退職金が5000万円あった時、どのような使い方をしますか。

5000万円をそのまま使っていると、どんどん貯蓄はなくなってしまいます。

公的年金が増える見込みはなく、退職金を切り崩しながら生活する可能性もあるでしょう。

そのため、5000万円の退職金を資産運用して、なるべく減らさない工夫をする必要があります。

 

5000万円を減らさずに老後の年金として利用するには、どのような方法がいいのでしょうか。

これから、資産運用の考え方や個人年金作りについてご紹介します。

特にリスクを回避しながらも、高い利回りの商品に投資していくことが大切です。

また、インカムゲインとキャピタルゲインについても理解しておいた方がいいでしょう。退職金の運用に興味のある方は、参考にしてみてください。

1、老後に必要な生活費を試算し、運用方針を決定する

「5000万円の退職金を今すぐ運用しよう!」

と焦って投資するのは危険です。まずは生活費の資産と、運方法心を決めることから始めましょう。

(1)老後に必要な生活費の試算

5000万円の退職金を減らさずに、老後の年金として使うためには、しっかりとした計画を立てることが必要です。

まずは、老後に必要な資金を計算し、生活スタイルなども決めてみましょう。

それによって、必要な資産額が把握できます。そして、資産が足りない場合は、資産運用などで増やすことが大切です。

退職後の年金生活をする時に、公的年金以外にも私的年金があれば、それらで生活できます。

なるべく退職金5000万は資産運用の元本として利用し、公的年金と私的年金の増えた分のみで生活できるのが理想です。

(2)退職金を運用して個人年金を作るにはポートフォリオが重要

個人年金作りをするためには、ポートフォリオの作成が必要になります。

ポートフォリオは運用の内容や金額を記載し、今後の利益だけでなくリスクなども把握できるものです。

作成するだけでなく、投資を始めてから数ヶ月後・数年後にも見直しをして、運用内容の調整をする必要があります。

退職金の運用方法①高配当利回りの金融商品へ投資する

 

資産運用で5000万円から増やすためには、高配当利回りの商品を活用することが有効です。

高配当利回りとは、高い利回りかつ配当が期待できるものをいいます。

(1)利回り5%の国内株式/海外ETFへ投資

例えば、利回りが約5%前後の商品です。国内の高配当株式や海外の高配当株式ETFなどに投資すれば、約5%の利回りになります。

元本保証のある定期預金は、利回りは1%以下になってしまうため、ほとんど利益になりません。

債権も元本保証はありますが、利回りは低くなります。

リスクを回避するためにも、定期預金や債券などに投資しておくのも一つの手段です。

しかし、増やした利益を私的年金にするためには、利回りが高いものを選択するのもいいでしょう。

(2)5000万円を利回り5%運用できれば毎月20万円の収入

具体例として、5000万円全てを約5%の利回りで運用するとします。

年間に得られる利益は、約250万円です。1ヶ月当たり、約20万円の収入が得られる計算になるでしょう。

生活スタイルにもよりますが、公的年金を使わなくても生活できます。

さらに、利益になった分を再投資して複利にすれば、翌年からの収入は年間250万円以上です。

このような投資スタイルが実現できれば、5000万円を減らさずに年金生活をすることができます。

(3)金融商品や購入時期を分散して投資する

高配当利回りの商品であっても、リスクを分散させるポートフォリオの作成が必要です。

そのためには、分散投資を行います。一つの商品だけに投資するのではなく、複数の商品を購入して、損失があった時には他で補う方法です。

また、分散するのは商品だけではありません。

購入するタイミングなどの時期を変えることで、時間分散をすることもできます。

上場企業では高い配当性向方針にしていて、高配当を約束しているところもあるので、それらを見極めて積極的に投資していくといいでしょう。

しかし、業績がずっと順調とは限りません。定期的に業績や株価の確認を行い、それに伴うポートフォリオの見直しも必要です。もし、目標の利回りより下がった場合は、経過観察か売却するかを決めて、損をしないために調整する場合もあります。

