「貯蓄がないので、将来に向けて貯金をしたい方」や、「貯蓄はあるので、資産運用で有効活用したい」と考えている人に財テクはおすすめです。
財テクの種類は豊富であり、特別な知識やノウハウがなければ難しいものもあります。
0からスタートする場合、財テクを始めなら知識の習得に時間がかかるものより、誰でも簡単に始められる財テクのほうがいいですよね。
この記事では誰でも簡単に実践できるものに絞って10種類の財テクを紹介し、財テクの選び方や、一緒に利用したい制度も併せて解説します。
財テクとは何か
財テクとは財務テクノロジーの略称であり、法人が資産運用を通じて儲ける意味で使用されてきました。現在では転じて個人の資産運用や、節約に至るまで財テクと呼んでいます。
財テクの範囲は個人や法人と非常に広いですが、この記事においては、個人が実践できる財テクに限定し、「節約と投資の方法」として定義します。
しかし、個人にできる財テクに絞ってもその種類は多く、財テクを選ぶときのポイントを理解していないと適切な財テクを選べない可能性も。効果的に資産を増やしていくためにも、初心者が財テクを選ぶときのポイントを見ていきましょう。
初心者が財テクを選ぶときのポイント
初心者が財テクを選ぶときのポイントは3つあります。
- 毎月の生活で十分な貯蓄ができているか
- 最初に難しい財テクを選択しない
- 目的を意識しながら行う
それぞれ詳しく紹介します。
毎月の生活で十分な貯蓄ができているか
貯蓄は、最低でも手取り収入の1割、3割できれば理想と言われます。
もし、手取りの1割も貯蓄できていない場合は、資産運用によりも出費を減らして貯蓄できる金額を増やすほうが効率的です。
十分な貯蓄ができている場合はその貯蓄の一部を投資などの財テクに回し、できていない場合は節約などの財テクを中心に考えるようにしましょう。
最初に難しい財テクを選択しない
財テクは、いち早く開始して、継続してこそ効果を発揮します。
有効な財テクでも、開始までに時間がかかる、さらに継続が難しい場合は別の方法を検討したほうがよいかもしれません。
例えば、株式投資は企業分析を行い適切な銘柄を選択するには勉強が必要です。また、FXや仮想通貨のように高いリターンができる財テクはリスクも大きいので失敗すると逆効果になります。
「始めるために勉強が必要で敷居が高い」または「リスクの大きい」方法は財テクの中でも継続が難しいです。
ですので、初心者は予備知識がなくても簡単に始められ、継続しやすい財テクを選ぶことをおすすめします。
目的を意識しながら行う
財テクを始めるなら目的を意識しながら行いましょう。
具体的にいくら節約するのか、どれくらいの利益を期待して、どのくらいの期間投資をするのかといった目標を定めることで適切な財テクが見えてきます。
節約の財テクは長期間に亘って行うことで効果が出やすくなりますが、目的を意識しながら行えば長続きしやすいです。財テクを選ぶ際は必ず目的を決めてから始めるようにしましょう。
ここまで財テクを選ぶポイントを紹介してきましたが、初心者におすすめの財テクは特別な知識を必要としない誰でも実践可能な方法です。次の項目では誰でも簡単に始めやすい財テクに絞って方法を紹介します。
初心者におすすめの簡単な財テク10種類
初心者におすすめの簡単な財テクは、「節約に関するものが4種類」、「資産運用に関するものが6種類」で合計10種類あります。
- 固定費の見直し
- ポイントの活用
- ふるさと納税
- 財形貯蓄
- 個人向け国債
- 貯蓄性の高い保険
- 投資信託
- ロボアドバイザー
- 不動産投資型クラウドファンディング
- ヘッジファンド
それぞれ詳しく解説します。
固定費の見直し
普段の生活で十分に貯蓄が溜まらない場合は、生活費の見直しから行いましょう。
特に効果的なのは住居費、水道光熱費、通信費などの毎月定額で支払う固定費です。
例えば、スマホを格安スマホに変えて通信費を4,000円削減できたと仮定します。通信費などの固定費は値上がりを考慮しなければ翌月以降も削減できる費用です。よって、毎月の通信費を4,000円削減するということは、年間の支出額48,000円を削減したことになります。
