骨太の方針2026|国策銘柄内需株5選と高市政権で変わる新NISA活用法|金利上昇を見越した分散投資とリスク管理

2026年の日本株は、国内では例年6月に閣議決定される『骨太の方針』が“政策の優先順位”を示す材料として注目されます。重要なのはイベントの当て物ではなく、発表前後の変動で致命傷を避けるために、上限・分割・撤退のルールを先に固定しておくことです。

本記事では、骨太の方針で市場が反応しやすい論点(重点分野・資本効率・内需インフラ・賃上げ)と、国策に連動する内需株の候補5社、さらに新NISAで実践できるTOPIXを軸としたコア・サテライトと上限・分割・撤退の3つの数値ルールを具体的に解説します。

2026年日本株の鍵を握る「骨太の方針」と注目すべき4つの論点

2026年の日本株市場の方向性を占う上で、政府が発表する「骨太の方針」の中身を読み解くことが非常に重要です。

この方針は単なる政策の羅列ではなく、国の予算や税制の使い道に直結するため、株式投資家にとっては宝の地図とも言えます。

具体的には、「重点分野」の明記、「資本効率」への言及、「内需インフラ」への投資、そして「賃上げ・投資促進」策という4つの論点が、どの程度の具体性と熱量で語られるかに注目が集まります。

これらの論点がどのように記述されるかによって、特定の業界や企業に大きな追い風が吹くため、内容を事前に点検しておくことが投資戦略の精度を高めるのです。

骨太の方針の概要と政策決定までの流れ

まず「骨太の方針」とは、正式名称を「経済財政運営と改革の基本方針」と言い、毎年6月頃に内閣が閣議決定する、日本経済の羅針盤となる重要な文書です。

この方針が決定されるまでには、経済財政諮問会議での議論や与党内での調整など、数ヶ月にわたるプロセスがあります。

例年、春先から観測記事が出始め、6月の閣議決定に向けて市場の期待が高まっていくという流れを把握しておくと、相場のリズムが掴みやすくなります。

このスケジュールを知っておくことで、関連ニュースが出た際に冷静に情報の重要度を判断できるようになります。

予算や税制に直結する「重点分野」の明記

骨太の方針で最も注目すべきは、どの分野を「重点分野」として名指しするかです。

ここに名前が挙がった分野には、国の予算や補助金、税制優遇措置が重点的に投入されることになります。

例えば、過去には「GX(グリーントランスフォーメーション)」や「DX(デジタルトランスフォーメーション)」が明記され、関連企業の株価が大きく動きました。

2026年版では、経済安全保障の観点から半導体や重要物資の国内生産、あるいは少子化対策に関連する分野などが盛り込まれるかに注目が集まります。

これらの分野に属する企業は、「国策銘柄」として長期的な成長が期待できるため、方針の文言一つひとつを見逃せません。

日本企業の収益力を示す「資本効率」への言及

資本効率とは、企業が持つ自己資本(株主から集めたお金など)を使って、どれだけ効率的に利益を生み出しているかを示す指標です。

代表的なものにROE(自己資本利益率)があります。

東京証券取引所がPBR(株価純資産倍率)1倍割れの企業に改善を要請している流れもあり、骨太の方針で企業に対して資本効率の改善や株主還元の強化を促す文言がどの程度の強さで盛り込まれるかは、市場全体の地合いを左右する重要なポイントです。

例えば、「ROE8%超」といった具体的な数値目標が言及されれば、企業の株主還元への意識がさらに高まるでしょう。

この動きは、株価の割安な高配当株や、自社株買いに積極的な企業にとって直接的な追い風となります。

防災やエネルギーに関連する「内需インフラ」への投資

内需インフラとは、道路や水道、エネルギー施設など、国内の経済活動や国民生活の基盤となる設備を指します。

近年、自然災害の激甚化やインフラの老朽化が社会問題となっており、「国土強靭化」計画に基づく公共投資の継続や、エネルギーの安定供給に向けた投資が骨太の方針に盛り込まれることは確実視されています。

