ヘッジファンド証券に投資して大丈夫?証券会社との違いは?評判や仕組みを紹介

「ヘッジファンド証券」はヘッジファンドを専門に販売する証券会社です。1,000万円から資金を預けることができ、国内株式で絶対収益を追求する投資戦略で運用してくれます。

ヘッジファンド証券が販売するヘッジファンドは私募型で、公開されている情報が多くありません。同社のファンドの情報をまとめましたので参考にしてください。

ヘッジファンド証券の概要

ヘッジファンド証券の概要

商号等ヘッジファンド証券株式会社
本社所在地東京都千代田区霞ヶ関3-2-1
霞が関コモンゲート西館32階
代表者植頭 隆道 氏
登録番号金融商品取引業者
関東財務局(金商)第2580号
運用者エピック・パートナーズ・インベストメンツ株式会社
主な運用先日本株
最低投資額1,000万円

参考:公式サイトより(外部サイト)

ヘッジファンド証券は販売窓口の役割

ヘッジファンド証券はいわゆるヘッジファンドではなく、ヘッジファンドを専門に販売する証券会社です。金融商品取引業にも登録があり、通常の証券会社と同じく金融商品の販売窓口という存在です。

通常の証券会社との違いは後述します。

運用はエピックパートナーズインベストメンツ株式会社

商号等エピック・パートナーズ・インベストメンツ株式会社
本社所在地東京都千代田区霞ヶ関3-2-1
霞が関コモンゲート西館32階
代表者武 英松氏
登録番号投資運用業・投資助言業
(投資一任契約に係る業務及び投資助言業務)
関東財務局(金商)第432号

ヘッジファンド証券が販売するヘッジファンドは「エピックパートナーズインベストメンツ株式会社」が運用しています。

エピック社もまた投資運用業・投資助言業として財務局に登録されています。登録には厳しい基準をクリアする必要がありますから、安心感はありますね。

日本株が主な運用先

ヘッジファンド証券が販売するヘッジファンドは、主に日本株で運用されています。運用手法については後述します。

ヘッジファンド証券と証券会社の違いは?

ヘッジファンド証券と証券会社の違いは?

ヘッジファンド証券も通常の証券会社と同じように金融商品の販売窓口としての役割を持ちますが、通常の証券会社とはどのような違いがあるのでしょうか。

ヘッジファンド証券はヘッジファンドのみを販売

通常の証券会社が販売する商品ヘッジファンド証券が販売する商品
・株式
・債券
・通常の投資信託など
・ヘッジファンド

ヘッジファンド証券はヘッジファンド専門の証券会社です。ヘッジファンドへ投資したい方に対し、アドバイスや注文の取次ぎを行います。

通常の証券会社も販売窓口として幅広く商品を販売しますが、ヘッジファンドを販売する証券会社はほとんどありません。

ヘッジファンドと投資信託の違い

通常の投資信託とヘッジファンドは似ていますが、明確な違いがあります。どのような違いがあるのでしょうか。

私募or公募の違い

通常の投資信託は「公募(こうぼ)」方式で投資家を募集しています。勧誘する人数に制限はなく、広告などを通じ広く投資家を集めることができます。

一方、ヘッジファンドの多くは「私募(しぼ)」方式で投資家を募集しています。50人以上の投資家に勧誘することはできませんが、投資家を限定することで解約の頻度が減り、長期的目線に立った安定的な運用ができるメリットがあります。

投資家の募集方法人数制限
通常の投資信託公募不特定多数の投資家に勧誘ができる
ヘッジファンド私募49人までの投資家、あるいは機関投資家のみに勧誘できる

運用戦略の違い

目指す収益概要
通常の投資信託相対収益市場全体の動きに影響を受ける
ヘッジファンド絶対収益市場全体の動きを無視し、常に収益を確保しようとする

通常の投資信託は「相対収益」を確保しようと運用します。市場全体に一致するように、あるいは市場全体を超えるような収益を狙い運用しますが、どうしても市場全体の影響を受けてしまいます

一方、ヘッジファンドが狙う収益は「絶対収益」です。市場が上下どちらに動いても収益を獲得できるよう運用する戦略です。

ヘッジファンドの運用戦略の例
戦略特徴
株式ロング・ショート戦略値上がりしそうな銘柄のロング(買い)と、値下がりしそうな銘柄のショート(売り)を同時に行う戦略。
市場全体が上下どちらに動いても収益確保の機会を残せる。
マーケットニュートラル戦略ロングとショートのポジションを同額にする、株式ロング・ショート戦略の特殊ケース。
割安銘柄をロングし、割高銘柄を同額ショートする。市場の割高・割安が修正され、フェアバリュー(適正価格)に近づく過程で収益獲得を目指す。
ショートポジションを市場全体(先物等)にする場合も。
イベントトリブン戦略企業買収など、企業にとって重要な出来事(イベント)を収益機会にする戦略。
グローバルマクロ戦略さまざまな商品を投資対象にする戦略。
雇用など経済の基本的事項や市場間のゆがみに着目し、割高な資産を売り、割安な資産を買うことで収益を確保する。
アービトラージ戦略同じ銘柄が複数の価格で取引されている際に、高い価格では売り、安い価格で買いを仕掛ける戦略。2つの価格差が収益機会になり、理論上リスクなしに収益を確保できる。