よってどの費用から節約を始めたらいいのか分からない場合は、固定費から見直すのがおすすめです。
ポイントの活用
クレジットカードやスマホ決済の利用や、よく利用している店舗のポイントシステムを利用すれば、ポイント還元による節約効果が期待できます。
例えば、ただ10,000円を支払うよりも、1%の還元を受けて100円分のポイントを受け取るほうがお得に買い物ができ費用を削減できます。
また、ポイントは買い物だけでなく投資への利用もできます。後ほど紹介する投資信託にも利用できるので、投資元本を用意する手段として覚えておきましょう。
ふるさと納税
ふるさと納税は地域に寄付という形で納税することで、寄付額から自己負担額を差し引いた額を翌年の税金から控除する制度です。
例えば、30,000円を納税した場合は負担額の2,000円を差し引いた28,000円が控除額になります。
ふるさと納税では寄附金に応じた、様々な種類の返礼品が受け取れます。欲しい返礼品を提供している地域を探して納税をするほうが普通に納税するよりもメリットが大きいです。
ただし、税金の控除限度額を超えて納税をしても控除は受けられません。控除限度額はふるさと納税のサイトのシミュレーションを利用すれば目安が分かります。
財形貯蓄
財形貯蓄を導入している企業に属している場合は、制度の利用で税金の節約が期待できます。財形貯蓄には、財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄の目的に合わせた2種類の制度があります。
住宅財形は「住宅の購入に関する資金」、年金財形は「老後の資金」形成の目的に限定されますが、550万円までの貯蓄に対する利子が非課税です。
給与から天引きする形で貯蓄するので続けやすいです。サラリーマンの方は税金を節約しながら目標に合わせた資産形成ができます。
ここまで節約に関する財テクを紹介してきましたが、次の項目から資産を増やす財テクを紹介していきます。
個人向け国債
個人向け国債は、個人でも買いやすい価格で販売されている債券のことです。
1口10,000円単位で購入可能です。
投資期間と金利は種類によって異なりますが、変動金利かつ投資期間が10年の商品は金利が高い傾向にあります。
変動金利ではなく固定金利の商品もあり、投資期間も決まっているので、得られる利益と投資期間を計算しやすいのが特徴です。
発行してから1年経過すれば途中解約も可能であり、利益は減少しますが解約による元本割れはありません。
資産を増やす財テクの中でもリスクが低く定められた期間で安全に運用できます。
ただし、利回りは定期預金と比較すると高いですが0.1%に満たないので、安全性を重視した財テクです。
貯蓄性の高い保険
保険の中でも貯蓄性の高い保険に加入することで、保証を受けながら資産も増やすことが可能になります。毎月の保険料を積み立て続けることで、満期時にこれまで支払った保険料よりも高い保険金を受け取ることが期待できる商品です。
貯蓄型保険の保険料は掛け捨て型よりも高く設定されています。
毎月の保険料を抑えるなら低解約返戻金型終身保険の利用も選択肢の一つになります。
これは、途中解約による解約返戻金が低く設定されている代わりに、保険料の払い込み期間を終えると解約返戻金が大きく増加する特徴を持っています。
掛け捨て型ではなく、貯蓄性の高い保険に加入することで長期を前提にした財テクも可能です。
投資信託
投資信託はファンドマネージャーと呼ばれる資産運用のプロに運用を任せられる投資方法です。株式投資のように、自分で銘柄を選択する必要がないので、誰でも簡単に投資が可能になります。
投資信託の投資額は100円以上1円単位から始められる商品もあるので、誰でも始められます。また、取引する証券会社によってはポイントを投資信託の元本として使用可能です。
ただし、投資信託は国債や保険よりも高い利益を期待できますが、元本割れの危険性がある商品です。投資対象である株式が暴落した際は大きな損失が生じる可能性があります。
ロボアドバイザー
ロボアドバイザーも運用を任せられる投資方法ですが、任せる相手はAIです。AIが利用者のリスク許容度に基づいて投資先を選択して、自動的に運用を行ってくれます。
