「外資系ファンドってよく聞くけど、なんだか恐いイメージだな・・」
と不安に感じる投資家も少なくありません。
日本国内のファンドよりも、外資系ファンドの方が投資収益は高く実績も豊富です。
ですが、何も知らずに外資系ファンドを使って資産運用するのは危険です。
リスクと期待できるリターンをしっかりと理解して、外資系ファンドを使った運用をするか判断しましょう。
今回は、以下を紹介していきます。
- 外資系ファンドとは?基礎知識を紹介
- 国内・外資系ファンドの違い
- アクティビストファンドとは?デメリットも
外資系ファンドの知識を身に着けて、今後の資産運用や投資活動に活かしていきましょう!
1、ファンドとは?簡単に紹介
そもそも、ファンドという言葉は、機関投資家や富裕層から集めた資金をもとに投資及び運用を行う専門家集団のことを指します。
一口にファンドと言っても色々な種類があります。
株式を公開していない企業の未公開株を取得して経営に介入し、リストラなどを行い、企業価値を高めた上で最終的に売却益を得るプライベート・エクイティーファンド、様々な株式や債券などに分散投資を行って市場変動リスクをヘッジ(極小化)し、高い運用益を追求するヘッジファンドなどがあります。
このような多様なファンドを、拠点がどこにあるかという視点で見たときに、日本ではなく外国に拠点を置くものを総称して外資系ファンドと呼びます。
2、外資系ファンドと日系ファンドの違い。アクティビストファンドの特徴も
外資系ファンドも日経ファンドも、業務に違いはさほどありません。
違いをあえて挙げるなら、外資系ファンドの中には、いわゆるもの言う株主やアクティビストと呼ばれる投資ファンドも存在することです。
アクティビストファンドは、一定数以上の株式を取得することで企業の経営に介入し、積極的に経営改革を迫ることが特徴です。
大胆な提案や要求をするので、株式を買われた企業は、経営的に振り回されてしまうこともあります。
アクティビストファンドは経営介入し、企業価値を上げるのが目的
一方でアクティビストファンドは企業経営に良い影響を与えるという見方もあります。
日本に関して言えば、投資家は株式を保有しても経営にあまり口を出さないという慣習があり、経営者が甘い経営判断をしてしまうことに繋がっています。
そのような企業の経営にアクティビストファンドが介入すると、適度な緊張感が生まれる可能性があります。
もちろん外資系ファンドのすべてが、アクティビストファンドというわけではありません。しかし、名の通ったアクティビストファンドは日系ファンドよりも外資系ファンドに多いことも事実です。
3、投資信託の商品に外資系ファンドが運用先として含まれることも
一見すると、日本で暮らしている限りは外資系ファンドに接する機会など滅多にないことのように思われるかもしれません。
確かに、外資系ファンドで働いたり、あるいは勤めている企業が外資系ファンドに買われたりするというようなことはあまりないことでしょう。しかし、投資信託を購入する場合には、外資系ファンドとも接する可能性が多分にあります。
投資信託とは、投資の専門機関が投資家から資金を集めて、それを元手に投資と運用を行う金融商品です。
その際の運用先に外資系ファンドが含まれていることがあります。
外資系ファンドが運用先の投資信託を購入した場合は、直接ではないにしろ、外資系ファンドと接することになります。
4、外資系ファンドの投資方法3選
外資系ファンドに投資しようと思った場合、いくつかの方法が考えられます。
(1)金融機関の投資信託を購入する
一つは、先程触れたように、各金融機関が提供する投資信託を購入することです。
例えば銀行で投資信託を購入しようとすると、その運用先のファンドがどこであるかはその商品によって変わります。
運用先のファンドはその銀行のグループ会社であることもあれば、直接に資本関係がない会社であることもあります。
(2)外資系ファンドが投資先となる投資信託を購入する
そして、外資系ファンドが運用先となっている場合もあります。
投資信託で外資系ファンドが運用先になっているものを購入すれば、間接的に外資系ファンドに投資することになります。
(3)外資系ファンドと直接取引する
他には、外資系ファンドと直接取引することが挙げられます。
この方法は、実際には難度が高い方法ではあります。
その理由はいくつかあります。
まずは、そもそも外資系ファンドは日本人向けの出資の募集を積極的には行なっていないことが理由としてあげられます。