退職金の運用方法②インカムゲインを重視した運用をする

 

資産運用で得られる利益には、インカムゲインとキャピタルゲインがあります。

(1)インカムゲインとは

インカムゲインとは、ある資産を保有して継続的に安定して収入を得る方法です。

債権や預金の受取利息・投資信託の分配金・不動産投資の家賃収入などになります。

株式投資では、配当金がインカムゲインです。

(2)キャピタルゲインとは

キャピタルゲインとは、保有資産の価格変動によって得る利益のことをいいます。つまり、株式投資の場合は株価が下がった時に購入して、高くなった時に売却する方法です。

株式以外にも、不動産や絵画・貴金属などの売買利益もキャピタルゲインになります。

5000万円をなるべく減らさず年金にするためには、インカムゲインを重要視することが大切です。

継続的で安定した利益なら、5000万円が大幅に減ることはありません。

(3)売却時期を誤ると十分な売却益を得られない

キャピタルゲインは売却の差益で決まるので、タイミングを間違えると損することもあります。

また、常に価格変動を確認しないといけないので、ストレスになることもあるでしょう。

よって、インカムゲインでの収入を得ることで、安定した資産運用が実現します。

しかし、キャピタルゲインをすることも考慮した方がいいでしょう。

保有した商品を売却して利益が出る時は、売却するのも手段です。

そのためには、購入時の企業分析などを行う必要があります。

約5%の利回りで配当金を得ていたとしても、それらが継続するとは限りません。逆に事業が成功して、株価が上がることもあるでしょう。

株価が上昇して売却すれば、その利益はキャピタルゲインになります。つまり、購入前に投資する企業の将来性を見極めることが必要です。

退職金の運用方法③異なる商品へ分散投資。ローリスクで5%運用する

 

退職金5000万円を利用して私的年金作りをするためには、異なるタイプのものを組み合わせて投資するといいでしょう。

例えば、「高配当利回りの銘柄群」「高成長・増配の銘柄群」「テーマ銘柄群」の3つです。

(1)高配当利回りの銘柄群への投資

まず、約3%~5%の利回りが期待できる高配当の銘柄を購入します。

約60%以上の割合で購入し、これを運用収益の中心にするといいでしょう。

(2)高成長・増配の銘柄群への投資

高成長・増配の銘柄群とは、前回よりも配当を増やしている商品です。

連読して増配していると、今後も増配が期待できます。

(3)テーマ銘柄群への投資

テーマ銘柄群とは、社会現象やトレンドなどから見込んだ商品のことです。

配当金よりは、今後の成長を期待して購入します。比較的中小型の銘柄で、株価水準も低い位置にあるものです。

5000万円の運用例として、高配当利回りの商品に約60%である3000万円を投資したとします。

約3%~5%を安定的に得ると、年間で90万円~150万円の利益です。

高成長や増配銘柄群には約25%の1250万円を投資します。

成長や増配しているので、損をすることはないでしょう。

最後に5000万円の15%である750万円をテーマ銘柄群に投資しておけば、インカムゲインだけでなくキャピタルゲインでの収益も期待できます。

このような高配当利回りを優先しながら、今後の成長が見込めるものに投資しておく方法は効率的です。

5、高配当利回りの商品を中心に、ポートフォリオを組もう

 

5000万円の退職金を減らさないためには、効率的な資産運用ができるといいでしょう。

元本保証のある商品でもいいですが、高利回りのものを選択することで生活費に充てられる利益を得ることができます。

資産運用で増やした利益だけで生活できれば、退職金は減りません。

 

そのためには、しっかりとしたポートフォリオの作成と見直し・調整が必要です。ポートフォリオがあれば、複数のタイプに投資する時の割合も把握できます。

また、将来性がある企業などを見極め、それらに投資することも重要でしょう。

これを参考に、退職金5000万円を効率的に運用し、減らさないための工夫をしてみてください。

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