特に、全国で更新時期を迎えている水道管や、原子力発電所の再稼働・設備更新に関連する記述は、関連企業の受注動向に直結します。

これらのインフラ関連銘柄は、景気の変動に比較的強く、国の長期的な計画に支えられるため、安定した成長が期待できる投資対象です。

経済の好循環を生む「賃上げ・投資促進」策

経済の好循環とは、企業の収益が増え、それが従業員の賃金上昇(賃上げ)につながり、増えた所得で消費が活発化し、再び企業の収益が増えるという良い流れのことです。

政府はデフレからの完全脱却を掲げており、その鍵を握るのが持続的な賃上げです。

骨太の方針では、賃上げを行った企業に対する税制優遇の拡充や、企業の設備投資を後押しする補助金制度などが、これまで以上に手厚く盛り込まれるかが注目点です。

実質賃金がプラスに転じれば、個人の消費意欲が高まり、鉄道や小売、サービス業などに恩恵が及びます。

賃上げと投資の促進は、日本経済全体の底上げにつながるため、幅広い内需関連企業にとってプラス材料となるのです。

2026年の日本株に影響を与える米国市場の二大変動要因

日本国内の「骨太の方針」だけでなく、海の向こう、アメリカの動向も日本株の行方を左右します。

特に2026年は金融政策と政治の両面で大きな変化が予想され、その影響を無視することはできません。

以下では、次期FRB(連邦準備制度理事会)議長の人事がもたらす市場の動揺の可能性を探る世界の金融市場を揺るがすFRB議長人事の可能性、大統領選挙の結果が引き起こすかもしれない大統領選挙後の財政・通商政策が内包するリスク、そしてそれらが具体的にどう日本株に波及するのかを解説する日本株への影響、金利と為替という二つの視点について、詳しく見ていきます。

アメリカの金利や為替の動きは、日本企業の業績や株価評価に直接的な影響を与えます。

変動要因を正しく理解し、備えておくことが重要です。

世界の金融市場を揺るがすFRB議長人事の可能性

FRBとは、アメリカの中央銀行制度の最高意思決定機関であり、その議長は世界の金融政策に絶大な影響力を持っています。

いわば「世界経済の大統領」とも呼べる存在です。

現職のパウエル議長の任期は2026年5月に満了を迎えます。

もし、政治的な影響を受けやすい人物が次期議長に就任した場合、FRBの独立性が損なわれるとの懸念から、金融市場が大きく不安定になることも考えられます。

過去にも、大統領がFRBの金融政策を公然と批判したことがあり、議長人事は市場の大きな関心事となります。

次期議長の候補者やその金融政策に対するスタンスは、早期から注視しておく必要があります。

日本株への影響、金利と為替という二つの視点

アメリカ市場の変動は、主に「金利」と「為替」という二つのルートを通じて日本株に波及します。

アメリカの長期金利が上昇すると、日本の長期金利にも上昇圧力がかかります。

金利が上がると、企業は借入金の利払い負担が増え、個人は住宅ローンなどの金利が上がるため、経済活動全体が鈍くなる可能性があります。

特に、高い成長を期待されて買われているグロース株は、金利上昇局面で株価が下落しやすい傾向があります。

もう一つのルートである為替は、円高が進むと、トヨタ自動車やソニーグループのような輸出企業の収益を圧迫します。

一方で、電力会社や食品メーカーなど、原材料を輸入に頼る内需型の企業にとっては、円高がコスト削減につながるという側面もあります。

このように、アメリカの動向がどのルートで、どの業種に影響を与えるのかを冷静に見極めることが大切です。

【国策内需株5選】骨太の方針の追い風を受ける有望銘柄

「骨太の方針」のような大きな政策テーマで投資を考える際、銘柄選びと同じくらい、投資後の「点検手順」をあらかじめ決めておくことが大切です。

話題性だけで飛びつくと、高値掴みにつながりかねません。

ここでは具体的な候補として、国土強靭化を支える五洋建設、エネルギー安定供給に貢献する太平電業、水道インフラ更新がテーマの栗本鉄工所、金利上昇の恩恵が期待されるふくおかフィナンシャルグループ、そして賃上げが追い風となる東急の5銘柄を、注目点とリスクをセットで解説します。

