「フロンティアキャピタル」は国内ヘッジファンドの1つで、イラン株式への投資が特徴です。
イランは今後の成長が期待されており、近年イラン株式は良好なパフォーマンスを残しています。しかし、イラン株式へ投資する方法はほとんど用意されていません。フロンティアキャピタルは、日本からイラン株式へ投資する貴重な投資機会を提供しています。
イラン株式への投資に興味がある方のために、フロンティアキャピタルの投資戦略をまとめます。
フロンティアキャピタルの概要
会社名 | フロンティアキャピタル合同会社 |
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所在地 | 東京都港区浜松町2-2-15-2F |
運用対象 | 新興国株式 (主にイラン株式) |
最低投資額 | 1,000万円 (相談可) |
まずはフロンティアキャピタルの概要について、簡単にまとめましょう。
フロンティアキャピタルは主にイランへ投資するヘッジファンド
フロンティアキャピタルは新興国の株式に投資するヘッジファンドです。新興国の中でも、特にイランの株式が主な投資先です。
ヘッジファンドとは
ヘッジファンドは「絶対収益」を追求する点に特徴があります。ヘッジファンドが目指す「絶対収益」とは、証券市場の値動きの影響を受けない、安定的・継続的な収益のことです。逆に、証券市場の値動きの影響を受ける収益のことを「相対収益」といい、通常の投資信託は相対収益を追及します。
追求する収益 | 概要 | |
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ヘッジファンド | 絶対収益 | 市場の影響を受けず、安定的な投資利益 |
通常の投資信託 | 相対収益 | 市場の値動きによって変動する投資利益 |
ヘッジファンドは絶対収益を追求するため、さまざまな投資戦略をとります。フロンティアキャピタルの場合、今後の成長が期待でき、かつ株式市場が割安となっている新興国を投資対象にすることで高い収益を獲得しようとしています。
フロンティアキャピタルの投資戦略については、次章で詳しくお伝えします。
フロンティアキャピタルの特徴
フロンティアキャピタルの特徴について、もう少し詳しくみてみましょう。
新興国の中でも「フロンティア市場」に投資するヘッジファンド
フロンティアキャピタルは新興国の株式を主な投資対象としますが、新興国の中でも特に株式市場が未発達な「フロンティア市場」を投資対象としています。それぞれの投資地域の例を以下にまとめました。
投資地域 | 主な国 |
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先進国 | アメリカ、日本、イギリスなど |
新興国 | 中国、台湾、韓国など |
フロンティア市場 | クウェート、ベトナム、モロッコなど |
※国の例はMSCIの各指数に採用されている上位3カ国 先進国:MSCI World(外部リンク) 新興国:MSCI Emarging Markets Index(外部リンク) フロンティア市場:MSCI Frontier Maerkets Index(外部リンク) |
最も投資しやすい地域は先進国です。経済規模や株式市場が充分発達しており、容易に投資できるでしょう。先進国には劣りますが、新興国とされる国々も株式市場が整備され、比較的容易に投資できます。
フロンティア市場は、新興国の中でも株式市場が未発達の地域で、投資の世界では新興国と分けて考えられています。投資しにくい反面、経済成長の初期段階にあると考えられ、今後の成長期待が高い地域です。
先進国と新興国 経済成長率と株式市場規模の比較
新興国やフロンティア市場は、経済が成熟した先進国よりも高い成長が期待されています。フロンティアキャピタルが「IMF Database」から各地域の成長率をグラフにしていますので、参考に見てみましょう。
先進国の経済成長率は世界全体よりも低い水準で、新興国の経済成長率が最も高くなっています。世界の経済成長を担っているのは新興国であることがわかります。
新興国は高い成長率が期待される一方、株式市場はまだ充分発達していません。株式市場の時価総額を、先進国と新興国で比較してみましょう。
先進国の株式時価総額は、新興国の約2.5倍もあります。新興国の高い経済成長が、まだ株式市場には充分反映されていない可能性が考えられます。
一般に、経済成長が大きい国の株式市場は上昇しやすい傾向があります。参考に、日本が高い経済成長を果たした時の日経平均を見てみましょう。
日本は1990年まで、高い経済成長を果たしました。1970年では3,000円台だった日経平均も、1990年では39,000円目前まで上昇し、わずか20年で13倍値上がりしました。
現時点において、新興国の経済成長率は先進国より高いにも関わらず、株式市場が先進国の方が高く評価されています。今後新興国の株式が高い経済成長を反映すれば、かつての日本のように、大きく上昇する可能性もあるでしょう。
フロンティアキャピタルの投資戦略
新興国といっても、たくさんの候補があります。フロンティアキャピタルはどうやって投資対象を決めているのでしょうか。同ファンドの投資戦略を確認しましょう。
投資対象の厳しい選別基準
フロンティアキャピタルは、以下5つの厳しい基準で投資対象を判断します。
フロンティアキャピタル 投資対象国の5つの選定基準