外資系ファンドで日本人向けのホームページを開設しているところでも、出資者を募っている旨の記載は基本的にありません。
これは、日本で資金調達を行う気はあまりないという意思表示でしょう。
ただ、問い合わせページは、ホームページがあればどこの外資系ファンドも大抵は設置しています。
外資系ファンドにどうにか直接出資しようとするならばまずはそこから問い合わせをする必要がありそうです。
また、言葉の壁の問題もあります。
多くの外資系ファンドでは、英語を基本の言語に設定しています。
そうなると、募集要項などを記した目論見書や運用報告書は英語で書かれることになります。
高度に英語を操る能力を持っている人ならともかく、そうでない人にとっては言語のハードルも高く存在します。
5、外資系ファンドに投資するメリット2つ
日系ファンドに投資をすることは比較的簡単にできます。
それでも、金融機関の投資信託を含めて、あえて外資系ファンドに投資するメリットもあります。
(1)外資系ファンドは"絶対利益追求型"の投資スタイル
その一つは、外資系ならではの厳しい成果主義です。
外資系企業は日系企業に比べて、成果を重視する傾向があり、それが外資系ファンドにも当てはまることは当然のことです。
外資系ファンドにおける成果とは、これこそ投資でいかに高い収益をあげられるかということを指します。
そこであげた収益は、投資家に還元されるので投資家にとっても高い収益が期待できます。
(2)国内ファンドよりも高い収益性と信頼性
もう一つは、実際に強力かつ確実な投資・運用を実現できていることです。
このことは、年金の運用委託先に外資系ファンドが多く採用されていることからもわかります。
国民から集めた大切な年金を元に、外資系ファンドに投資するということはそれだけ確実なリターンがあるということです。
確実さという面からも、外資系ファンドに投資するメリットはあります。
6、外資系ファンドに投資するデメリット2つ
外資系ファンドに投資することのデメリットももちろん存在します。
デメリットを紹介していきます。
(1)日本国内のファンドと同じ対応を期待できない
直接投資する場合、英語が堪能であっても、日系ファンドと同じような対応が期待できないかもしれないという点がまず挙げられます。
日本国内から外資系ファンドに直接投資する場合、投資家と投資ファンドの本拠地の間には物理的な距離が生じます。
そうすると、何らかのトラブルが起こった際に余計な手間がかかる可能性があります。
例えばトラブルがこじれて裁判に発展した時、その裁判が日本国外で開かれるという可能性もあります。
そうすると精神的にも肉体的にも困窮してしまう可能性があります。
何の問題もなく運用が行われている間は、心配ごとはないかもしれませんが、予想外の事態に発展した時は思わぬ損をすることになりかねないと言えるでしょう。
(2)外資系ファンドによって企業価値が損なわれ、株価が下がることも
また、外資系ファンドに関して言えば、そこに投資をしたばかりに巡り巡って自分に損が降りかかる可能性があり得ることもデメリットと言えます。
以前、とある外資系ファンドが、出資している日本国内の企業の業績を回復させるために、その企業が運営していた鉄道の赤字路線の廃線を要求したことがありました。
結果としてその要求は否決されましたが、日本国外を本拠地にする外資系ファンドの提案によって、生活に必要なインフラである鉄道の路線が廃止される可能性があったのです。
短期的なリターンばかりを求めて外資系ファンドに出資すると、自分が使っているシステムやインフラがなくなったり悪くなったりしてしまうこともまったくないとは言い切れません。
また前述した事例なども含め、提案内容や要求内容次第では投資先の将来の株価に影響を与えることもあるため、ファンドの性質を理解して投資をする事が重要と言えます。
7、外資系ファンドへの投資は、リターンとリスクを踏まえた上で行うべき
ここまで紹介してきたように、外資系ファンドに投資することは収益力の高さなどメリットがある一方、日系ファンドに投資するのとは違ったデメリットも存在します。
この先、世の中のグローバル化がますます進むであろうということを考えたら、外資系ファンドの重要性もより高まってくることは容易に想像できます。
日系ファンドと外資系ファンドをその時々に比較し、長期的なリターンとリスクを考えた上で投資を行うと良いでしょう。