投資家がやることは、毎月決められた額を積み立て続けることだけです。よって、投資信託と同様に誰でも実践しやすい財テクといえます。
しかし、ロボアドバイザー投資も投資信託と同様に元本は保証されていないので、元本割れのリスクがあります。
不動産投資型クラウドファンディング
通常の不動産投資は運用するために様々な知識が必要になり、手間が非常にかかるので初心者向きの財テクとは言い難いです。
しかし、不動産の運用を行うクラウドファンディングへの投資であれば簡単に始められます。利回りは高く、10%近い案件もあるようです。
不動産投資型クラウドファンディングは多くの投資家を募る形式を取っているので、不動産投資よりも少額で始められます。
また、不動産の運用中に生じた損失は一定額までであれば事業者が負担するので、元本割れリスクが低いのが特徴です。
元本割れリスクは事業者の負担額に依存するため、必ずしも元本割れをしないことを保証するものではありません。しかし、リスクをある程度回避しながら投資が可能になります。
ヘッジファンド
ここまでは予備知識がないことを前提に投資額が少なく始めやすい財テクを紹介してきました。
しかし、近い将来に使用する予定がない貯蓄を持て余している方は、ヘッジファンドへの投資も財テクの候補になります。
ヘッジファンドは投資信託と同様に資産運用のプロに運用を任せる投資ですが、投資信託よりも自由な運用ができるので、毎年安定して利回りが10%を超える商品も存在します。
ただし、投資額は1,000万円を超える場合が多いため、貯蓄のある方で財テク先を探す場合におすすめの方法です。
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以上が初心者でも実践しやすい財テクの方法になります。
タイプの異なる財テクを複数紹介しましたが、自分に合った財テク方法は見つかりましたか?最後に財テクに投資信託を選ぶ場合に同時に利用したい制度を2つ紹介します。
財テクとともに利用したい制度
財テクとともに利用することでさらなる節約効果が期待できる2つの制度が存在します。
- つみたてNISA
- iDeCo
それぞれ詳しく解説していきます。
つみたてNISA
投資の利益には税金がかかります。投資信託であれば20.315%の税金がかかるので、節約できるなら節約したいところです。
つみたてNISAは積み立てた投資信託の利益を非課税にする制度です。
具体的には年間で40万円の投資額が対象になります。非課税となる期間は最大で20年であるため、長期の財テクにおける税金の節約が可能です。
NISAにはつみたてNISA以外に通常のNISAがありますが、年間の非課税投資額は120万円あり、つみたてNISAより優秀です。
ただし、非課税期間は5年であるため長期運用に向きません。
通常のNISAは株式にも投資できるので、株式投資に向く制度といえます。
投資信託による長期的な財テクを実践するならつみたてNISAで節税することで、財テクの効率が高まります。
iDeCo
iDeCoは個人の年金を、投資信託や保険などの資産運用によって形成する制度です。
資産の引き出しは60歳以上になるので、財テクの目的は老後に向けた財テクに限定されます。
しかし、つみたてNISAと比較すると利益が非課税になるだけでなく、積み立てた保険料を申告して税金の節約ができるメリットがあります。
老後に向けた財テクを考えるなら税金の節約メリットが大きい制度といえるでしょう。また、iDeCoとつみたてNISAは両立できるので、より多くの節税を行えます。
まとめ
財テク初心者におすすめの財テク方法を紹介しましたが、ポイントは下記の通りです。
- 貯蓄の状況を確認して節約の財テクを重視するか、投資の財テクを重視するかを考える
- 初心者が財テクを選ぶなら難易度が低く、手間がかからない方法がおすすめ
- 財テクを実践するなら、ともに利用できる制度も確認する
財テクはまず始めてみることと、始めた後に継続できるかが重要です。そのため、いきなり難しい財テクや、リスクの高い財テクは選ばず、今の自分に無理なくこなせる方法を選択して始めてみてください。