大切なのは、これらの銘柄情報を鵜呑みにするのではなく、ご自身の投資ルールに照らし合わせ、冷静に投資判断の精度を高めていくことです。

五洋建設(1893)、国土強靭化を支える港湾・海上土木事業

五洋建設は、政府が進める「国土強靭化」計画の恩恵を受ける代表的な企業の一つです。

防災・減災対策としての護岸工事や港湾整備といった公共事業に強みを持っています。

特に注目すべきは、新しい分野である洋上風力発電の建設実績です。

政府は再生可能エネルギーの導入を加速させており、2030年までに1,000万kWという導入目標を掲げています。

これは同社にとって非常に大きな受注機会となります。

公共投資の動向に業績が左右されやすい点は注意が必要ですが、四半期ごとの受注残高の推移を定期的に確認することで、事業の安定性を見極めることができます。

ご紹介したのはあくまで一例であり、ご自身で点検する手順を確立することが重要です。

太平電業(1968)、エネルギー安定供給に貢献するプラント建設

太平電業は、発電所や各種プラントの建設・メンテナンスを手掛ける企業で、日本のエネルギー安定供給という国策を根底から支えています。

政府が慎重に検討を進める原子力発電所の再稼働や、既存の火力発電所の延命・効率化といった設備更新工事は、同社の安定した収益源です。

全国に約70ヶ所の事業所を構え、顧客の設備トラブルにも迅速に対応できる体制が大きな強みとなっています。

特定のエネルギー政策に業績が左右される可能性はありますが、日本の経済活動にとって電力需要がなくなることはありません。

プラントの定期修繕など安定した需要が見込めるため、利益率の推移を点検していくことが投資判断の鍵となります。

栗本鉄工所(5602)、水道インフラ更新という長期的課題への貢献

栗本鉄工所は、水道管に使われるダクタイル鋳鉄管の国内大手であり、全国的な水道インフラの老朽化対策という、非常に長期的な社会課題に応える企業です。

日本の水道管の法定耐用年数は40年と定められていますが、全国の管路のうち約20.6%がこの年数を超過しており、更新需要は待ったなしの状況です。

このような強い需要を背景に、同社への継続的な公共投資が見込まれます。

鉄などの資材価格の高騰が利益を圧迫するリスクは常に存在します。

しかし、社会インフラに不可欠な製品を供給しているため、コスト上昇分を製品価格へ転嫁しやすい立場にあります。

受注残高と資材コストの動向を合わせて確認することが大切です。

ふくおかフィナンシャルグループ(8354)、金利上昇の恩恵が期待される地域金融

ふくおかフィナンシャルグループは九州を地盤とする有力な地方銀行で、「金利のある世界」への回帰という大きな金融環境の変化から恩恵を受けることが期待される企業です。

長らく続いたマイナス金利政策が解除され、金利が緩やかに上昇する局面では、銀行の基本的な収益源である貸出金利と預金金利の差(利ざや)が改善する可能性があります。

例えば、貸出金利がわずか0.1%改善するだけでも、銀行全体の収益は大きく向上します。

景気が後退する局面では、取引先の業績が悪化し貸し倒れが増加するリスクがあるため、日銀の金融政策だけでなく、地域経済の景況感にも目を配る必要があります。

金利に対する感応度や、決算短信で開示される与信費用の推移を点検しましょう。

東急(9005)、賃上げが追い風となる沿線価値の創造

東急は鉄道事業を中核としながら、不動産やホテル、生活サービスなど多角的な事業を展開しており、持続的な賃上げによる個人消費の活性化が追い風となる企業です。

渋谷エリアを中心に大規模な再開発プロジェクトを数多く手掛けており、2027年度までに総額約4,000億円規模の投資を計画しています。

これらの新しい施設が本格的に収益を生み始めることで、企業価値のさらなる向上が見込めます。

金利の上昇は、不動産事業などで抱える有利子負債の支払利息を増加させるリスク要因です。

しかし、沿線地域の人口増加や不動産価値の上昇が続けば、その影響を十分に吸収できると考えられます。

開発プロジェクトの進捗状況とキャッシュフローの状況を点検することが重要になります。

新NISAで実践する分散投資とリスク管理、金利上昇に備える資産形成術

不確実性の高い相場では、有望な銘柄を選ぶことと同じくらい「守りの投資ルール」が重要になります。

特に資産全体での投資上限や時間分散、そして明確な撤退条件をあらかじめ決めておくことが、感情的な売買を防ぎ、長期的な資産形成の土台を支えます。

ここでは具体的な戦略として、資産の土台となる東証株価指数(TOPIX)と個別株の組み合わせ方から、相場の変動に動じないための「3つの数値ルール」、冷静に買い向かうための「買い増し条件」、そして判断の根拠となる一次情報の確認先までを順に解説します。