ヘッジファンド証券は日本株のマーケットニュートラル戦略

ヘッジファンド証券が販売するヘッジファンドは、国内株式の「マーケットニュートラル戦略」がメインの運用戦略です。以下エピック社HPからの引用です。

「割安銘柄を買付け、同時に割高銘柄を売付けることにより、市場リスクを低減しながら、割高・割安がフェアバリューへ回帰する過程を収益化し、低リスクでの絶対収益の獲得を目指します。(引用:エピック・パートナーズ・インベストメント株式会社HPより)」

ヘッジファンドの注意点

私募方式で投資家を集めるヘッジファンドにはいくつか注意点があります。特に以下2点に注意しましょう。

規制により情報公開が少ない

私募方式を取るヘッジファンドは勧誘できる人数が限定されているため、情報を積極的に公開することができません。インターネット上で充分な情報収集が難しいため、直接問い合わせる必要があります

通常の投資信託と投資・解約ルールが違う

通常の投資信託、特に「オープン型」の投資信託は基本的にいつでも投資や解約が可能です。ヘッジファンドの場合、投資や解約に制限がある場合があります。

いつでも投資や現金化ができるわけではない点に注意しましょう。

ヘッジファンド証券のリターンは?

ヘッジファンド証券のリターンは?

ヘッジファンド証券のリターンを確認しましょう。

代表ファンドのリターン(償還済み)

ヘッジファンド証券HPでは、代表ファンド「エピック・ヘッジファンド・セレクションファンド1」の運用レポートが公開されています。以下にまとめました。

代表ファンド▲8.87%
TOPIX+122.19%
日経平均+154.53%
※代表ファンド:
エピック・ヘッジファンド・セレクション1
リターンはファンドの設定日(2011年12月19日)から2019年2月28日

同ファンドのリターンは設定来でマイナスとなりました。同じ期間でTOPIXや日経平均は倍以上に上昇していますから、少し残念な結果といえますね。同ファンドはすでに償還しているため、運用は終了しています。

現在も募集しているものの、情報公開はなし

現在も募集しているものの、情報公開はなし

ヘッジファンド証券は別のヘッジファンドも販売しているようですが、HP上では特に情報公開されていません。

口コミによると2ファンドを募集中

HP上での情報公開はありませんが、インターネット上の口コミによると現在2ファンドを募集しているようです。公式な情報ではありませんが、以下にリターンをまとめます。

リターン
ヘッジファンド4号
(エピック・バリアント・ファンド)
+120%
(2011.2~2019.12)
ヘッジファンド5号
(フェイス・オブ・ジャパン・ファンド)
▲4.19%
(2019.3~2019.12)

運用が長い「ヘッジファンド4号」は比較的良好なリターンを残しているようですね。

ヘッジファンド証券のメリットは?

国内にヘッジファンドはいくつかありますが、特にヘッジファンド証券にはどんなメリットがあるでしょうか。

申込み・解約の締め日が毎月ある

投資や解約のルールはヘッジファンドごとに違い、四半期に1回(3ヶ月に1回)のように、流動性が高くない場合も多くあります。

ヘッジファンド証券の場合、投資や解約の締め日が毎月あるようです。比較的流動性が高い点はヘッジファンド証券のメリットといえるでしょう。

ただし、投資から6ヶ月間は「クローズド期間」となっており、解約できませんので注意しましょう。

インターネット上で申込みが可能

インターネット上で申込みが可能

ヘッジファンド証券はHPを通じ、インターネット上で口座開設が可能です。ヘッジファンドの中には投資前に面談を必須にしているものもありますので、より手軽にヘッジファンドへ資金を預けられる点はメリットです。

ただし、ヘッジファンド証券について、インターネットなどで得られる情報はあまり多くありません。資金を預けるかどうかの判断のためにも、できるだけヘッジファンド証券に問い合わせることをおすすめします。

ヘッジファンド証券のまとめ

ヘッジファンド証券の特徴をまとめましょう。

  • 運用は1,000万円から
  • メイン運用は日本株マーケットニュートラル戦略
  • 金融商品取引業として登録あり

ヘッジファンド証券は、日本株で絶対収益を追求するヘッジファンドを販売する証券会社です。メインの運用戦略は、割高銘柄を売り、割安銘柄を買うマーケットニュートラル戦略です。

ヘッジファンド証券は金融商品取引業にも登録しており、公開されている情報は多くないものの、一定の健全性は担保されていると考えられます。半年以上預けられる余裕資金がある場合、投資を検討してみてはいかがでしょうか。

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