のことで、さまざまな運用戦略を用い安定的な運用成績を実現しようとします。
また、多くのヘッジファンドが「私募型」で少数の出資者を募集しており、広く流通していない点にも特徴があります。
法人などの機関投資家向けヘッジファンド
アズカルアセットマネージメントの主要顧客は法人です。前身の「フィノウェイブ・インベストメンツ」から企業年金基金などの資産を運用してきました。
HP掲載の主要顧客に「上場企業オーナー」とあるので、相当の資産があれば個人の資産も受け入れているようです。
アズカルアセットマネージメントのファンドマネージャー
アズカルアセットマネージメントのファンドマネージャーは「稲葉真行」氏で、同社の代表取締役も務めています。
稲葉氏は「スイス野村バンク」でアジア株式および債券運用に従事した後、「野村アセットマネジメント」やスイスの老舗プライベートバンク「ロンバー・オーディエ」で運用業務に従事し、2016年4月にアズカルアセットマネージメントへ入社しました。
30年以上資産運用業務に携わっており、経歴は申し分ないといえるでしょう。
参考:アズカルアセットマネージメント 新ファンドマネージャー就任のお知らせ
アズカルアセットマネージメントの投資戦略
アズカルアセットマネージメントの投資戦略を確認しましょう。
損失の限定&高リターンを目指す
アズカルアセットマネージメントの投資戦略は「ダウンサイド限定の非対称性投資」です。つまり、損失が限定的でかつ高い利益が見込める投資を行います。
通常リスクとリターンは比例関係にあるため、単純な投資では「ダウンサイド限定の非対称性投資」を実現できません。アズカルアセットマネージメントは徹底したリサーチを行い、本来の価値よりも価格が下落したものを見つけることで実現を目指します。
主な投資対象
アズカルアセットマネージメントは主に以下のようなものに投資を行います。
日本株
日本株はアズカルアセットマネージメントの主要投資対象と思われます。前身の「フィノウェイブ・インベストメンツ」では「株式ロングショート戦略」を用い、約250億円を運用していたようです。
現在では日本株についてHPに記載されていないため、どのような運用を行っているか不明です。ファンドマネージャーも変わっていることから別の戦略が取られている可能性もあります。
参考:ブルームバーグ フィノウェイブ「運用業」登録で年金資金獲得へ-当面1000億円目標
アメリカ債券戦略
ローン債権を担保にした証券化債券への投資です。担保の健全性と比較し、価格が安すぎるときの投資を基本戦略としています。2008年サブプライムショック時には+22%、翌2009年には+60%と高いリターンを得たようです。
インド
アズカルアセットマネージメントはインドのDMI社と協力し、インパクト投資を行っています。社会的な問題を解決できる事業へ投資し、投資リターンと社会貢献を同時に目指す手法です。
ベンチャー
高精度GPSやパワーエレクトロニクスなど、デジタル技術によって価値を生み出すベンチャー企業への投資を行っています。また米国ベンチャーにも投資を行っているようです。
アズカルアセットマネージメントはどんな人におすすめ?
アズカルアセットマネージメントには、相当の資産家でないと出資できないでしょう。同社の主要顧客が法人であることから、出資額は最低でも数億円程度になると思われます。
したがってアズカルアセットマネージメントは、数億円は余裕をもって預けられる資産家に推奨されるヘッジファンドといえます。
アズカルアセットマネージメントの懸念点
アズカルアセットマネージメントの懸念点は開示情報の少なさです。運用実績などの情報はもちろん、問い合わせの案内やフォームもありません。
ヘッジファンドが情報開示に消極的なのは珍しくありませんが、アズカルアセットマネージメントは特に少ないです。これは個人からの出資をあまり想定しておらず、情報開示を行う理由に乏しいためだと考えられます。
運用実績などを知りたい場合、同社へ直接コンタクトを取らないといけないでしょう。
まとめ
本記事の内容を以下にまとめます。
- 金商法登録ありの国内ヘッジファンド
- 運用哲学は「同じ船に乗る」
- ダウンサイド限定&高リターンを目指す投資戦略
- 投資対象は日本株、アメリカ債券、インド、ベンチャー
- 個人出資のハードルは高い
アズカルアセットマネージメントは国内のヘッジファンドで、金商法上の登録を行う正規の運用会社です。損失が限定的でかつ高いリターンを目指す運用戦略を取っており、主に日本株やアメリカ債券へ投資を行います。
主要顧客が法人のため、個人からの出資はあまり想定していないようです。ただし上場企業オーナーからの出資は受け入れているようなので、相当の資産があれば個人からの出資も受け付けるかもしれません。
今回ご紹介したファンドは法人向けになりますが、個人向けのヘッジファンドは国内にも少数ですが存在します。
以下記事ではランキングにしていますので、興味のある方はご覧ください。