これからご紹介するルールを参考に、ご自身の考え方やリスク許容度に合わせて調整し、自分だけの投資ルールを確立させましょう。

資産の核となる東証株価指数(TOPIX)と個別株の上手な組み合わせ

まず、資産運用の土台となるのが「コア・サテライト戦略」という考え方です。

これは、資産の大部分(コア)を市場全体の値動きを示すインデックスファンドなどで安定的に運用し、残りの一部(サテライト)で個別株など、より高いリターンを狙う手法を指します。

例えば、新NISAの成長投資枠240万円のうち、7割から8割にあたる約170万円~190万円を東証株価指数(TOPIX)に連動する投資信託やETFで運用し、残りの2割から3割で国策内需株といった個別テーマに投資する方法が考えられます。

TOPIXは日本の株式市場に上場する幅広い企業で構成されているため、これに投資するだけで自然と分散効果が期待できます。

このように資産の役割を分けることで、個別株が下落した際も資産全体への影響を和らげ、精神的な余裕を持って投資を続けることができるようになります。

相場の変動に動じないための「3つの数値ルール」

個別株に投資する際に最も重要なのが、感情に流されないための客観的なルール作りです。

特に「セクター上限」「時間分散」「撤退条件」という3つの数値をあらかじめ決めておくことが、冷静な判断を助ける防波堤となります。

例えば、今回取り上げた国策内需というテーマ全体への投資は、株式資産の20%までと上限を決めます。

さらに、「骨太の方針」の発表が近づく局面で投資する場合でも、一度に全額を投じるのではなく、最低でも3回以上に分けて購入します。

最後に、「購入価格からマイナス10%下落したら機械的に売却する」といった損切りルールを厳格に守ります。

これらのルールは投資を始める前に紙に書き出し、常に確認できるようにしておきましょう。

そうすることが、計画的で規律ある投資の実践につながります。

冷静な判断で臨むための「買い増し条件」の事前設定

株価が下落した際に、「安くなったから買い増そう」と安易に判断するのは危険です。

買い増し(ナンピン買い)は、明確な条件を事前に設定しておくことで初めて有効な戦略となり得ます。

買い増しを検討するのは、株価下落の理由がその企業の業績悪化といった本質的な問題ではなく、市場全体の一時的な混乱である場合に限られます。

例えば、「株価が下落しても、企業の四半期決算の進捗が計画通りである」「長期的な上昇トレンドを示す75日移動平均線が上向きを維持している」といった条件が揃ったときのみ、追加投資を検討します。

これらの条件をクリアしない限りは安易に買い増さず、むしろ先に決めた損切りルールに従うことが、結果的に大切な資産を守ることになるのです。

投資判断の精度を高めるための一次情報の確認先

投資判断の質は、情報の質に大きく左右されます。

憶測やメディアの論調に惑わされず、信頼できる一次情報に直接あたることが、不確実な相場環境では特に重要です。

「骨太の方針」であれば首相官邸や内閣府のウェブサイトで原文を確認し、個別企業の業績については各社のIR(Investor Relations)ページに掲載されている決算短信や説明会資料を確認する習慣をつけましょう。

金利の動向については、日本銀行の金融政策決定会合の結果が最も重要な情報源となります。

専門家やメディアの解説は、情報を効率的に理解する上で役立ちますが、あくまで二次情報です。

最終的な投資判断は、ご自身で一次情報を確認し、納得した上で行うことが不可欠と言えます。

まとめ

この記事は、骨太の方針と米国の金利・政治動向を踏まえて国策内需株の選び方と新NISAでの分散手法を解説しました。

重要なのはイベント前後で致命傷を負わないルールを先に決めることです。

まずは、首相官邸の原文と対象企業のIRを確認し、投資上限・分割・撤退の3つの数値ルールを紙に書いて投資計画として固定してください。

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