「ファミリーオフィス」というのをご存知ですか。

ファミリーオフィスとは、富裕層の家族が設立した組織で、後々の世代にも財産を継承していくためのものです。

ファミリーオフィスを持つことは珍しく、一般人には縁のない話と思うかもしれません。

しかし、ファミリーオフィスについて、知ってみたい人もいることでしょう。

 

富裕層の人達がどのような資産運用をしているのかも気になるのではないでしょうか。

これから、ファミリーオフィスの特徴や起源・プライベートバンクとの違いについてご説明します。

また、ファミリーオフィスでは、どのような資産運用をしているのでしょうか。

具体的な資産運用方法についてもご紹介しますので、ファミリーオフィスに興味のある方はお読みください。

1、ファミリーオフィスとは何?

 

「ファミリーオフィス」とは、「家族の事務所」と直訳できるように、家族の資産管理をして、後の世代に資産を継承できるようにする組織です。

私的な組織であり、資産を自分達で管理しています。

その中には、自分達が設立したファミリーオフィスで、さらに他の富裕層へのサービスを展開してビジネスにする「マルチファミリーオフィス」もあるのです。

ファミリーオフィスは、富裕層の資産管理をするため、弁護士や会計士などを雇ってチームを組んでいます。

家族によっては、子供の教育専門家も雇っていることが特徴です。

資産の管理だけでなく、家族内のトラブルや揉め事に関しても、第三者が仲裁に入っています。

 

ファミリーオフィスを使っている富裕層は、保有資産が大きい富裕層です。

詳細な基準はありませんが、資産は1000億円以上の富裕層が利用しています。主にビリオネアなどが多い、アメリカや中国の富裕層が利用者です。

ミリオネアレベルの場合はプライベートバンク、ビリオネアレベルになるとファミリーオフィスになることが多いでしょう。

ファミリーオフィスは、6世紀の欧州王族の資産管理が起源とされています。

 

その後、富裕層の一族が今後のために設立したことで、浸透しました。ファミリーオフィスでは、「人的財産・知的財産・財的資産」のマネジメントをしています。

人的財産では、事業を承継するための計画や実行・見直しをしていることが特徴です。

知的財産のマネジメントでは、創業者のビジョンを明確にし、財団法人の設立などもしています。財的資産マネジメントでは事業資産を適正に配分し、事業承継に関する税金対策などの資産管理をしているのです。

 

2、ファミリーオフィスとプライベートバンクは、何が違う?

 

ファミリーオフィスとプライベートバンクでは、富裕層向けのサービスということは似ています。

しかし、利用者と性質が異なるので注意しましょう。ファミリーオフィスでは、自分達で資産を守るために管理をしています。一方、プライベートバンクとは、金融機関が富裕層に向けて提供しているサービスです。

 

スイスの銀行が発祥で、経営に無限の責任を負うとしていて、プライベートバンカーが経営しています。

対象は貴族や王族なども含む富裕層で、資産運用と資産保全が目的です。

預かり資産の基準は銀行によって異なりますが、日本円では約1億円以上になります。

資産保全や運用をする時の手数料を取っていて、資産が増えた時にはさらに手数料をもらう仕組みです。

 

現在では、そのような形態で富裕層を対象に、総合的な管理をしているサービスをプライベートバンキングともいいます。よって、ファミリーオフィスは富裕層が資産の継承を目的にしていますが、プライベートバンクでは富裕層の資産管理や運用することが目的です。

 

3、ファミリーオフィスでは、オルタナティブ投資を行う!

 

ファミリーオフィスでは、「オルタナティブ投資」を取り入れています。

オルタナティブとは「代替可能」という意味です。

オルタナティブ投資は、債券や株式など昔からの資産運用方法ではなく、新しい運用方法で収益を得ることをいいます。

オルタナティブ投資のメリットは、直接投資家が投資できないものに対しても、投資できることです。

 

例えば、ヘッジファンドや不動産ファンドなどにも投資できます。また、市場の状態が良くなくても、収益を得られる可能性が高いこともメリットです。

株式や債券などでリターンが見込めない時でも、オプション取引や空売りなどの手法を用いれば、利益を獲得できます。

オルタナティブ投資の注意点は、運用方法が複雑なことです。

難しい手法を用いるので、売買のタイミングを間違えると損失を出す可能性があります。また、他の投資方法よりもコストが掛かりやすいです。

 

4、ファミリーオフィスの資産運用方法1「先進国株」

 

先進国株とは、ヨーロッパやアメリカなど先進国の株式を総称したものです。

先進国とは政治情勢や経済が安定している国をいいます。先進国株の特徴は、新興国株式よりもリスクが低いことです。

先進国では、上場審査は厳しく、経済を安定させるための対策も確立しています。

よって、株式がなくなってしまうなどのリスクは少ないでしょう。為替リスクはありますが、ドルやユーロなどを分散投資することも可能です。分散させることで、さらにリスクが減ります。

 

5、ファミリーオフィスの資産運用方法2「不動産投資」

 

不動産投資とは、不動産を所有して入居者からの家賃を収益にすることです。

人気がある地域や物件の場合、高い利回りで運用することができます。

不動産は現物になるので、後の世代にも継承できる財産の一つです。

 

また、経済状況の変化で株価などが下落しても、現物資産の価値は下がりにくいです。

よって、不動産も資産運用では有効な方法でしょう。

不動産投資では、空室や事故物件などのリスクもあります。

また、経年劣化による補修やリフォーム・家賃下げも必要になるでしょう。

富裕層が行う不動産投資では、利回りが高く家賃も高い物件になります。通常は管理を委託し、その手数料を支払っていることが多いです。

 

6、ファミリーオフィスの資産運用方法3「プライベート・エクイティ」

 

「プライベート・エクイティ」とは、未上場企業の株式を使った方法です。

未上場企業株を取得し企業の価値を上げてから、他の会社に売却などをします。

株式を上場させ、株式市場で売却することで利益を得る方法をプライベート・エクイティと呼ぶのです。

上場している企業にも、会社の経営陣が自社株式や部門買収をするMBO、市場外の株式買い付けをするTOBなどで非上場化して、プライベート・エクイティ投資をすることもあります。

 

7、ファミリーオフィスの資産運用方法4「ヘッジファンド」

ヘッジファンドとは、資産運用を専門に行う会社のことです。1000万円や1億円単位で資産運用をし、高い利回りで利益を出しています。

ヘッジファンドマネージャーが運用方法の決定や運用もするので、さまざまな手法で絶対的利益を出すことが特徴です。

平均的な利回りは約10%~20%で、利益が出た時には成功報酬を支払います。

 

ヘッジファンドの手法とは「株式ロングショート」「グローバル・マクロ」「イベント・ドリブン」などです。

最も利益が出るタイミングを見極めて売買し、大きな利益を出しています。

 

8、ファミリーオフィスについて、理解しよう!

ファミリーオフィスとは、富裕層が資産を管理するための私的組織です。ビリオネアなどの資産家が多く、後の世代に保有資産を継承するための対策などをしています。

 

富裕層の財産を預かって管理や運用をするプライベートバンクとは、異なるので注意しましょう。ファミリーオフィスではオルタナティブ投資を行い、ヘッジファンドやプライベート・エクイティなどの投資方法をしています。

 

これは、債券や株式のような昔ながらの手法ではなく、新しい投資方法です。

これらを活用して利益を出し、財産管理をしています。これを参考に、ファミリーオフィスの仕組みや資産運用方法を理解してみましょう。

 

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