- 高い経済成長率を維持・継続が見込まれるか
- 安定した成長構造となっているか
- 特定の国に依存していないか
- 特定の産業に経済を依存していないか
- 割安な株式市場
フロンティアキャピタルは、上記の選定基準についてHPで言及しています。
「選定基準④までは経済成長と安定性にフォーカスした選定基準でしたが、最後に重要となる株式市場の割安さに言及します。今後飛躍的な経済成長が確実視されていても市場で既に織り込まれていた場合、株式市場の上昇度合いは低くなってしまいます。(フロンティアキャピタルHPより引用)」
つまり、今後高い成長が期待でき、しかも株価が割安な国に投資するため、フロンティアキャピタルは5つの厳しい基準で投資対象国を選別しているのです。
現地に足を運び情報を収集
フロンティアキャピタルは現地へ直接足を運び、市場を分析しています。新興国、特にフロンティア市場の正確な情報を、日本にいながら手に入れるのは困難です。現地へ直接足を運ぶということも、フロンティアキャピタルの重要な投資戦略の1つになっています。
特にイランが主戦場 今後10年で5~10倍を目指す
上述の選定基準を満たす国として、フロンティアキャピタルはイランを有力視しているようです。その理由の1つに、イランの現在の人口ピラミッドが、高い経済成長を果たした1980年の日本の人口ピラミッドに似ている点を挙げています。
1980年の日本の人口ピラミッドは、生産年齢である若い世代が多い構成となっています。現在のイランも若い世代が多い人口ピラミッドになっており、1980年代の日本同様、高い経済成長が期待されます。
次章でイランの株式市場について、詳しく確認してみましょう。
イラン株って大丈夫? 2020年は400%超の上昇に
フロンティアキャピタルが主な投資対象にしているイラン株式について、直近の値動きを確認してみましょう。
経済制裁の解除以降、株価は堅調に推移
イランは2015年、核開発疑惑に伴う経済制裁が解除されました。イラン経済は回復に向かい、2016年は2ケタ以上の実質経済成長率を記録しました。イラン株式も順調に上昇しています。
参考:国際通貨研究所 米国経済制裁のイラン経済への影響(外部リンク)
2017年 | +21.98% |
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2018年 | +65.94% |
2019年 | +133.72% |
2020年 | +405.11% |
(参照指数) TEDPIX(テヘラン証券取引所Overall Index) ※2020年は1月~7月末まで |
2017年と2018年も順調に上昇しましたが、特に近年の値上がりが大きく、2019年は2.3倍以上、2020年は約7ヶ月で5倍以上に値上がりしています。
この数値が直接フロンティアキャピタルのリターンを表すわけではありませんが、運用成績にはプラスに働いているでしょう。
イラン株に投資できるのはフロンティアキャピタルのみ
イランへの投資は容易ではありません。国内にイラン株式を取り扱う証券会社はありませんし、イラン株式で運用する投資信託もありません。
イランは2020年8月現在でも、米国からは単独で経済制裁が課されており、制裁対象はイラン企業と取引する外国企業も含まれています。外務省もイランへの渡航を制限しており、イランへの投資環境は整いにくい状況にあるといえるでしょう。
こういった事情があり、日本からイラン株式への投資は選択肢がほとんどありません。フロンティアキャピタルは、イラン株式へ投資できる唯一の選択肢といえるでしょう。
フロンティアキャピタルに投資する場合のリスクは?
フロンティアキャピタルへの投資は元本保証ではなく、損失が出る可能性もあります。フロンティアキャピタルへの投資はどんなリスクがあるでしょうか。
株価変動リスク
株価は変動しますので、イラン株式が値下がりすれば損失の原因となります。
為替リスク
イランの通貨「イラン・リヤル」が日本円に対して値下がりすると損失の原因となります。
カントリーリスク(地政学リスク)
イランの国際関係は良好とはいえません。紛争など、地政学的な危機が発生すると株価や為替に大きな影響を与える可能性があります。
フロンティアキャピタルに投資したい場合は?
フロンティアキャピタルへ投資したい場合、どうすればよいでしょうか。
フロンティアキャピタル役職員と面談し、出資
フロンティアキャピタルは私募型のヘッジファンドです。広告などで不特定多数の方から広く投資家を募集することが難しいため、投資したい場合、同社のHPから問い合わせる必要があります。
フロンティアキャピタルへの投資したい場合、こちらから問い合わせ、同社の担当者と面談しましょう。
投資および解約の時期は四半期ごとの決算期
フロンティアキャピタルへの投資や解約は四半期ごとに行われます。通常の投資信託と違い、いつでも投資や解約ができるわけではない点に注意しましょう。
イラン株へ投資したいならフロンティアキャピタル
日本からイラン株式への投資は非常に困難で、今後の成長が期待されているにも関わらず投資方法がほとんどないという問題があります。フロンティアキャピタルは、実質的にイラン株へ投資できる唯一の方法です。
もちろん、今後マーケットが開かれる可能性もありますが、人より先んじてイランへ投資したい場合、フロンティアキャピタルを利用してみてはいかがでしょうか。