投資をするときには、分散投資が基本だと言う人は多いです。分散投資をすると、リスクが軽減されるからです。

1つに集中すると、その株の価格が下がってしまうと、大きな損になる可能性があります。

そう考えると、分散投資は間違いではないように見えます。

 

しかし、ウォーレン・バフェット氏が考える分散投資は少し違うのです。

ここではウォーレン・バフェット氏が考える分散投資について解説していきます。

 

1、分散投資の考え方

 

ウォーレン・バフェット氏が師事した人物は分散投資をすすめていました。

「同じかごに卵を入れるな」という格言を残しています。

 

しかし、バフェット氏は必ずしも分散投資をすすめているわけではありません。一般的な分散投資の考え方だと、リスクを避けるために分散投資をします。

そのような投資方法をバフェット氏がしないからです。

そもそも、リスクを回避することを目的とした投資はおかしいと考えているということがあります。

 

これはバフェット氏の投資スタイルに関係がある考え方です。

彼は一度買ったら長期投資するスタイルを貫いています。

そのため、買う株にはリスクが存在しないと確信したときにしか投資をしません。

そのような考えのバフェット氏ですが、分散投資をしていない訳ではないのです。

どんなに素晴らしい銘柄でも、1つだけで資産運用することは不可能です。

 

投資するのに値する株が見つかれば、分散投資をしています。

バフェット氏の分散投資の考え方は儲かる株が見つかれば、投資先を増やすというやり方なのです。

投資先が見つからない場合には、資金を集めることを止めてしまっていた時期がありました。

このように良い投資先を見つけることが重要なのであって、分散投資が先ではないのです。

 

2、分散投資として銘柄を選ばない

 

分散投資をする時に一般的には業種を変えたり、関連がない株を選ぶことが重要です。

 

しかし、それは最初に選んだ株を中心にして、他の銘柄を選んでいることになります。

それだと、始めに選んだ株が素晴らしいものだとしても、分散投資をするために選んだ株はそうではない可能性があります。業種などに制限があるため、単純に優良株を選ぶよりも選択肢が狭くなるからです。

 

このような制限は株を選ぶときの足かせになります。バフェット氏の考えからすると、優良株を買っていない時点で、儲かる確率は低くなることになるでしょう。

 

分散投資を意識するあまり、優良株を買うことを忘れては儲けられないのです。また、分散投資をして外国株などを買うことは有効だとされています。

 

しかし、バフェット氏はこの分散の仕方にも異議を唱えます。

知らない国の知らない株を買うよりも、知っている国の馴染みのある会社に投資する。優良かどうかを見極めやすいからです。

自分の国のことなら住んでいる人が一番よく知っています。優良かどうかを見極めやすいからです。

地政学的リスクにも精通しているでしょう。

そのような利点を利用しないのでは、株で儲けることは難しいのです。

 

3、投資対象を徹底的に調査

 

分散投資をするからといって投資先の調査を甘くしては、儲かる可能性は高くないです。

全ての投資先で儲けられるように投資対象を徹底的に調査すると良いでしょう。資金は限られていますので、投資先を間違って大きな損失を出してしまうと、立ち直れなくなるかもしれません。

 

そのようなリスクを負うよりは徹底的に調査することが重要です。

その結果として、優良株だと判断できれば分散投資の候補に加えます。

 

できる限りたくさんの分散投資の候補を見つけておくと、利益を出せる株に出会うことがあるでしょう。

そのような株であれば、投資の対象として優良です。

 

徹底的に調査しても見つからないときは諦めることが大事です。

調査した時には良い株がなかったのかもしれません。

 

バフェット氏が株を買わない時期があるように、買う価値のない株しかない時期もあるでしょう。

無理に買うよりは買わない方が良いのです。

分散投資を意識しすぎることなく、買わないという選択肢を持っていることが大切です。

 

4、割安株を買うこと

 

分散投資の投資先として優良な株であっても、割高であればすぐには手を出さない方が良いでしょう。

時間が経てば割安になるかもしれません。

割安になってから買えば良いのです。

 

優良株を見つけたら、後は時間をかけて買う時期を待つことになります。時間をかけて待つことができず手を出してしまうと、利益を出すまでに時間がかかってしまいます。

割安株を見つけたらすぐに買っても良いでしょうが、そうではない場合は待つことが重要です。

 

どんな優良株でも、価格は一定ではありません。

待っていれば安くなる可能性はあるのです。

また、バフェット氏の分散投資では割安株が大事になります。

儲かる株に成長する確率が高いからです。

優良株が割安であれば、儲けられる株に成長するでしょう。

バフェット氏は儲けられるように分散投資をすることを重視していますので、割高で買うよりは割安の方が儲けを出しやすいです。

 

5、分散投資でも分散しすぎない

 

分散投資という言葉から沢山の株に分散させることが大切なように思えますが、そんなことはありません。

バフェット氏は数を制限して分散投資をしています。

 

それほどに優良株は少ないということですが、一方で分散してしまうと管理ができなくなる可能性があるのです。

数がたくさんあれば、それだけ分析に時間がかかります。

 

沢山持ちすぎると、持っていても良い株なのかどうかに自信が持てなくなってしまうでしょう。

分散投資をするにしても、自分の管理ができる範囲内でする必要があります。

 

沢山株を持っている人は、毎月や毎年ごとに解析ができる人なのかもしれません。

その自信が無いのであれば、分散しすぎずに管理できる数にすると良いでしょう。

 

6、結果として分散投資になる

 

優良株を見つけて、割安になっていることを確認して、成長できると見込んだら株を買います。

その株以外にも同じように有望な株を見つけていくと、段々と分散投資になるのです。

 

始めから分散投資をしようとすると、リスク回避にばかりに目がいった銘柄が揃うことになってしまいます。

この点がバフェット氏の分散投資に対して持っている不信感なのでしょう。

 

分散投資を目的にするのではなく、結果として分散投資にすることが大切です。

そのためには優良株を見つける必要がありますが、そのために必要なことをバフェット氏は論文が書けるほど調べることとしています。

 

その企業の論文を書けるほど調べておけば、どのようなことも想定の範囲内になるからです。

そこまで分析して見つけた優良株は期待を裏切ることは少ないでしょう。

ただし、そのように見つけて分散投資をした株であっても、優良株ではなくなった場合や成長の見込みがなくなったときには、手を引く勇気を持つことが大切です。

 

固執してしまうと、損害を出す可能性があります。株取引では引き際は重要ですので、早い決断を下すと良いでしょう。

分析に時間をかけすぎてしまうと、売る時期を逃すことになります。

急落を起こしてからでは遅いので、そこは迅速に動きましょう。

 

7、バフェット氏から学ぶ分散投資の最後に

 

バフェット氏は分散投資でリスクを回避する考え方には否定的です。

分散投資を目的に銘柄を選んでしまうと、儲かる銘柄ではない可能性が高いからです。

 

あくまでも優良な株に投資をした結果として、銘柄が増えて分散投資になったという方が自然な分散投資になります。

投資は儲けるためにするものですので、リスクを回避するために投資をしない方が良いでしょう。

 

バフェット氏が実践しているようにまず徹底的に分析して、優良株を見つけて持ち続けることが大事です。

分散投資はその次にすることなのです。

 

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