ヘッジファンドと投資信託の違いを比較してみよう
ヘッジファンドとは運用会社に任せた資産運用のことです。
公募形式の金融商品を意味する投資信託とは違いがあるでしょう。
ヘッジファンドと投資信託には、どのような違いがあるのでしょうか。
これから、2つの大きな違いについてご説明します。
また、ヘッジファンドに投資する方法などもご紹介しますので、参考にしてみてください。
1、ヘッジファンドとはどのようなものか?
ヘッジファンドでは、投資家から集めた資金を元手にして、専門家などのプロが資産運用をしています。
運用会社のことをヘッジファンドともいうのです。
相場の上がり下がりに関係せず、利益が得られる仕組みで運用しています。
よって、利益率の増大が期待できるでしょう。
専門家に任せているので、投資家は相場の心配をする必要もありません。
長期的に利益がでるようにポートフォリオを組んでいるのです。
しかし、マネージャーリスクが掛かるので注意しましょう。
ヘッジファンドでは運用を任せるので、誰が管理しているのかで結果は異なります。
優秀なヘッジファンドマネージャーが担当すれば、利益率は大きくなるでしょう。
しかし、それの指定や見極めが難しいとされています。
また、資金化に時間が掛かってしまうのも注意点です。
投資信託ではいつでも売買でき、数日で現金化できるでしょう。
ヘッジファンドは長期的な計画を立てているので、解約日や金額に制約があるのです。
2、投資信託とヘッジファンドの違い1「収益の目標」
投資信託とヘッジファンドでは「収益の目標」が異なります。
投資信託では「相対収益」が目標です。
一方でヘッジファンドは「絶対収益」を目標にしています。
相対収益とは、ベンチマークの成績より上回ることが目標です。ベンチマークとは日経平均のような、比較対象になる指数のことを良います。
投資信託はそのベンチマークよりも高くなれば良いのです。
もしベンチマークが上がれば、それを上回ることを目指すでしょう。
下がった場合は、それ以上の下落がないように抑えるのです。
絶対収益とは、どのような状況でもプラスになるリターンを狙っていることを意味しています。
投資をしていると、経済の状況に影響されることもあるでしょう。
バブル崩壊やリーマン・ショックなどの金融危機では、運用会社はマイナスのリターンになってしまいます。
日経平均などの株価指数も下落するので、市場全体で利益が出にくいのです。
しかし、ヘッジファンドは経済状況が良くても悪くても、プラスになる利益を追求しています。
このような絶対収益を目標にしているので、利益率が高いのです。
過去の投資信託とヘッジファンド成績から見ると、投資信託は年率で数%の利益になっています。
ヘッジファンドは年率で約10%~20%になることもあるので、収益目標の違いと共に運用パフォーマンスにも差が出てくるのです。
よって、常にどのような状況でもプラスのリターンになるヘッジファンドの方が、投資家には良いでしょう。
投資した資金が大幅に増えることも期待できます。
しかし、投資の際には最低数百万円が必要になるので、注意しましょう。
3、投資信託とヘッジファンドの違い2「手数料」
投資信託とヘッジファンドでは、手数料に大きな違いがあります。
投資家にとって手数料は重要になるでしょう。
利益があっても、徴収される手数料で利益率などは変わるからです。
まず、投資信託では「販売手数料・信託報酬」が掛かります。
販売手数料とは、投資信託の商品を購入する時に、証券会社へ支払うものです。手数料はファンドや販売会社によって、価格は異なります。
信託報酬とは投資信託の商品を持ち続けた時に支払うものです。
1年に1度、手数料として支払います。
一般的には、販売手数料は購入価格の約0%~3%、信託報酬は年率で約2%~5%ほどです。
売却や解約をする時には、換金手数料や信託財産留保額が掛かることもあります。
よって、投資信託は成績に関係なく、手数料が掛かってしまうでしょう。成績が悪い状態で今後の成長を見込んで持ち続けても、信託報酬は支払い続けないといけません。
これ以上の損失を出さないために売却や解約する時でも、換金手数料などが掛かって、さらに資金を失うこともあるのです。
ヘッジファンドでは「残高に対応する手数料・成功報酬」を支払います。
残高とは投資家から徴収した資金の合計額です。
その残高に対して、約2%の手数料が一般的となっています。
また、運用成績が目標よりも上回ると、成功報酬を支払うのです。
ヘッジファンドはその成功報酬を収入源にしています。
運用成績が上回ると、上回った価格の約20%~30%を支払うことになるでしょう。
ヘッジファンドは残高への手数料は掛かりますが、成功するまでは成功報酬を支払う必要はありません。
成功報酬も約20%~30%なら、投資家へ残る額も多いでしょう。
4、投資信託とヘッジファンドの違い3「最低資金」
ヘッジファンドで投資をする時には、最低でも数百万円が必要になります。
一方で投資信託には銘柄数が多く、数万円から始められるものもあるでしょう。よって、購入する時の最低資金に関しても違いがあります。
最低資金に違いがあるのは、資金集めの方法が異なるからです。
投資信託では「公募形式」で投資家から幅広く資金を集めています。
できるだけ多くの投資家から集めたいので、最低資金を低くしているのです。
1万円~10万円程度に設定され、投資初心者なども始めやすいとされています。証券会社と相談して、個人的に投資する人が増えているのです。
しかし、個人投資家も可能なため、投資制限が厳しく大きな利益は得られにくいでしょう。
ヘッジファンドは「私募形式」で資金を集めています。
つまり、プロの投資家や富裕層の人々から、資金を集めて運用しているのです。そのため、最低資金は数百万円となっています。
投資制限は緩いですが、ヘッジファンドの運用はハイリスクハイリターンとも言えるでしょう。
5、ヘッジファンドへ投資する方法とは?
ヘッジファンドへ投資する方法は「証券会社を通してヘッジファンド型の投資信託購入」「直接、ヘッジファンドへ投資」の2種類です。
日本では、証券会社を通じて購入する方が主流になっています。
何故なら、日本に拠点があるヘッジファンドは少ないからです。
ヘッジファンドのほとんどが、税制で優遇されるドバイやシンガポールに拠点を置いています。
また、「海外のさまざまなヘッジファンドをパッケージにした投資信託」「国内運用会社がヘッジファンド戦略で行う投資信託」など、種類はさまざまです。複数をパッケージ化したものは、分散投資を目的にしています。
プロが選んだ複数のヘッジファンドに投資できるだけでなく分散投資にもなるので、リスクを減らすことができるのです。
しかし、証券会社を通すため、手数料が掛かるので注意しましょう。
直接、ヘッジファンドへ投資する場合は、余分な手数料は掛かりません。
プライベートバンクなどで投資ができます。
また、直接連絡をして運用してもらうこともできるのです。証券会社などの仲介がいないので、コストは抑えられるでしょう。
6、投資信託とヘッジファンドの違いを理解してから、資産運用をしよう!
投資信託とヘッジファンドでは、収益の目標や手数料、最低資金に違いがあります。
最低資金が数百万円と高いですが、絶対収益を目標にしているヘッジファンドは利益が出やすい資産運用方法と言えるでしょう。
投資信託とは手数料にも違いがあるので、よく理解しておくべきです。
ヘッジファンドには成功報酬があるので、それについても知識を深めると良いでしょう。
これを参考に、投資信託とヘッジファンドの違いを理解し、それぞれに合った投資方法を見つけてみてください。